【エリザベス女王杯】優勝:クィーンスプマンテ
2009(平成21)年11月15日京都、G1・芝2200m、フルゲート18頭、晴・良
| 順位 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 着差 | 上り | 馬体重 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | (7) | クィーンスプマンテ | 牝5 | 56.0 | 田中博 | 2.13.6 | 36.8 | 454( 0) |
| 2着 | (11) | テイエムプリキュア | 牝6 | 56.0 | 熊 沢 | 1 1/2 | 36.9 | 506( +2) |
| 3着 | (16) | ブエナビスタ | 牝3 | 54.0 | 安藤勝 | ク ビ | 32.9 | 454( +4) |
| 4着 | (10) | シャラナヤ | 牝3 | 54.0 | ルメール | 3 1/2 | 33.4 | 416(---) |
| 5着 | (2) | メイショウベルーガ | 牝4 | 56.0 | 池 添 | 1/2 | 33.3 | 498( +2) |
- まず最初に、クィーンスプマンテ、テイエムプリキュアの2頭の陣営に素直に祝意を表する。そして、馬券を当てられた方にも。それでも、誤解される危険を冒してでもあえて言いたい。こんなレースを見せてしまっては、競馬ファンは離れていく。馬券がどうこうは別としても、不満を持つファンは相当数いるはずだ。一番不満があるのは、全ての馬が自分の力を発揮して競い合う、それが競馬であり、騎手の義務でもあるにもかかわらず、勝つことが物理的に不可能な差を「ほったらかし」にしたことである。
- レースは、結果的に1、2着となった2頭が離して逃げる形。ペースは1000m通過が60秒5。平均的なペースだが、もちろんこの時計は2頭のもの。これより10馬身以上離れて追走していた馬たちは63秒ぐらいだろう。しかし、逃げた2頭のペース自体は、それほど楽なものでもない。3ハロン目からの1000mが全て12秒2、3で推移してタメが作れないペース。一般的に仕掛けどころとなるラスト800m、即ち1400m通過タイムは、過去10回と比べて5番目の速さで平均的なラップであり、特定の脚質に利する流れではなかった。
- では、なぜ前2頭の決着になったか。それはラスト800m〜400mでの各馬の動き、位置取りが理由である。通常、勝負どころとなるこの区間だが、今回も残り4ハロンの3角で11秒台にペースアップ。いつもなら、ここで逃げ馬たちは苦しくなり後続が差を詰め一団となり直線勝負…のはずなのだが…。今回は後続が全く動かなかった。この「差を詰めなければならない区間」でも射程圏内に捉えるまでに差が詰まらなかったこと、これが前2頭が押し切れた理由である。
- では、差を詰めなかった理由は何か。2点あろう。1つは、前2頭が人気薄で勝ち負けを争うとは思われず、軽視されていたため。そしてもう1つは、ブエナビスタら警戒すべき馬が動かずに、他馬も先に動くわけにはいかなかったということ。定石通りの乗り方であり仕方のない側面もある。だが1点、判断を誤ってしまったのは、あまりにも長い間「動かなすぎた」ことだ。
- 残り400mの時点でも10馬身ほどの差。ここで、前2頭はさすがにバテて減速。最後は12秒2、12秒9で計25秒1は2番目に遅い時計。だが、後続はリードを与えすぎてしまった。ブエナビスタが競走馬として限界に近い32秒9の脚を使ったものの捕まえられず…。実に、この上がり3ハロンの脚は勝ち馬よりもブエナビスタは4秒近く速い上がり。屈指の差し馬ブエナビスタの懸命の差しでさえ追いつけない差。これでは他馬は届くわけがない。有力馬を警戒するのは仕方ないとしてもこの結果、「展開のアヤ」というより、物理的に追いつくことがほぼ不可能な差を「ほったらかし」にしてしまったのは、厳しく言えば「過失」とさえ私には思えるのだが…。
- レースタイムは2分13秒6。これはこの距離になってから2番目に遅い時計。時計だけを見ればこの時計で走れる馬は今回のメンバーなら当然、他にもいる。その意味では、多くの馬たちは完全に脚を余してしまったレース。戦前にレースタイムをどこに設定するかにもよるが、2分12秒程度、このペースゆえ13秒台としても、この差を逆転するには後続は32秒ちょうどに近い脚が必要となる差となっていただけに…。G1という場。まして、3歳と古馬の牝馬同士のトップレベル同士が初めてあいまみえて、実力を競い合い今後の勢力図を展望していくために非常に大事な舞台。それがこれでいいのだろうか…。ファンとしては、各馬の力比べを見たかっただけに本当に残念。
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- 研究員アサノ プロフィール
- レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
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