【ジャパンC】優勝:スクリーンヒーロー

2008(平成20)年12月7日東京、G1・芝2400m フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (16) スクリーンヒーロー 牡4 57.0 デムーロ 2.25.5 34.0 486(+ 2)
2着 (9) ディープスカイ 牡3 55.0 四 位 1/2 33.8 518(+ 8)
3着 (4) ウオッカ 牝4 55.0 岩 田 3/4 34.3 488(- 2)
4着 (13) マツリダゴッホ 牡5 57.0 蛯 名 アタマ 34.4 492(+ 2)
5着 (1) オウケンブルースリ 牡3 55.0 内田博 ク ビ 34.2 482(- 2)
  • ハイレベルの天皇賞上位馬が人気を集めたが、今回のジャパンカップは全く異なる能力が試されるレースとなった。前後半74.6−70.9。前半に時計が掛かり後半の上がり勝負。中山開催を除く過去10年でもこのタイム構成は異色であり、74秒より遅い前半は1度、70秒台の上がりは2度しかない。強いて言えば、00年テイエムオペラオーが勝ったレースの75.4-70.7に似ているが、この時の上がり4ハロンは47.0で今回は46.3。上がり3ハロンは00年35.6に対して34.4。つまり前後半6ハロンずつでみると似ているが、最後の800m以降で急激に上がりの脚を求められる点で異なる。
  • 2400mの持ち時計を考えれば今回のレースタイムに対応できる馬は多数いる。だが、展開的には前半に我慢ができ、後半の特にラスト4ハロンでの瞬発力が求められるレースとなった。スピードの持続力が試された天皇賞とはこの点で違う。この点、負けたとはいえまず褒めたいのは2、3着馬の2頭。前走天皇賞・秋では稀に見る厳しく息のつけないラップを追走して1着と3着。今回、全く違う展開となったレースだったが再び馬券圏内。どのような展開でも堅実に勝ち負けできるのは、何より競走馬として能力が高い証拠。2頭とも「本質マイラー説」が根強いが、これだけのレースを続けて距離も何も関係あるかと思う。ただ、後述のようにウオッカは気性的な点でベストディスタンスはマイルから中距離とも言えるが…。
  • さて、その2頭を凌駕したのはスクリーンヒーローだった。デムーロ騎手、ビデオ研究はしたと言うが、状態が「良さそうな馬」ということでマツリダゴッホをマークした気楽な作戦が吉。先団にうまく位置取り、さらにここ2戦33秒台の脚を使っていたように定評ある長距離での上がりの脚が炸裂。結果的に最も展開に合った、そして能力を出し切るレースができた。まだ底が見えないという点では買える理由はあったが、現在のトップレベルの馬達をいきなりまとめて負かすとは…。有馬記念に出られるとした場合ダイワスカーレット、マツリダゴッホの作戦にも影響を与えるだろう。強力な先行ステイヤーがグランプリを面白くする。
  • 2着ディープスカイは勝ち馬の後ろから追い出して追いかけたが僅かに届かず。作戦としては何の間違いもない。先行策にも自信はあっただろうが、中団後ろに控えて有力馬を後ろから見てダービーのように豪脚でまとめて負かす作戦。前有利の展開が合わなかったが、スクリーンヒーローは作戦を立てる上で対象として入ってはいなかったのだろう。他の人気馬はきっちりとかわしているだけに納得のレース。
  • 3着ウオッカにとっては上がりの脚といった単純な身体的能力だけではなく、精神的な進境を試されるレースとなった。1角で早くも手綱を絞る岩田騎手。何とかネヴァブションの後ろに入れることに成功したが、道中も掛かり気味。消耗が激しかっただけに直線では早々に沈みかけたがここからが脅威。インをしぶとく伸びて地力を存分に見せた。流れが全てだろう。距離をこなす身体的条件はあるが、精神面が…。極端なペースになってしまったのは不運ではあったが…。
  • 4着マツリダゴッホは不得意とされる左回りで見せ場十分。東京コースになると回りの違いというよりも仕掛けどころが難しくなる馬だが、蛯名騎手は冷静。スタミナを十分に残して直線に向かい半ばまで待ってスパートを開始。しかし、この馬は周知のようにもともと上がりの時計で勝負するというよりも、ジワッと長い脚を使って押し切るタイプ。スパッとは弾けなかった。この馬の良さが光るのは、回りは別として小回りコースなのだろう。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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