【札幌記念】優勝:ヤマニンキングリー

2009(平成21)年8月23日札幌、G2・芝2000m、フルゲート16頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (3) ヤマニンキングリー 牡4 57.0 柴 山 2.00.7 35.8 472(-20)
2着 (11) ブエナビスタ 牝3 52.0 安藤勝 ク ビ 35.1 454( +8)
3着 (4) サクラオリオン 牡7 57.0 秋 山 3/4  35.3 474( -2)
4着 (6) マンハッタンスカイ 牡5 57.0 吉田稔 アタマ 36.1 532( +4)
5着 (12) トーセンキャプテン 牡5 57.0 藤岡佑 ク ビ 35.1 500( +2)
  • 大本命馬だったブエナビスタ。しかし、不安材料があったのは確か。まず追い込みが利かない馬場状態。先週のクイーンステークスで出走馬のほぼ全ての上がりが1秒以内に収まったように、最後の3ハロン、末脚で他馬と差をつけにくい状態。元来、追い込みが利きづらい洋芝の札幌コースであるがその上、今年は函館の代替開催により、夏を通して馬場が使われている結果、荒れた状態に。小回りコースと相まって、どうしても差し脚で勝負したい馬たちには、厳しい条件だった。加えて結果論だが、展開も今年はブエナビスタのような後ろからの組には不利となってしまった。前後半60秒2と60秒5とほぼ同一。さらには、ここ数年は前半が後半に対して相対的に緩いという、前後半のラップに違いがあったものの、今年はほぼ同一でワンペースの地力が求められるレースとなってしまったことも、この馬にとっては痛かった。
  • さて、ブエナビスタはスタートが決まりすぎてしまい予想より前へ。中団で何とか安藤騎手がなだめて進む。個人的には、欧州遠征を見据えて極端な位置取りはしないだろうと思っていたが、意図した「作戦として」ではなく「結果として」中団の位置取りとなってしまい、ある意味では中途半端な位置取り。こうなると仕掛けのタイミングが難しいところだったが、3角で後ろをマークしていたマツリダゴッホが動くと、それを追いかけるように動き出す。ただ、1つの誤算はマツリダゴッホが上がりきれなかったことだろう。安藤騎手としては、ゴッホがペースを押し上げて4角前あたりで先行馬を潰して欲しかったところ。だが、ここでもラップタイムはほとんど上がらず。先行馬は自分たちのペースを守ったままで直線に向かえた。また、ここでミヤビランベリが先団にいなかったこともペースが落ち着き続けた要因か。この勝負どころでペースを上げていくはずの7枠2頭が不発だったことが、ブエナビスタが追い込みを決められなかったことの遠因だろう。
  • 直線、ブエナビスタ自身は35秒1の最速の上がりを使ったが届かなかった。この馬の現状最大の武器はやはり末脚であり、その武器で他馬との差をつけるには、やはりこの条件は厳しかった。力負けではないものの、陣営は早くも凱旋門賞を断念。「負けた」ということも理由だろうが、それ以上に脚質的に欧州向きの走りではないことも大きな理由だろう。現状末脚が武器だけに、切れ味が生きる馬場であればあるほどいい。深い芝は決してベストとはいえない。今後の成長を加味すれば、末脚だけに頼る馬で終わるとも思えないが、現時点では脚質転換は不可能だろう。秋華賞で三冠を狙うのが、正しい選択だろうと思う。ただ、これでまた日本馬の凱旋門賞優勝という大目標が遠のいたのは、残念…。
  • 勝ったヤマニンキングリーは、柴山騎手が落ち着いていた。いつもならば、いい脚は使えるものの届かない結果が多かったが、今回は、敢えて前へ。4番手からペースを守ると、直線でためた脚を使ってブエナビスタの猛追を振り切った。先述のように前が相対的に有利なレース。先団に位置を取ったのは大正解だった。それにしても、再三述べているように今の札幌はコース取りも重要。上がりの脚で差がつかない状況では、いかに距離損をなくすかがカギ。柴山騎手の取った作戦は良かった。この馬は、地力型というより勝ちきれない瞬発力の馬というイメージだったが、今回は意外な奥深さを見せた。その意味でも収穫は大きい。3着サクラオリオンも内目を回って追い込んできた。本当に札幌の馬場は合うのだろう。4着マンハッタンスカイは、4角から意識的に出していったが、これは好判断。相手を待って脚を使うという器用なタイプではない。無骨に自分のペースを守りきるだけ。しぶとさを発揮できた。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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