【阪神JF】優勝:アパパネ

2009(平成21)年12月13日阪神、G1・芝1600m、フルゲート18頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (18) アパパネ 牝2 54.0 蛯 名 1.34.9 34.3 472( +4)
2着 (6) アニメイトバイオ 牝2 54.0 内田博 1/2 34.8 456( 0)
3着 (15) ベストクルーズ 牝2 54.0 安藤勝 3/4 34.3 434( -2)
4着 (7) ラナンキュラス 牝2 54.0 四 位 3/4 34.7 438( -2)
5着 (16) シンメイフジ 牝2 54.0 岩 田 ク ビ 34.4 456( +4)
  • 結果の解釈が難しいことが多く、実際その後のレースにあまりつながらないことが多いこの2歳女王決定戦。しかし、今回は結果的には近年になく、翌年のクラシック路線の絵を描きやすい結果となったのではないだろうか。
  • アパパネは強い勝ち方だった。必ずしもいいとは言えない、大外枠からの発走。道中の位置取りがカギだったが、蛯名騎手は冷静。有力馬に追い込み馬、それも極端に控える馬が多く、やはり速い流れにはならなかったが、がっちりと手綱を握ると馬群の外目でうまく流れに乗った。圧巻は4角過ぎだろう。後方一気のシンメイフジ、タガノエリザベートらを意識でケアしながらの騎乗となり、仕掛けるタイミングは決して簡単ではなかったと思う。だが、先に行っていたアニメイトバイオの手ごたえがいいと見えたこともあるだろうが、4角で強気に仕掛け始める。
  • さらに蛯名騎手がすごかったのは、インにスルスルと馬体を入れてしまったこと。いつの間にか、内にいたはずのアニメイトバイオよりも内側を突いて上昇。外に出すロスを考えたのと、広いコースで馬が外にばらけてインが開くという読みが働いたのだろう。確かに、外に出していてはモタモタと追い込むこととなり、後続の切れ者たちとの切れ味勝負となりかねなかった。あるいは、外に出していても結果的に勝ったのかもしれないが、一瞬で抜けて先頭に立ち押し切るという勝ちパターンのためには、このコース取りしかなかった。インを堂々と抜け切り、アニメイトバイオを一瞬でかわし、最後までリードを守りきって見事に戴冠。
  • さて、時計の面から、アパパネの秀逸なところを挙げるとすればラスト400mでの11秒1のところ。この時計自体は過去10回で最速とはいえ03年と並ぶタイの速さ。ただ、03年は前半の半マイルが48秒台というスローの結果。今回は47秒台の平均ペースでこの時計。前走でも同様の脚で抜けたが瞬発力はかなりのもの。特に東京、阪神と長い直線コースで典型的に求められるギアチェンジのすばやさと、それを持続する脚を持っている馬。当然、来年のクラシックの中心として見ていいだろう。距離さえこなせれば(こなせそうだが)、少なくとも春シーズン一杯までの主役の座は確約されたのではないか。関東馬、来年は牝馬のクラシックを賑わせるはずだ。
  • さて、上記のように今回は既にクラシックを意識できる水準に達する能力を持つと考えられる、アパパネを物差しとすることができるレースとなった。このことで、現時点での各馬の能力の評価、そして来年に向けた展望がある程度可能になったと思う。2着アニメイトバイオにとっては自分の力を知ることができたという点では収穫の一戦。懸念どおり掛かり気味に先団。しかし、消耗することなくむしろペース的にはこの位置でも問題なし。直線では一瞬で勝ち馬に前に行かれると懸命に追い込んだが届かず。力の差を感じる負け方。ただ、これは現時点でのマイルでの力比べの結果。短い距離であればもっと違う結果になるだろう。また、今後の成長で距離を克服できる可能性もある。この馬も楽しみな馬。勝ち馬の一瞬の脚に屈したが、この馬もいい脚を使える馬。展開次第でマイルまではこなせる。3着ベストクルーズは予想より後ろの位置。調教で動かずに心配されたが問題なし。切れは上位2頭に劣るが、最後まで一番伸び続けていたのはこの馬。距離が伸びたほうがいいのだろう。中距離でもっと上が狙えるはず。4着ラナンキュラスはこの距離は若干長いと思う。中団からインを通って距離損を最小限に抑えたものの伸びきれず。ベストは短距離か。ところで、上位馬は全て距離のロスを防ぎ馬場の中ほどからインを通ってきた馬たち。強い馬にこう乗られては人気薄、一発を狙う組はどうしようもない。紛れがなく、実力通りの決着となりやすい、広いコースの長所が出た形。G1にふさわしい結果にファンとしては満足。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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