【ヴィクトリアマイル】優勝:ブエナビスタ

2010(平成22)年5月16日東京、G1・芝1600m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (11) ブエナビスタ 牝4 55.0 横山典 1.32.4 33.5 448( 0)
2着 (2) ヒカルアマランサス 牝4 55.0 内田博 ク ビ 34.3 448( -8)
3着 (10) ニシノブルームーン 牝6 55.0 北村宏 3/4 33.5 480( 0)
4着 (17) レッドディザイア 牝4 55.0 四 位 ハ ナ 33.9 476( 0)
5着 (9) ブロードストリート 牝4 55.0 藤 田 アタマ 33.9 446( -8)
  • レースのペースは、レコード連発の馬場状態だけに45秒台とハイペース。ベストロケーション、ブラボーデイジーらが気分良く飛ばして行き、このレースでは歴代最速の前半の半マイルとなった。注目の2頭、ブエナビスタは選択肢の多い馬ではあるが、今回は無理せずに脚をためる作戦で後方の一角。この馬場で、まして既に先行するレースが板につき始めているところでもあり、多少前がかりとなっても不思議ないが、横山典騎手は自信をもって乗ったのだろう。冷静に馬のスピードに任せ、ハイペースということもあり無理をしない位置取り。逆にレッドディザイアは、多少いつもよりも前目を意識。中団の外となった。ブエナビスタよりも前の位置で立ち回ることに…。ブエナビスタの位置取り次第というところもあっただろうが、ともかくこの位置関係で四位騎手は、先に先に動き出してリードを守りきる作戦を取ることとなった。
  • 激しい攻防となった直線。まず、ブエナビスタは、直線に入ると大外へ転進。レッドディザイアの外にムチ一発が入って並びかけていく。この時点ではまだレッドディザイアは余裕。この馬場だけに、先行馬の前残りを警戒しつつも、当然より一層警戒すべきブエナビスタの出方で仕掛けのタイミングを選択することに。残り400m、ギリギリまで待って四位騎手はゴーサイン。この時点でまだブエナビスタはエンジンが掛かり切っておらず、まだ1〜2馬身ほどのリードを維持。ここからスパートをして、仮に同じ時計で上がれれば…勝利への計算が立ったはず。だが、実際にはあっという間にブエナビスタが外からかわしてリードを逆に奪われることに。最後は何とか喰らいついて差し返したものの「二強」の一角としては不満な結果、4着に終わってしまった。結果的にではあるが、馬場状態を意識してしまい、多少前に行き過ぎた結果、ハイペースで脚をタメ切れなかったということか…。状態面も完調ではなかったにしろ4位タイの33秒9の末脚では…。本質的にはマイラーではなく、スピード勝負にも向かないのではないか。脚をじっくりとためて末脚を行かせるレースが合っているのだろう。ドバイ帰り初戦の言い訳は立つが、牡馬も含めて古馬路線での有力格と見なされる馬だけにこの「負け」という結果、馬券に絡めなかったという事実は多少、重く見たい。
  • さて、勝ったブエナビスタは、僅かな着差ではあったが末脚で捻じ伏せる地力の違いでの勝利。この馬は、この距離であれば無理して前に行かず、後方一気、かつての大きな武器であった「強靭な末脚」で勝負を挑むのが合っている。マイル近辺ではどうしてもペースが速くなるため、下手についていって体力を消耗するのではなく、最後だけで帳尻を合わせるような、切れ味に賭けるレースがいい。ただ、中長距離では前々で好位差しを狙う方が安定するだろう。距離によって作戦を変えれば、どんな距離のレースでも対応できる。横山典騎手、今回のレースでそれを示唆したのではないか。牝馬相手で取りこぼせないレースをキッチリと勝った。4つ目のG1であってもこの馬にとっては、通過点だろう。
  • 2着ヒカルアマランサスは、内田騎手の好プレー。脚をためるタイプでもあるが今回はスタートを決めると前々。内側の枠を引いたこともあろうが、馬場を考えて先行もできる馬だけに積極策。確かに、切れ味という点ではこの馬も相当なものを持ってはいるが「二強」には敵わない。一発を狙うとすれば、こういうレースだっただろう。また道中の冷静な位置取りも良かった。ハイペースとなったが、内田騎手は過度に前々には行かず、逃げ馬たちを少し離れた位置で見る形。4コーナーまでに若干下げて脚をためつつ直線勝負。馬場の中ほどをうまく通って先にスパート。ワンカラットと併せる形でよく伸びたが、最後は勝ち馬の地力に屈した。しかし、僅差で2着は立派。また時計も一気に詰められた。スピードがあるだけではなく、内田騎手が導いたとはいえ先行して残ったのは評価していい。まだキャリアが浅く、底を見せていないという意味では非常に楽しみが広がる馬だ。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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