【七夕賞】優勝:アスカクリチャン

2012(平成24)年7月8日福島、G3・芝2000m、フルゲート16頭、晴・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (6) アスカクリチャン 牡5 55.0 内田博 2.01.1 36.0 488( 0)
2着 (5) トーセンラー 牡4 57.0 岩 田 ハ ナ 35.5 436( -2)
3着 (7) ミキノバンジョー 牡5 55.0 太 宰 1/2 36.7 510( 0)
4着 (16) ケイアイドウソジン 牡6 56.0 石橋脩 ハ ナ 36.6 498( -4)
5着 (11) ニシノメイゲツ 牡5 53.0 田中勝 ク ビ 35.7 450( -2)
  • 1000m通過は60秒3とやや重でも平均的なペース。ミキノバンジョーがいいペースを刻んでいく。この流れで、人気馬は全体にばらけた。ゲシュタルトは小細工せずに状態の良さを活かして強気に先団のイン。タッチミーノットは中団の外目。その後ろにダイワファルコンがやや掛かり気味に追走るそして、1番人気のトーセンラーは後方4番手あたり。その前にエクスペディションという隊列。その意味では、どの馬に展開が向くか注目のペースだったのだが平均ペース。しかし、今回のレースのポイントは残り800mのペース変化だった。ここで福島では勝負どころとなり短い直線めがけていい位置を取ろうと各馬のペースが上がる。だが、今年は特にこのペースアップが急激。0秒6も直前のハロンラップより速くなっている。今年の特徴的な点と言えるだろう。では、この急激な加速はどの馬に利したか。
  • その前にこの日の福島の馬場を考えておきたい。レースはやや重だったが渋った馬場。特に直線での内外の馬場差があったようで、軒並み中央よりも外に出した馬たちがよく伸びるレースが散見されていた。まず、残り800mの加速で先行馬の多くは脚を使わされてしまい、スタミナをロス。厳しい流れ。タフなゲシュタルトもインで苦しくなってもがいしてまう。一方で差し馬たちも厳しい展開。ペースとしては、最後の直線で帳尻を合わせされるペースとなったが、渋った馬場でさら外に出さないと伸びない直線。かなりロスが大きい条件となってしまった。この流れを利せるのはコース取りを優先的にできる、先行馬。そして、この流れを乗り切るだけのスタミナのある先行馬だろう。
  • まずこれに該当したのは、ミキノバンジョーだった。この強気のペースを引っ張ると直線でもしぶとい伸び脚。2番手のケイアイドウソジンもダイヤモンドS(G3)勝ちのある長距離走者で、追いすがるが直線半ばで抜け切る。しかし、このまま押し切ろうとするところに、追い込んだのは先団後ろで待機していたアスカクリチャンだった。4コーナーで各馬がアラアラになっていくところでもこの馬は内田騎手が手綱をタイミングよくしごきながら、全力は出させずに直線へ。直線入ってからギリギリ馬場のいいところを選択。一旦、右ムチで馬が飛んでしまうところがあったが、シンゲンが外にいたため幸運にも止まり、さらには馬場のいい外も通れることとなった。ジワジワと追い上げるとゴール前で先頭。14番人気ながら重賞タイトルを獲得。
  • ここまで父スターリングローズという血統背景もあったのか、中距離ではほとんどレース経験さえなかったアスカクリチャン。マイルあたりではいい競馬をしていたが、このタフな流れで意外に一面を見せてくれた。55キロという斤量も極端に軽いものではなく、こういう消耗戦で力を発揮したのは収穫だろう。時計の掛かる馬場で重厚な競馬が合っているタイプなのかもしれない。今後の選択肢が広がるレースだろう。意外に長い距離が合っているのかもしれない。マイルよりゆたりと競馬ができる分、この距離はいいはずだ。2着トーセンラーは追いこんだが届かず。この馬は外に出すのに手間取ってしまった。内目の枠でなかなか動けなかったのが痛かった。4コーナーで何とか外に出そうとしたが、前に馬が並び、ようやくエンジンをかけられたのは残り200/mあたり。ここから物凄い加速を見せた。ロスがなければ勝っていても…。拾いコース、良馬場で末脚を発揮したいところだろう。3着ミキノバンジョーも勝ち馬同様にこのところ2000mでは走っていない馬。しかし、中1週でこの強気の立ち回りは評価していい。消耗は気になるがサマー2000シリーズは合いそうな気がする。4着ケイアイドウソジンは、スタミナを発揮した。やはりタフな流れでは浮上できる。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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