【阪神JF】優勝:ブエナビスタ

2008(平成20)年12月14日阪神、G1・芝1600m フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (13) ブエナビスタ 牝2 54.0 安藤勝 1.35.2 34.8 450( 0)
2着 (2) ダノンベルベール 牝2 54.0 後藤浩 2 1/2 35.6 448(- 8)
3着 (9) ミクロコスモス 牝2 54.0 鮫島良 1 1/4 35.2 454(+ 2)
4着 (7) ショウナンカッサイ 牝2 54.0 幸英明 1 1/4 36.2 440(- 4)
5着 (5) イナズマアマリリス 牝2 54.0 吉田豊 1 1/2 35.9 434( 0)
  • かつては、結果が全くその後のG1につながらないレースだったが、阪神コースのリニューアル後はウオッカ、アストンマーチャン、トールポピーと、上位の馬たちがそのまま次年のクラシック路線で活躍。今では登竜門的レースに変わった。これは向こう正面へのスタート地点の変更で枠による不利がある程度解消されたこと、コーナーを長く緩やかに、そして直線を延伸したことによる俗に言う「紛れの少ない」コースとなったことが影響しているだろう。競走馬としての力が試され、力がそのまま着順に比例するようなレースになっている。その意味でもブエナビスタの圧勝ぶりは、来年のクラシックの勢力図をある程度決定付けたと言えよう。
  • レースは文句なし。未勝利を勝ち上がり抽選をくぐりぬけての出走とはいえ素質、勝ちっぷりから1番人気。特に今年は重賞を経験した馬の中にこれという馬が不在で1勝馬でも十分チャンスはあったが、ここまでのレースをするとは。圧巻。スローで騎手が折り合いに苦労する馬も多い中、後方で淡々と安藤騎手の手の内。4角でゴチャつきを嫌って外を回すと、直線では圧倒的な末脚でまとめてかわして力の差を見せ付け、同世代のライバルたちを完膚なきまでに叩きのめした。34秒台でアウトコースを切り裂き、3戦目の若駒とは思えない完成度の高い走り。1頭だけ違うレースを走ったかのような完璧なレースと立ち回りだった。
  • ただ1点、時計が不満と言えば不満だが前半800mが47秒9。ここまでスローになると全体の時計が遅くなるのは仕方がない。さらに馬場もそれほど時計の出ない状態で、最後は流しての時計なのだから評価を下げる理由にならない。血統的にも距離は伸びても問題ないだろう。新馬戦こそ敗れたが、牡馬路線の素質馬リーチザクラウンと好勝負。本当に楽しみな馬が出てきた。母ビワハイジと母仔制覇。母はダービーに挑み惨敗したが、この馬がその夢を継ぐ可能性も…。
  • さて、ファンタジーSほど極端な上がりのレースにはならなかったが、このスローであれば35秒台ぐらいの上がりで、1分35秒台でまとめるのがクラシックを展望する上では最低条件。該当するのは上位3頭のみ。それでは上位馬全てにクラシックの活躍が約束されたレースだったかというと、ひとまず勝ち馬以外は答えを保留したい。実は、上位3頭にだけ共通することがあった。それは今まで「上がり33秒台で上がった経験がある」というものである。ブエナビスタは新馬戦、ダノンベルベールは前走、ミクロコスモスも前走の新馬戦でマーク。今回の流れは上がりのレースとなり切れ味が求められるレースで、その意味ではたまたま展開の利で一瞬の脚に長けている馬たちが上位を占めたとも解釈できる。勝ち馬に関しては瞬発力だけではなく完成度の高さを示した内容だけに、高く能力を評価したいところだが、2、3着馬に関しては離されての完敗だけに即、高評価というのは逡巡される。
  • 2着ダノンベルベールは中団から先に動き出したが、最後は勝ち馬の前に屈服。後藤騎手も認めたように勝ち馬が強すぎた。この馬はもっとパンパンの馬場の方が切れ味を増すタイプ。今回は、前走よりも若干早く前を捕らえに行くレースでいい経験とできるはず。栗東滞在の関東馬がまた1頭活躍…。3着は勝ち馬同様の1勝馬ミクロコスモス。スタート後は出脚がイマイチつかなかったが、後方で脚をためて最後の最後で飛び込んできた。2戦目としては十分な内容だろう。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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