【宝塚記念】優勝:エイシンデピュティ

2008(平成20)年6月29日 G1・阪神競馬場 芝2200m、フルゲート18頭、小雨・重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (9) エイシンデピュティ 牡6 58.0 内田博 2.15.3 37.3 498( +2)
2着 (2) メイショウサムソン 牡5 58.0 武 豊 アタマ 36.9 510( -4)
3着 (1) インティライミ 牡6 58.0 佐藤哲 ク ビ 37.2 464(-10)
4着 (5) サクラメガワンダー 牡5 58.0 福 永 1 1/2 37.0 482( +2)
5着 (11) アサクサキングス 牡4 58.0 四 位 1/2 37.5 494( -6)
  • 大雨で荒れた馬場状態。1000m通過は60.6だが、ラストは62.1と後半に時計が掛かるレース。直線だけでは帳尻を合わせることが不可能なことは明らかであり、必然中団にいた有力各馬は早めのスパートとならざるをえなかった。しかしレースのラスト1000mを見ると、最後の1ハロンを除いてほぼ同タイムで推移。各馬が仕掛け始めたラスト800mでもラップは直前と比べて12.3→12.2とほぼ同じ。重馬場でペースが急激には上がりづらいのも一因だろう。ともかく、悪化した馬場という条件でこの淀みないのペースの、さらにそれを上回るラップで長く脚を使わされることになった後続の馬たちにとっては、かなり底力が要求される展開となった。
  • しかし、一番厳しかったのは逃げたエイシンデピュティ。全くタメが作れない展開で馬場のアドバンテージを差し引いたとしても立派な内容だ。このレースの過去22回で逃げ切りは2回。92年メジロパーマーは前半淀みないラップを刻み続け、最後は14秒にラップを落としながらもギリギリ逃げ切った。98年サイレンススズカは徐々にラップを落として、直線に入り一気にスパート。そのいずれとも違う、一定のペースでの逃げ切り。これは、逃げ馬にとっては一番厳しかったはず。
  • だが、金鯱賞でも見せたように、ワンペースで逃げ切りは実はこの馬にとっては絶好。金鯱賞の時に指摘したが、レース全体のラップタイムがプラスマイナス1秒以内で収束するレースはレベルが高く(金鯱賞が該当)、まして、そのレースラップ=自身のラップとして逃げ切った逃げ馬は相当な力がなければ逃げ切れない。前走で示した底力をいかんなく発揮しての逃走劇。初距離の点で人気はやや落としていたが、2000mでは既に結果を出していただけに、プラス200mは守備範囲。直線ではメイショウサムソンとの壮絶な叩きあいとなったが、凌ぎきって初のG1タイトル。最後の叩きあいは技術的にもなかなか見ごたえがあった。一方でアサクサキングスの「アシスト」も大きかった。キングスは直線で追われるとまず右にささりインティライミの進路を塞ぎ、次に左によれてメイショウサムソンにぶつかる。最後のアタマ差はどこまで詰まっていたかは分からないが、この不利がなければ限りなく着差は縮まっていただろう。
  • その2年連続2着のメイショウサムソンの乗り方は悪くなかった。再三述べてきたように、今まで武豊騎手はギリギリまで脚を温存する乗り方。しかし、この馬の長所は早めに勝負に行っての粘り腰。皐月賞もダービーもそうして制してきた。今回は久々に早めのレース。馬場、他馬の動きでそうせざるを得なかった側面もあるが、久しぶりの「正攻法」。キングスを前に置き、それを追いかけるようにジワッと上昇。4角では手ごたえが怪しく見えたと言う人もいたが、これはバテたわけではなく時折見せるズブさ。取り立てて騒ぐことではない。この4角でアルナスラインをキングスの後ろに閉じ込めたまま外を回ったのも上手かった。直線でもこの馬らしく、しぶとく伸びたがキングスとの接触もあり僅差の2着。だが、この春2走は収穫十分。この馬らしさが戻ってきた印象だ。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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