【新潟2歳S】優勝:シンメイフジ

2009(平成21)年9月6日新潟、G3・芝1600m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (6) シンメイフジ 牝2 54.0 岩 田 1.34.4 32.9 452( 0)
2着 (15) フローライゼ 牡2 54.0 後藤浩 3/4 33.5 478( +4)
3着 (8) クロフォード 牝2 54.0 内田博 2 1/2 33.9 446( -6)
4着 (16) ギュンター 牡2 54.0 丹 内 ハ ナ 33.8 454( +6)
5着 (17) スプリングサンダー 牝2 54.0 上 村 ク ビ 33.9 434( 0)
  • 2歳戦は展開などの条件から勝因を説明できる馬と、能力だけでレースをして勝ってしまう馬の2つに大きく分けられる。前日の札幌2歳Sを勝ったサンディエゴシチーはどちらかといえば前者だったが、このシンメイフジは間違いなく後者だろう。とにかく恐れ入った。
  • スタートはやや立ち遅れでダッシュがつかず。それでも、敢えて岩田騎手もおっつけることなく、最後方の位置取りを選択。岩田騎手からすれば能力を測るための1つの試みでもあったのだろう。ペースは例年と比して平均的な流れで、前半の半マイルが47秒8。しかし、4ハロン目と5ハロン目のタイムの合計が45秒5というのは過去10回で最も遅い流れ。つまり、前半、淡々とした流れで進み、直線に向かうところでペースがさらに緩んで「タメ」ができるという逃げ、先行馬にとっては、持って来いの流れ。もちろん、これだけを見ると、基本的に上がりの競馬となる。よほどの脚がない限り、これを逆転することは困難であり、直線まで最後方に控えていたシンメイフジにとっては、厳しい形となっていた…はずなのだが…。
  • しかし、岩田騎手、直線に入り外に出して追撃を開始すると、徐々に外から前に迫っていく。最後は2着のフローライゼと併せ馬の形になったのも、この馬の切れ味をさらに引き出したのかもしれないが、32秒台の末脚。フラフラとしながらも見事に全馬差しきって重賞制覇を成し遂げた。タイムは1分34秒台と合格点だが、実質的にはややスローで直線に向いてのこの時計。数字以上の評価を与えてもいいだろう。特に、この最後の2ハロンのタイムは、22秒2と過去10回で最も速い結果。最後の1ハロンで垂れずに11秒台で押し通したのは立派で、この馬の末脚が長く持続するものであることを示している。前走は距離が短いこともあり、インをうまく抜けたプリンセスメモリーに追いつくことが出来なかったが、マイルでは伸び伸びと自身の切れ味を披露。これ以上の距離延長も、問題ないだろう。ちなみに、新潟の2歳戦(マイル)で、32秒台で上がった馬はただ1頭、サクラメガワンダーのみ(未勝利戦。32秒9で2着。ただしタイムは1分36秒3)。数字上もこの馬の能力の高さを証明している。ひとまず、クラシックを展望する上で、重要な馬が出てきたといえるだろう。
  • 2着フローライゼは中団の後ろで外から追い込んだ。前走はスピードの違いで、ハナに立って押し切る形だったが、今回は出遅れ気味で最後方。道中、勝ち馬をかわして先に上がっていったが、結果として新しい味を見せる収穫。それにしても、机上における計算では先行馬有利と考えられる展開の中で、最後方を立ち回った2頭がワンツーというのは…。この時期の2歳戦。重賞とはいえ、能力差は大きく、先行馬と後方待機の馬の間に思ったよりも、その差があったのかもしれない。ともかく、展開云々を木っ端微塵に粉砕してしまう爆発力と勝負強さがこの2頭にはあるということなのだろう。3着クロフォードは、マイルでも対応。中団後ろに控えて直線では前が何度も詰まりながら外に出して追い込んだ。最後、各馬が脚が上がってしまうところで、さらに伸びてきた点は評価できる。スムーズであれば、もっと楽に3着は確保できていたはず。4着ギュンターも直線で前がゴチャついてしまい一瞬仕掛けが遅れてしまったのは痛い。こう考えると、上位2頭は後方という位置取りのリスクを負いながら、なおかつロースロスというリスクのある大外を回りながらも、外の馬場を豪快に追い込んできたが、この作戦は馬群に巻き込まれずに済むという点、馬場のいい外を選べたという点でも正解だった。特に、馬場の外と内の状態差というのは、思っているよりも結構大きいのかもしれない。今年はまだ新潟開催が3週続く。この点は、さらに注意する必要がありそうだ。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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