【天皇賞・秋】優勝:カンパニー

2009(平成21)年11月1日東京、G1・芝2000m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (3) カンパニー 牡8 58.0 横山典 1.57.2 32.9 466( +4)
2着 (2) スクリーンヒーロー 牡5 58.0 北 村 1 3/4 33.6 490(+12)
3着 (7) ウオッカ 牝5 56.0 武 豊 ク ビ 32.9 498( 0)
4着 (15) オウケンブルースリ 牡4 58.0 内田博 33.6 482( -8)
5着 (10) シンゲン 牡6 58.0 藤 田 ハ ナ 33.7 494( -2)
  • カンパニーという馬の「凄さ」を思い知らされた一戦。「凄い」のは8歳という年齢ではない。カンパニーの何より立派なところは、2年連続レコード1分57秒2の時計で走ったことである。特に、時計は同じでも、去年とは内容が全く違うレースでこの時計をマークしたことを評価しなければならない。
  • まず1000m通過タイムが、昨年は58秒7に対して今年は59秒8とG1、馬場を考えるとやや遅いとも言える流れ。ハナを強烈に主張するタイプが少なく、落ち着いた流れになることは、十分考えられたがこれは緩いペース。前年はダイワスカーレットが引っ張る淀みない流れとはいえ、1秒以上も遅い。
  • そして、もう1つのポイントは直線に入る残り600mまでの通過タイム。昨年が82秒だったのに対して83秒5。ここまで入りが遅いと当然上がりの脚比べ。レースの上がりの時計は、昨年35秒2に対して今年は実に33秒7と速く、瞬発力勝負となったことをよく示している。加えて、直線に入ったところで実に0秒9もペースが上がって10秒台に突入。このペースアップは過去最速であり、また10秒台のハロンタイムが計測されたのもこのレースで初めてである。いかに「速い脚」が必要だったかがわかる。
  • 当然、こうなれば後方勢はお手上げ。32秒台より速い脚が必要となってしまう。ここまで切れるタイプはそうはいない。しかし、この脚を使った馬が2頭いた。カンパニーとウオッカである。カンパニーはコンスタントに32、3秒台の脚を持つ馬で、この馬の瞬発力という持ち味が生きる流れ。特に、ラスト3ハロンではなく、この馬は2ハロンの短い区間でいい脚を使える馬。それが最大に生きる流れとなった。横山典騎手もウオッカの出方を多少は意識しただろうが、とにかくこの馬の脚が活かせる流れになったことで、ジックリと仕掛けを待てた。ラスト400mでスペースを見つけると追い出し突き抜け、13回目の挑戦で悲願のG1馬に。先行脚質に転じて、安定感が増し自分の形をようやく見つけた。この馬のいいところは、後方で脚をためずとも先行して高い位置から速い上がりを使える、基礎スピードの高さと瞬発力。距離に限界はあるが、東京のようなスピードが問われる馬場ではこのスピードと決め手がさらに強調されるだけに、今回は全ての条件が揃ったレース。
  • 3着に終わったウオッカについては、勝ち馬と同じ上がりを繰り出したが、批判も多い乗り方だろう。道中は無理に外に出さずインでジッと我慢。やや位置取りが後ろのような気もしたが、馬群の中で折り合いに専念するのは正しい選択。直線では一瞬スペースを失い安田記念の時のような状況になったが、すぐに外へとスペースをこじ開けてスパート開始。確かに、この時点でもっとスムーズに乗れなかったのかと疑問が出るところだろう。だが、ラスト200m前でスペースが開くとグンと伸びを見せて先頭を窺ったところまでは良かったものの、すぐに脚が止まってしまったように見えた点を考えると、仮にスムーズに乗れていたとしてもカンパニーを追い抜くだけの脚が使えたかは…。個人的には今回に限っては力負けの気がする。それが衰えなのか展開のせいなのか…。状態は申し分なく見えただけに、ちょっと気になるところではある。
  • 順番が前後するが、2着のスクリーンヒーローはうまく流れに乗った。2000mのレース16着に終わった新潟記念以来だったが見事に連対。春はいいところなく評価を下げたが、特に直線入ってのギアチェンジが必要な東京コースはよほど得意なのだろう。4着オウケンブルースリは少し離されたが、この時計で走れることを示したのは収穫。まだキャリアが少ないだけに、距離範囲が確定するのが難しいが選択肢が広がる結果。今日は上位馬の瞬発力に屈したがベストはもう少し長い距離か。5着シンゲンはG1での力関係が難しく買いづらかったが…。ジワジワと伸びたがこちらもG1レベルでの瞬発力の違いに太刀打ちできなかった。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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