【皐月賞】優勝:ヴィクトワールピサ

2010(平成22)年4月18日阪神、G1・芝2000m、フルゲート18頭、晴・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (13) ヴィクトワールピサ 牡3 57.0 岩 田 2.00.8 35.2 506( -4)
2着 (16) ヒルノダムール 牡3 57.0 藤 田 1 1/2 35.0 456(-10)
3着 (11) エイシンフラッシュ 牡3 57.0 内田博 ハ ナ 35.2 488( -4)
4着 (5) ローズキングダム 牡3 57.0 小牧太 ハ ナ 35.4 438( -6)
5着 (18) アリゼオ 牡3 57.0 横山典 3/4 35.7 510( -4)
  • 岩田騎手が前日のマイラーズカップ(G2)で見せたような最内をつく競馬。だが、前日のそれは、いわば緊急事態を乗り切るための作戦ともいえたが、この日はクラシックの大舞台で1番人気の馬にまたがって同じ戦い方。この人らしい競馬で、見事に1冠目に導いた。
  • スタート後、前へと殺到する各馬をよそに、この馬は中団で馬の行きたいペースに任せて進む。てっきり前走苦しんだことを踏まえ、馬群の中に入るリスクを嫌うと思われたのだが、むしろ選択的にインにコースを切り替えて進む。中山は荒天が続き、日曜は快晴だったとはいえ渋った馬場。補修されている内は、外との状態に差はそれほどなく、岩田騎手は距離のロスの方を嫌ったのだろう。
  • 中団の内で待機。他の有力馬も中団。4コーナーでローズキングダムに外から押しやられる形で、馬群の真っ只中。直線、どう抜けてくるのかと思ったが、強引に内から抜けてきた。ここの抜け方が絶妙。この時、直前にはバーディバーディ。これをインからかわそうと試みるも、インにはハンソデバンドがいてすぐには進路がなかった。だが、ハンソデバンドがスタミナ切れで徐々に後退。それに気づくやすぐにその直前へと切れ込んで行き最内の進路を確保。ここでこの判断が一瞬でも遅れていたら、同時に後退してきたバーディバーディが壁となってしまい、馬群のさらなる深みに追いやられていたことだろう。それでも勝っていたかもしれないが、ここは素早い判断で危機を回避できた。前走、弥生賞(G2)と同じく一瞬の脚で突き抜けるとセーフティーリードを奪ってゴール。
  • 時計が掛かる舞台となり、全体のペースは1000m過ぎからペースが上がり続ける、タフなレースとなった。比較的メンバーに先行型が多く激しい体力を奪い合う消耗戦。直線ではこの影響か、先団のほとんどの馬が脚を失って後退。上位には差し馬が突っ込んできた。その中、先団の後ろで冷静に脚をためていたとはいえ一瞬で突き放したのは、力の差だろう。ただの切れ者ではない。馬格が増し、成長力に疑問を見せ始めたライバル、ローズキングダムとの評価の差をさらに広げてしまった。決して短い区間だけで伸び脚を使うタイプではなく、直線の長いコースでも関係ないだろう。地力勝負を制し名実共に世代の頂点に立った。折合いも心配なく、ダービーでも当然中心にしていいだろう。
  • 2着ヒルノダムールは後方で脚をためる競馬に徹した。直線で脚が上がった先行馬と入れ替わる形で、坂を勢い良く差し込む。最速の上がり。時計が掛かる展開となりこの馬には向いた。ただ、この渋った馬場を追い込んだパワーは、どちらかという軽い馬場が得意そうなタイプだっただけに立派。3着エイシンフラッシュもやや後方。どういうレースするのか、まだ分からないところがあったが、中団で自分のペースを守り最後にいい脚を使った。能力は高いが、この馬は小回りで器用な競馬をするのが合っていそう。
  • さて、2歳王者のローズキングダムは4着まで。道中の位置取りは絶好と思われるポジション。ヴィクトワールピサと並んで4コーナーを回り、たたき合いとなると思われたが、前走ほどではないにせよ、反応が良くなく入着が精一杯。今回も馬体重が減ってしまったのは気になる。調教も精彩を欠いたが…。状態面をひとまずは理由と出来ようが、一方でこの馬の成長力という点にも疑問が投げかけられる可能性も。地力勝負の競馬で、善戦止まり。世代内の評価を下げざるを得ないだろう。5着はアリゼオ。大外枠からの思い切った競馬を戦前陣営は述べていたものの、結局は行かずに先団の外。淡々と進み直線でも絶好の手ごたえで突き抜けるかと思われたが、あまり伸びなかった。もしかしたら、この辺の距離がギリギリというタイプかもしれない。ただ、今回は折り合いもまずまず。精神面の成長が窺えたことは評価したい。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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