【天皇賞・春】優勝:マイネルキッツ

2009(平成21)年5月3日京都、G1・芝3200m、フルゲート18頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (2) マイネルキッツ 牡6 58.0 松 岡 3.14.4 34.9 494( -8)
2着 (4) アルナスライン 牡5 58.0 蛯 名 ク ビ 34.8 542( -4)
3着 (12) ドリームジャーニー 牡5 58.0 池 添 1 3/4 34.9 426( -2)
4着 (1) サンライズマックス 牡5 58.0 福 永 ハ ナ 34.6 444(-10)
5着 (3) ジャガーメイル 牡5 58.0 安藤勝 1/2  34.5 478( +8)
  • 悲願の2つ目のG1を狙った1番人気アサクサキングスだったが、今回も成就ならず。いつ動くかでレースの勝負どころが決まると思われたこのキーホースは、向こう正面から徐々に進出開始。早めにレースのペースを上げることで、無尽蔵のスタミナを生かし他馬を消耗させ底力勝負に持ち込むという作戦。これは正しい乗り方。だが、誤算だったのは「レースが動かなかった」こと。各馬は冷静。併せて動く馬は不在。結果、追従する馬たちの体力を使わせることができなかった。それが敗因の1つ。それでも、前々で押し切る競馬はベストの作戦。他馬はともかくとして、4角では絶好の位置。G1の壁と言えばそれまでだが、淡白に失速したのはまた別の理由があるのではないか。
  • この点で注目したいポイントは、ラスト4ハロンと3ハロンのタイム。それぞれ11秒7、11秒8となっている。しかし、この区間はコースで当てはめるなら、前者が3角の坂の下り、後者は4角手前〜直線入り口であり、通常なら加速して時計が速くなるはずである。実際、過去10回でこの区間、今回と同様ペースダウンしたのは02年の1回のみ。ちなみに、3着だった昨年、この区間ではメイショウサムソンに追われる形でキングスも4角までにスパートとなり、確かに厳しい流れだった。しかし、今回は緩んでタメができたにも関わらず、昨年と同様、否、それ以上に失速。昨年のように加速し続けて押し切ることも、今年のように一旦タメをつくって追い出されても、言い換えればどう乗っても昨年とほぼ同タイム。3000mなら、強気の競馬で押し切れるが、3200mでは何故かそれができない…。理由は定かではないが、着順という結果のみからの考察では個人的には、アサクサキングスは「3000mは走れても3200mは走れない馬」ではないかと思う。この200mはあまり差がないようで、キングスにとっては意外に大きい差なのかもしれない。3000mと3200mをニアリーイコールで考えてしまう、我々のステイヤー観も見直される必要があるかもしれない。
  • さて、先述のようにラスト3ハロンでペースが上がらなかった反動で、ラスト2ハロンで0秒5という過去に例を見ない急激なペースアップ。「長くいい脚」という定石とは違い、「瞬発力」が求められた。ここで完璧に立ち回ったのは勝ったマイネルキッツ、松岡騎手。インで追走。キングスが上昇した向こう正面では、いつものように手綱が動いて付いていくのに苦労していた。勝敗を決めたのは3角〜4角。ズブイところがありエンジンが掛かるのが遅い馬だが、最短距離を進んで、あっという間に4角では中団から先団の3番手まで上昇。余計な脚を使わずにコーナリングで位置を上げた。本来瞬発力勝負には弱いが、位置取りでズブさを補い直線入り口で既に先頭争い。いつもはここでまだ前に迫りきれず、結果届かないレースが続いていたが…。松岡騎手のソツのないレース運びが栄冠をもたらした。結果的には、ジリ脚が解消されるという意味において、距離は伸びれば伸びるほどいい馬。
  • 2着はアルナスライン。道中はキングスの直後でマーク。一旦、前に行かせて無理には追いかけなかった。最後甘くなるところもあるせいか、ギリギリまで仕掛けを我慢。この馬も伸びたが、日経賞ではキッツより前にいてリードを守りきったもの。今回は位置関係が逆。外に出したが追いつけず。実力は互角だろうが今回は松岡騎手が上手かった。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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