【新潟記念】優勝:アルコセニョーラ

2008(平成20)年8月31日新潟、G3・芝2000m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (11) アルコセニョーラ 牝4 52.0 武士沢 1.57.5 33.7 430( +4)
2着 (7) マイネルキッツ 牡5 55.0 後藤浩 34.4 486( -6)
3着 (5) トウショウシロッコ 牡5 55.0 木 幡 3/4 34.3 476(-12)
4着 (4) ミストラルクルーズ 牡5 54.0 柴田善 ハ ナ 33.8 498(+12)
5着 (8) フサイチアソート 牡3 53.0 村 田 1 1/2 34.3 450(+16)
  • なぜかここ2年、前半1000m58秒台が続いていたこのレース。今回も、ダイシングロウが暴走気味に先頭に立ったこともあり58秒台の58.8。この時点で、例年の勝ち時計1分57秒台で走りきるためには、最低でも後半は59.1で走る必要がある。前後半の差が僅か0.3のラップで押し切ることができる馬はなかなかいないだろう。前走の内容から一定の地力は認められるが、長い直線の新潟に変わってさらに条件は厳しいはず。この馬がどこで動くかがレースを決めると予想してはいたが、まさかこんなに早く動くことになるとは…。
  • ところで、今回のレースは前2年とは違う点があった。それは仕掛けどころである1400m地点(残り600m)での時計である。06年1分22秒5、07年1分22秒3に対して今年は1分23秒2。1000mは確かに速かったが、その後12.4−12.0とペースが緩んでいたのである。これは重要な点である。勝ち時計を1分57秒台と想定して逆算すると、上がりの脚が最低でも34秒台の後半が必要とされる。確かに重賞の出走馬レベルであれば、この程度の脚はあるだろう。だが、あくまでこれはレース全体のラップの話である。後方の馬にとっては33秒台に近い脚が求められることとなる。前2年であれば1分57秒台で走るためには、全体のラップでは35秒台、後方の馬は34秒台で十分に届いたが…。今年はこの1000mから1400mでペースが一旦緩んだことで、残りの600mで帳尻を合わせるための「瞬発力」という点が問われる流れとなっていた。
  • こうなれば、上位争いできる馬は2パターン。1つは先行馬で34秒台の脚が使える馬。そしてもうひとつは後方の馬で33秒台の脚が使える馬。しかし、先頭に近い位置にいる先行馬にとっては、緩急の激しい走りにくいレースとなったはず。ペースのこともあるが、人気のダイシングロウが先頭ということもあり、積極的に動けず合わせる形で変則的なペースに付き合わされ、勝負どころまで12秒台が続いたがタメをつくるほどでもなく、最後の叩き合いに挑まざるを得ないという厳しい流れ。実際先行馬は全滅。32秒台の上がりを繰り出したことのあるバトルバニヤンまでもが35.2で6着が精一杯。ダイシングロウに至っては最下位に沈んだ。
  • この中でマイネルキッツは34.4の脚で踏ん張った。後藤騎手がうまく前半は中団でペースに巻き込まれず脚をため、ペースが落ちた4角で徐々に進出するという、無理をしない乗り方が奏功したとも言えるだろう。もちろん、タフな条件に耐えた馬も立派。
  • さて、後者の代表はむろん勝ったアルコセニョーラ。福島での活躍が印象的だが、短い区間での瞬発力が最大の武器の馬。今年の春はフケ。同時に、展開面でもスローの競馬が多く、この馬の武器を発揮する機会がなかった。こう考えると今更ながら敗因はハッキリしており、人気の盲点であったといえなくもないか…。33秒台の脚でキッチリ差しきる。何より残り600mでのスパート合戦に悠々と持ったままで追走していたのが驚き。400mだけでタメにタメた自身の瞬発力を爆発させた。直線では遊び遊び走っている印象で、展開合えば怖い存在だろう。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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