【NHKマイルC】優勝:ダノンシャンティ

2010(平成22)年5月9日東京、G1・芝1600m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (13) ダノンシャンティ 牡3 57.0 安藤勝 1.31.4 33.5 468( +2)
2着 (1) ダイワバーバリアン 牡3 57.0 蛯 名 1 1/2 34.5 510( +4)
3着 (3) リルダヴァル 牡3 57.0 福 永 34.4 488( 0)
4着 (4) サンライズプリンス 牡3 57.0 横山典 1/2 35.2 502( +2)
5着 (10) キョウエイアシュラ 牡3 57.0 吉田豊 34.5 454( 0)
  • とにかくこのラップは驚き。この世代の能力の高さゆえか、芝の状態ゆえか…。おそらくその両方なのだろう。前半の半マイルは44秒8。86年以降、数多のマイル競走がありながら、44秒台だったのは、わずかに20回。この中には、当然ゼンノエルシドが日本レコードを記録した京成杯AH(G3)も含まれる。3歳のレースではタイキリオンが制したNZT(G2)の1回のみだが、この時は1分32秒1。今回は31秒台でまとめてしまった。3歳春でこのラップ、そしてレースタイムは、例え能力以外の変数を考慮したとしても、簡単にマークできるものではない。
  • ペースは、全く抑揚がなく、ほとんど最後まで高速ラップが続くスピード勝負となり、とにかく勝ち負けするためには、大前提として「速く走れること」が問われるレースとなった。ただスピードの基礎値は別として、脚質の点では、基本的に前が厳しい展開だった。44秒台の時計はやはり超がつくハイペース。そして、ペースの淀みがなかったため、先行馬は息が入らなかった。この点を考えると、サンライズプリンスは評価していいだろう。ただ、上位馬はやはり中団から後方で脚を温存していた馬たちとなった。
  • 勝ったダノンシャンティは、切れ味を生かすレース。スタートが決まらなかったが、位置取りは拘らずにとにかくこの速いペースに巻き込まれないように、後方3番手あたりで進む。直線では外に出し急追。33秒5という誰も止められない末脚でまとめて差し切った。33秒台の脚を常に使える強みをここでも発揮。ほどほどにスピードが出て前が止まらない展開、馬場であればこの時計で上がっても、G1レベルでは届かないことがありうるが、今回は「ほどほど」ではなく猛ペース。この切れ味が大きな武器となった。この後は、日本ダービー(G1)へ挑戦となるだろうが、距離の面がどうか。マイルあたりで切れ味が生きるような、ある程度スピードが問われるレースの方が、この馬の持つ「速さ」を活かせるのでは…。
  • 2着ダイワバーバリアンは内の中団で待機。蛯名騎手がとにかくうまかった。コース取り以上に直線の仕掛け。サンライズプリンスが先に抜けると、それに離されないように、そして外に出すためにこの馬も早めに一旦ゴーサイン。馬群から抜ける。しかし、ここで蛯名騎手、まだ本格的に前を追うには残りの距離がありすぎると判断。一旦手綱を動かすのを停止して外へ視線を配らせる。残り350mまで我慢し、リルダヴァルが外から上がってくるのを見て、いよいよ2度目のゴーサイン。これが絶妙。このタイミングでなければ、リルダヴァルの猛追をしのぎつつもサンライズプリンスを差しきることはできなかっただろう。通常であれば勝ちパターンだったが…。
  • 3着リルダヴァルは、ダービーを狙って賞金加算をしたかったが…。道中はほぼ2着馬と同位置。直線でインを諦めて外へと転進。半ば強引だったが…。よく追い込んだが最後は届かず。結果論だが、インのままでもスペースが所々あり、何とかできていた気もする。ただ、リスクとベネフィットを天秤にかけて外に出す判断は間違いではない。ここで一旦休めるのは、故障して復帰した馬だけに悪くないことだと思う。
  • 4着2番人気のサンライズプリンスは、早々に先手を取りに行って前走同様に押し切る構えを見せて先団。スピードに乗って直線へ。ここで横山典騎手はゴーサイン。このタイミングはやや早過ぎた気もするが…。瞬発力のある脚が使えるタイプでもないだけに、理解できなくはないが。ともかく、他の有力馬が来る前に先に仕掛けて、残り400mを過ぎて先頭。だが、坂を上りきると脚が鈍ってしまい、最後はリルダヴァルにも抜かれ4着がやっと。ただ、この馬も31秒台で走破。この流れで、前で踏ん張れるのは並みの馬ではない。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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