【ダイヤモンドS】優勝:フォゲッタブル

2010(平成22)年2月14日東京、G3・芝3400m、フルゲート16頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (13) フォゲッタブル   牡4 57.0 武 豊 3.32.6 34.9 484( 0)
2着 (1) ベルウッドローツェ 牡4 52.0 松 岡 1/4 35.7 484( +6)
3着 (2) ドリームフライト  牡6 50.0 酒井学 ク ビ 36.1 504( -2)
4着 (8) メインストリーム  牡5 54.0  幸  アタマ 34.9 482( -8)
5着 (10) トウカイトリック  牡8 57.5 大 庭 1 1/4 35.3 452( -4)
  • この距離のレースゆえ当然ではあるが、例年以上にスタミナが問われる流れとなった。3400mに変わった04年以降のラップタイムを注意深く見てみると、例年であれば道中、2度のペースが緩む「小休止」が見られる。最初は、1600m通過時点。ちょうど2周目の第1コーナーに入ったあたりの区間。そして、もう1回は1度目ほどのペースダウンではないが、2400m通過地点で僅かにペースが緩む。コースに当てはめると、2周目の向こう正面半ば過ぎ。例年であれば、この2度目の小休止の後、ペースが上がっていき直線を迎えるのだが、今回はこの区間でペースが下がらず、逆にペースが0秒1上がるという稀有な展開となった。つまり、最後の勝負どころを前にして息が入らない、「厳しい」ラップだったと言えよう。
  • 結果的に前に行ったベルウッドローツェ、ドリームフライトが残ったが、前半のラップは、ややスローという程度。1、4着馬は後方待機の2頭であったこと、そして上記のラップ構成を考慮すれば、むしろこの2頭の好走は軽斤量がモノを言ったと評価すべきだろう。前半の貯金が多少あったとはいえ、そしてやや渋った馬場だったとはいえ、決して先行馬にとって有利と言い切れる条件ではなかった。
  • こういう長い区間で、脚がためられない展開で問われるのは、まずはスタミナということになるだろうが、今回は「瞬発力」も重要な要因となった。東京コースらしく直線に入ってペースが11秒2にまで急激に加速。これは07年の11秒1に次ぐ速い時計。後半ペースが緩むポイントがなく脚をためきれないまま直線に入り、すぐにこの急加速。スタミナと併せてここで付いていける瞬発力が、勝ち負けに加わるためには必要となったレースだった。
  • 勝ったフォゲッタブルは、外枠が響き想定よりも後ろから。スタートしてすぐコーナーゆえ仕方がないが中団後ろで進む。道中、無理には動かずじっと上昇するタイミングを図る。だが、武豊機種がゴーサインを出したのは直線に入ってから。実質直線だけの勝負を選択することとなった。スタミナを武器にして早めに動く選択肢もないことはなかったが、位置取りがやや後ろ過ぎたため強引には動きづらかったのだろう。一方で、直線だけで差し切れる瞬発力の自信もあったのだろう。道中の位置取りからは冷静な選択。フォゲッタブルは外から伸び先行馬を力で捻じ伏せて重賞タイトルを重ねた。既にスタミナは証明済みだったが、初めての東京の瞬発力勝負でも対応。こういうタイプは基本的に天皇賞・春よりも阪神大賞典の方が問われる能力が相似しているだけに期待できるのだが、この馬の場合は京都・中山でも好成績を挙げており、実に自在性のある馬。現状、長距離での死角は少ない。
  • 4着のメインストリームも後方待機の馬。直線入ったところで、11秒2の区間で先団〜中団の馬たちでスタミナに欠ける馬たちが脱落してきたところを、入れ替わるようにこの2頭が急襲。この馬も予定より位置取りが後ろになったが、そのことで、先団・中団の馬たちがバテたところを時間差で差し込むことができた。
  • 5着トウカイトリックは脚を完全に余してしまった。道中は先団から一旦、勝ち馬の位置まで下げてマークする形に。勝ち馬は外へ、大庭騎手はインを選択。ここまでは良かった。しかし、前が何度も詰まり残り200mは半分以上追えなかった。もったいない…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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