【AJCC】優勝:ネヴァブション

2010(平成22)年1月24日中山、G2・芝2200m フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (9) ネヴァブション 牡7 58.0 横山典 2.12.6 34.7 490( +2)
2着 (13) シャドウゲイト 牡8 58.0 田中勝 ク ビ 35.1 504( 0)
3着 (2) トウショウシロッコ 牡7 57.0 吉田豊 3 1/2 35.2 494( 0)
4着 (7) マイネルキッツ 牡7 59.0 松 岡 1/2 35.1 510( +6)
5着 (8) ゴールデンダリア 牡6 57.0 柴田善 1 1/4 35.4 476( +2)
  • レースを解釈する上で、今回特徴的だったのはペースアップのポイントだろう。このレースでは例年、2回ペースアップが見られる。まず、1回目のペースアップは1000m過ぎ。毎年ここでペースが上がり、そのままジワジワと最後までペースが上がり続ける。全体としてみれば地味に長く続く「消耗戦」。今回も同様の傾向が見られた。
  • だが、今回特に重要だったのは、2度目のペースアップ。つまり最後のたたき合いが始まる地点だ。一般的には、3分3厘と言われるラスト600mが仕掛けのポイント。このレースは中山の中長距離の特殊性からか、ここで明確にタイムは上がらない傾向があるが、近年はここでペースアップ。今年も、ここで0秒3のペースアップがあった。ただ、今回はそれに加えてさらにこの直後、残り400mに入って、11秒2となり、実に直前と比して0秒7もペースが上がっている。これは初めてのこと。ちなみに、その直後には12秒へと、坂があるにしても急激なペースダウンをしており、一瞬だけ、1ハロンだけのギアチェンジが求められた異例の展開となった。
  • このペースアップを考える上で、まず注目したいのはラスト400mに入る直前までのペース。1000〜1800mの4ハロンは48秒9ジャストで、これは過去に2度しかなく、ここ5年で皆無のゆったりとした区間となった。(ちなみに、レースではこの区間でシャドウゲイトが動いたが、ここでペースが緩んだからこそ、その間隙を突いて田中騎手は動いたと言える)。さらに、もう少しこの区間を詳細に見ると、急激なペースアップの原因が、各馬がギリギリまで動かなかったことだったと推察できる。本来の勝負どころである600m過ぎでも人気薄のシャドウゲイトを捕まえには行かず、各馬はむしろ先団の、ど真ん中にいたキャプテントゥーレに意識を傾注。同馬がなかなか動かず、他馬もスパートを仕掛けなかったため、ギリギリまでこの牽制が続き、ゴーサインが出たのは4角直前の残り400m辺りとかなりずれこんでしまった。その結果が、残り400mでの11秒2だろう。
  • この「11秒2」にうまく対応できたか否かが勝敗を大きく分けた。特にコースのイン・アウトの選択は大きかった。なぜならば、この時計は先頭に立ったシャドウゲイトのもので、これに追いつくにはこれ以上の時計、即ち10秒台に限りなく近い時計が必要となるが、これは今の中山では多くの馬にとって不可能に近い。少なくとも離されないために11秒2が必要だとしても、コースのロスを最小限にしなければ難しい時計。実際、1着、3着の2頭は共に、インで立ち回った馬だった。
  • 勝ったネヴァブションは立派。昨年のレースとは違う展開だったが、4角過ぎて抜群の反応を示してシャドウゲイトの背後に迫り、最後の叩き合いでは地力の差を見せた。実は、3年前になるがマツリダゴッホを下した日経賞(G2)でも同様の展開。最後の2ハロン目に0秒6のペースアップ。しかし、ここでこの馬は先に抜け出したマツリダゴッホを外から急襲。そこで見せたギアチェンジを今回も見せつけた。G1で苦戦が続いたが、やはり中山は合う。もちろん、横山典騎手の最内で待機した好判断も見逃せない。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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