【日経新春杯】優勝:テイエムプリキュア

2009(平成21)年1月18日京都、G2・芝2400m、フルゲート16頭、雨・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (10) テイエムプリキュア 牝6 49.0 荻野琢 2.26.6 36.6 502(- 4)
2着 (8) ナムラマース 牡5 56.0 小牧太 3 1/2 35.3 482(+ 6)
3着 (7) タガノエルシコ 牡4 52.0 藤岡佑 1/2 35.8 432(- 4)
4着 (5) ホワイトピルグリム 牡4 53.0 秋 山 1/2 36.1 456( 0)
5着 (15) アドマイヤモナーク 牡8 58.0 川 田 ク ビ 35.7 484(+16)
  • もちろん、勝因は人気薄でのノーマークの逃げ、そして斤量もあるだろうが、その基礎条件を生かす形での見事なラップでの逃げは立派な内容だった。特に注目したいのが、後半6ハロンのラップタイムの推移である。京都外回りは基本的にラスト800mの坂を下るポイントから加速が始まり、直線が平坦ということもあり、この加速がゴール直前の1ハロンまでずっと続く、いわゆる「長くいい脚」が要求されるコース。馬に取ってはスタミナと持続力が必要となる。800mからのヨーイドンのはずが、今回はこのペースアップの地点がやや異なっていた。
  • ラスト7ハロン目つまり後半に入った直後から3ハロンのラップが36秒3。これは過去10回と比較して最速のタイム。一方でその後の3ハロン、つまりレース全体のラスト3ハロンは36秒6。このラスト3ハロンの時計自体は遅い部類に入る。ただ、重要なのはこの2つの3ハロンのタイム差である。僅かに0秒3。これはもちろん過去10回で最少であり、レース後半が淀みないペースで進んだことを示している。
  • つまり、荻野騎手は後半に入ってからも勝負どころと通常目される800mまでの間にタメをつくらず、「出し惜しみなく」後半6ハロンの間に均等にスタミナを使っていき逃げ切ったのである。仮に、慎重にラスト800mまで脚をためた場合、後続には切れ味でプリキュアを凌ぐ馬は多く、この作戦は大正解。リードを大きく保ったまま、押し切る方がこの馬には合っているという考えだったのだろう。今までも「長距離」「軽斤量」という条件が揃った場合にはしぶといレースを見せていたが…。
  • さて、後続の最大の敗因は、勝ち馬の力を見誤ったところだが、これは仕方がないところもある。後方に人気馬が軒並み追走。互いに牽制し合いながらの道中だった。ただ決して脚を余しての負けというわけではない。きちんとそれなりの上がりを繰り出しながら負けてしまったのは展開というよりも、位置取りが後ろ過ぎたことが敗因だろう。上位3頭と人気馬のラスト600m時点、つまり1800m通過タイムは以下の通り。
  • 1着 テイエムプリキュア 1分50秒0
    2着 ナムラマース 同51秒9
    3着 タガノエルシコ 同51秒5
    5着 アドマイヤモナーク 同51秒7
    7着 ヒカルカザブエ 同51秒6
  • つまり、有力馬たちはプリキュアから1秒5〜2秒ほどの大差、距離的に表現すれば9馬身から12馬身離れていた。勝ち馬は36秒6で押し切ったため、後続は湿った馬場で34秒台の脚を使わなければ逆転不可能。各馬35秒台の脚で追い込んだものの、今の馬場状態では34秒台で上がるのは難しい。脚は使いきったが、位置取りが後ろだったため(勝ち馬から離れすぎていたため)に、届かなかったということ。
  • ナムラ、モナーク、ヒカルら人気馬は後方で待機。ナムラマースは、一旦モナークを行かせて後ろから差す作戦。結果、その作戦は馬群を形成した勝ち馬以外のライバルたちに勝つには正しかったが2着まで。ハンデ戦はターゲットを絞りづらいが、1頭だけを意識してはこういう「想定外」の馬に負けてしまうことがある。難しいレースだった。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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