【フェブラリーS】優勝:エスポワールシチー

2010(平成22)年2月21日東京、G1・ダート1600m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (4) エスポワールシチー 牡5 57.0 佐藤哲 1.34.9 35.6 498( -4)
2着 (3) テスタマッタ 牡4 57.0 岩 田 2 1/2 35.5 482( 0)
3着 (6) サクセスブロッケン 牡5 57.0 内田博 3 1/2 36.5 532(+11)
4着 (2) ケイアイテンジン 牡4 57.0 四 位 37.3 476( +4)
5着 (12) グロリアスノア 牡4 57.0 小林慎 1 1/2 37.0 518( +2)
  • 芝でダッシュをつけたローレルゲレイロが引っ張る半マイルは、昨年と同じ47秒ジャスト。昨年はやや重の馬場だっただけに、今回の方が実質的には速いのかもしれない。前回は自ら隊列を引っ張ったエスポワールシチーだが、今回は2番手の理想的なポジション。行く候補が何頭かいたが、出たなりに控える作戦だったのだろう。佐藤騎手昨年のこのレースあと、先行策を覚えさせるために敢えて松岡騎手に鞍上を譲り、かしわ記念では控えて差すレース。ジャパンカップダートは、逃げ切る形にはなったが、レースでの集中力を身につけ最後まで伸びる強い勝ち方。この集中力の成長のお陰で、スッと好位置につけることができた。
  • 位置取りだけではなく、ラップからも成長が窺える。昨年は逃げて厳しいペースを引っ張った上、例年よりも1ハロン早いタイミングでのペースアップという厳しい流れで最後まで粘り、僅差の4着。確かに能力の高さを感じる内容ではあったが、単なる逃げ馬のままではマイルでは厳しいという印象もあった。だが、今年は2番手で冷静に対応。ラップ構成はやや変動幅が少なく厳しいペースではあったが、前回と異なり例年通り残り400m過ぎからのペースアップという流れ。レースでは、この地点で外から並びかけるサクセスブロッケンを余裕を持って待ち、ムチを入れて急加速した箇所。
  • 単純にスピードで飛ばした前回と違い、こういう「常識的な」レースで、「正攻法」の競馬ができるようになったことは、非常に価値がある。持てる能力の高さをレースという文脈の中で、最大に生かせる馬となり、遂に競走馬として完成した。まさに「テン良し、ナカ良し、終い良し」。レースぶりも文句なく、勝ち時計はあれだけ余裕の走りで1分34秒9。スピード、そしてそれをレースの中で生かせる精神面の心境も見られ、正攻法でレースができるようになった今、もはや日本にこの馬を任せるダート馬はいないのではないか。ドバイ挑戦はまだ確定していないが期待できる馬であることは間違いない。
  • 2着テスタマッタは、脚質は合いそうだったが「格」の面で、果たして中央G1でどれだけ通用するかは未知数だった。道中は掛かり気味になったが、最内の後方で脚をためた。直線では少し進路に迷うところがあったが、エスポワールシチーの後ろを狙い残り300mから急伸。ここから決め手鋭く追い込み2着。ただ、上がり35秒5自体は速いが、僅かに勝ち馬と0秒1の差…。エスポワールシチーが強すぎた。今後のメドが立ったのは大きい。もともと短距離で勝ちあがってきたが、瞬発力を生かせる短い距離が合っているのかもしれない。
  • 3着サクセスブロッケンは、内田騎手が復帰しての騎乗。100%の復調ではないことを認めながらもキッチリした。切れ味タイプではない同馬を意識して、前々で早めにエスポワールシチーを捕まえに行ったものの、直線半ばで脱落。テスタマッタにもかわされ連覇はならず。個人的には、この馬は切れ味もそれなりにあると思うが、あれだけ余裕のエスポワールシチーに直線に入る前に大きなリードを許してしまえば、逆転が難しいのは事実。あの判断は正しい。ただ、勝ち馬と同年齢であるが成長力の差がここにきて開いているような…。
  • さて、個人的には芝からの転戦組が再び一蹴されたことが嬉しい。ダート路線はそんなに甘くない。最先着は7着のローレルゲレイロとなった。10着リーチザクラウンは、4角ではいい雰囲気だったが伸びきれず。ダートが合う合わない以前の問題として、気性の面を考える仕方がないのだが、本質的にこの馬は、マイラーではないと考える。中長距離の芝で潜在的に持つスタミナを行かせるレースができれば…。控えるレースができたのは…収穫といって良いのか少し迷う。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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