【天皇賞・春】優勝:アドマイヤジュピタ

2008(平成20)年5月4日 G1・京都競馬場 芝3200m フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (14) アドマイヤジュピタ 牡5 58.0 岩 田 3.15.1 34.7 494(-8)
2着 (8) メイショウサムソン 牡5 58.0 武 豊 アタマ 34.9 514(-4)
3着 (13) アサクサキングス 牡4 58.0 四 位 2 1/2 35.5 500(-4)
4着 (4) ホクトスルタン 牡4 58.0 横山典 3/4 35.8 516(+6)
5着 (2) アドマイヤフジ 牡6 58.0 川 田 1 1/4 35.2 530(-8)
  • アドマイヤジュピタの課題は、長くいい脚が求められる京都外回りに対応できるかという点だった。前走の阪神大賞典では仕掛けを4角まで待って切れ味を引き出す戦法。短いラストの区間での一瞬の瞬発力は認めつつも、残り800mで急激にペースが上がり、3角からの坂を下りながら長い区間での伸び脚を求められた場合どうか。そして最後まで脚が残っているか…。しかし、それらの心配は単なる杞憂に終わった。
  • スタート出遅れたジュピタだが、長丁場では大した不利にはならず中団のやや後ろで待機。前にアサクサキングスを視界に入れ、サムソンを直後でピタリとマークする絶好の位置。レースが動いたのはやはり3角過ぎの残り800m地点。キングスが「王道の競馬」で動き出し11秒台にペースアップ。スタミナ勝負へと馬群を誘い込む。ここでこの急上昇に対応できる馬と手ごたえが怪しくなる馬にハッキリと二分。ポップ、トリック、アイポッパーら穴人気を集めた馬たちはフルイにかけられ脱落。すかさず付いていくのはサムソン、そしてジュピタだけ。残った3頭は距離云々ではなく競走馬としての能力が高い馬と言える。
  • ここでの上位人気3頭の思惑としては、まずキングスは地力を生かしてジワっと前へ行きリードを最後まで保ち続ける作戦。サムソンは後ろのジュピタを警戒しつつも、やはりペースが上がれば地力を前面に出すために、ためらわずに追いかけこれも底力で押し切る作戦。この時点でただ1頭、京都長距離G1未勝利のジュピタは、もはや割り切って乗るしかない。ロングスパートが利くかはこの時点で未知。ついていって最後の切れ味が鈍るなら仕方がないという、ある意味では賭けの作戦。それぞれの思惑通り進んだ3頭。直線で熾烈な叩き合いとなった。
  • まずキングスが早めに動いた分、先に脚が鈍る。後は2頭のマッチレース。一旦ジュピタが抜けかかるがサムソンが残り100mで抜き返す。ここで勝負ありと思いきや、岩田騎手の豪腕に励まされ、信じられない二の脚を使いジュピタが差し返したところがゴールだった。今回の競馬は、ジュピタにとってもただの切れ者ではなく底力を備えた完成度の高い馬であることを証明するための試金石だった。11秒台の脚を600mは使えるのはわかっていたが、いつもより早い段階での仕掛けでラスト800mからスパートで最後の200mの勝負に耐えられるか。個人的には不安視していたのだが…。脱帽。秋は豪州。デルタブルースらとの力の比較で見ても世界で戦えるスケールを持つ馬だ。
  • 2着メイショウサムソンは互角の勝負。だが、この乗り方でのレースは納得。武豊騎手になってから大事に乗り過ぎ、4角からの瞬発力勝負に持ち込むレースが目立ったが、もともとは今回のような早めに動いて押し切るというタイプ。4角でキングスが膨らみアオリを食ったが、スムーズな脚を久々に見せたのは収穫。去年のこのレースでの石橋守騎手の乗り方がベストだと思っていたが、武豊騎手、その通り3角からのロングスパート。底力勝負でG1タイトルを獲得してきた馬。これからも力で負かしに行くレースをして欲しい。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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