【ヴィクトリアマイル】優勝:エイジアンウインズ

2008(平成20)年5月18日 G1・東京競馬場 芝1600m フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (6) エイジアンウインズ 牝4 55.0 藤 田 1.33.7 33.4 486( +2)
2着 (9) ウオッカ 牝4 55.0 武 豊 3/4 33.2 478(---)
3着 (2) ブルーメンブラット 牝5 55.0 後藤浩 ハ ナ 33.6 466( -2)
4着 (12) ヤマニンメルベイユ 牝6 55.0 柴 山 3 1/2 34.4 474( +6)
5着 (13) ニシノマナムスメ 牝4 55.0 吉田隼 ハ ナ 34.3 456(+10)
  • 先週の3歳G1、NHKマイルカップよりも1秒以上遅い、前半47.9。積極的にハナを主張する馬は不在。互いに譲り合うという感じで10馬身ほどの間に収まる馬群を形成。この要因としては、ニシノマナムスメの吉田隼騎手のように、追い込みタイプの馬たちがウオッカより前で競馬をするという作戦を取ったことが大きい。ダービー馬との600mの直線での追い比べでは、切れ味自慢のこの馬でも後ろから差せるという確信は持てない。なんとかリードを奪ってそのままなだれ込みたいという思惑で積極策を取る馬が多かった。さらに、この場合ペースを上げてしまうと、後方の馬、つまりウオッカに利することとなってしまうため、結果、ある種の「談合」状態とでも言うべきスローにするという黙契がなされ、追い込み馬による淡々としたペースが作られるという奇妙な流れとなった。
  • それにしても、これはかなりのスローペース。前後半が48秒以内‐46秒以内という上がりの競馬で決着した東京マイル戦は過去に8レースだけ。ちなみに、去年のこのレースも該当するが、去年はほぼ11秒台でラップが推移するタフな展開だったのに対して、今年は直線入り口に至る1000−1200m区間が12.1(昨年は11.6)。そして直線に入った次の200mは昨年と同じ11.2と去年以上に急激なペースアップが求められた点で異なる。先週とほぼ同じだが、「追い込み馬が先行した結果としてのスローペース」と、その反動である「急激な直線でのギアチェンジ」が今回のポイント。換言すれば、折り合いと瞬発力が勝ち負けのための必須条件となった。
  • 勝ったエイジアンウインズは、前走は逃げ切ったが自在の脚質。先団の好位置につけると、馬場のギリギリ荒れていない内から5、6頭分の外を回っていく。申し分のない位置取りで直線へ。ここで急激なペースアップとなるわけだが、11戦目と比較的キャリアが浅いだけに、大一番での上がりのスピードに対応できるかは未知数だった。ともかく、走ってみなければわからないある意味半信半疑の状態。しかし、直線では一旦ニシノマナムスメの後ろへ、レインダンスに外から閉じ込められそうになったもののスペースを死守。ニシノマナムスメが内へささって広く開いたところを鋭く伸びた。まだこの馬の底は見えていない。距離も今回自己最長距離だったが、中距離まではこなせそう。
  • 2着は圧倒的人気を背負ったウオッカ。武豊騎手は直線に入ってからも脚をためて、追い出したのはラスト400m過ぎ。ペースアップに合わせ、無理に動いて消耗させる必要はない、後ろからでも差し切れると踏んでいたのだろう。だが、これはあまりにもキレイに描かれた青写真。私は武豊騎手がギリギリまでためた判断は間違いだったと思う。大事に乗りすぎ結果脚を余した。ただ、鞍上の判断ミスも敗因の1つだが、武豊騎手が求めていた能力値をウオッカが発揮できなかったのも事実。結果としてウオッカの評価は変えざるを得ないだろう。明らかに成長力に乏しく、ダイワスカーレットとの差は広がるばかり。牝馬同士、東京コースのここは負けてはいけないレースだった。現状、超一流馬ではなく平凡な一流馬という評価が妥当。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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