【小倉記念】優勝:ドリームジャーニー

2008(平成20)年8月3日 G3・小倉競馬場 芝2000m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (3) ドリームジャーニー 牡4 57.0 池 添 1.57.9 34.4 422( +8)
2着 (10) ダイシングロウ 牡4 56.0 川 田 35.2 502( -6)
3着 (9) ケンブリッジレーザ 牡5 52.0 安藤光 34.7 504( -2)
4着 (7) ヴィータローザ 牡8 56.0 小牧太 35.8 474( +8)
5着 (14) ミヤビランベリ 牡5 55.0 岩 田 ク ビ 36.0 496( +2)
  • ドリームジャーニーが復活の雄叫び。軽飛行機再び軌道へ。レースは「上がり馬」ダイシングロウと、メンバー中ただ1頭のG1馬である「実績馬」ドリームジャーニーという対照的な2頭によるマッチレースとなった。道中の位置関係はドリームジャーニーが後方から。中団につけたダイシングロウを視界に入れる。レースが動いたのは3角過ぎ。ダイシングロウがスッと外から上昇。川田騎手、ライバルの決め手を勘案して先に動いた。同位置からの追い比べでは、切れ者ジャーニー相手では分が悪いのは確か。
  • この判断はレースを勝つための判断としては半分正しい。半分とは、ドリームジャーニーに相手を絞り、その差しを封じるために先に動いたことである。ただ、それを可能にする底力がこの上がり馬にあるか不明だった。その点では勝算に基づいていない「賭け」に等しい戦法でもあった。ただ、勝つための戦法としてはいささか慎重さを欠くとはいえ、その賭けは決して無駄ではなかった。現時点での力を測る意味でも、川田騎手の強気の競馬は今後のために意義のある戦法だった。勝つためには決して100%正しいとは言えない部分もあるが、この戦い方は長期的な意味で間違いはない。テーマを持ったいい騎乗だった。
  • 結局、結果は早めに動いたダイシングロウが直線で伸びを欠き、ジャーニーの切れ味に屈する形となった。ただ、11秒台が続く後半の淀みないペースで、自分から勝負に行って大負けしなかったのだから評価はできるだろう。勝ち馬の上がりはレースの上がりを0秒6も上回った。加えて、勝ち馬はダイシングロウを背後から見る形となり、レースを組しやすい状況だった。初の重賞挑戦、結果はほろ苦いが内容はかなり濃く、収穫は非常に大きい。重賞のチャンスは遅からず、やってくるはずだ。
  • さて、勝ったドリームジャーニー。ダイシングロウが動いたところでも慌てず我慢。短い区間での切れ味を生かす形にして脚の使いどころを間違えなかった池添騎手もさすがだが、馬の力を改めて確認するレースでもあった。血統的には、父ステイゴールドに母父メジロマックイーン。マイルの朝日杯FSを勝利した時にはどちらかと言えば意外なこととして受け止められていたが、本質的にはやはり中距離以上のタイプなのだろう。もちろん、神戸新聞杯優勝、東京優駿、菊花賞5着の実績が既にそれを示唆しているのだが。春シーズンは中距離に適当なレースがなかったこともあるだろうが、マイルで2戦。いずれも凡走に終わっている。マイルのような短距離では、トータルタイムでは速く走ることはできない馬なのだろう。実際、朝日杯FSでの勝ちタイムは今世紀に入ってからの同レースではワースト。唯一、1分34秒台で決着していたレースである。時計よりも切れ味で勝ったレースだった。
  • この馬のセールスポイントは、やはり末脚だろう。凡走が続いていたとはいえ、上がりの時計は安定しており、常に33秒あるいは34秒台で上がっていた。トータルタイムのスピード比べでは分が悪い。ただ、距離が伸びたときの方がその上がりが展開次第で生きる余地がある。血統背景だけではなく、この脚質からも中距離での活躍が期待されるだろう。使い詰めができるタイプではなく、この後は夏競馬を使うか未定だが、適距離が多い秋シーズンは再び飛躍の季節になるだろう。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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