【オークス】優勝:アパパネ、サンテミリオン

2010(平成22)年5月23日東京、G1・芝2400m、フルゲート18頭、雨・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (17) アパパネ 牝3 55.0 蛯 名 2.29.9 35.2 470(-10)
1着 (18) サンテミリオン 牝3 55.0 横山典 同 着 35.3 460( +6)
3着 (2) アグネスワルツ 牝3 55.0 柴田善 36.1 456( -4)
4着 (13) アニメイトバイオ 牝3 55.0 後藤浩 1 1/4 35.4 464(+14)
5着 (6) オウケンサクラ 牝3 55.0 安藤勝 ク ビ 35.6 490( +4)
  • 桜花賞組との勝負付けは済んでいた印象のアパパネ。2冠達成に壁になるとすれば、別路線組、特に初対決となる素質馬サンテミリオンあたりか…と思われたが、前日の一番人気はなんとショウリュウムーン。この桜の女王に向けられた距離不安説が馬券を買う側に意外に大きい影響を与えたのだろう。だが、終わってみれば全く関係なし。
  • スタンド前のスタート。逃げたのはニーマルオトメ。絶好の枠を引いたアグネスワルツは2番手で待機。ここまでは想定内。意外な位置取りとなったのはショウリュウムーン。ためて伸びると思われたが馬場を意識したか3番手。先団の一角。さらには、追い込み馬タガノエリザベート、コスモネモシンまで前へ。逆にオウケンサクラは後方。インのコースをとらされることを嫌って安藤騎手が後方から。予想外の位置関係となったが、アパパネ、サンテミリオンは大方の想定通り。アパパネはスタート後、行きたがるところを見せたが何とかなだめて中団やや後ろの外目を追走。その直前にサンテミリオンの隊列。2頭は、ほぼ道中同位置。外を2頭で力強く伸びると、残り200mで先頭に立ちマッチレース。歴史に残る、記憶に残る、そして将来振り返られるだろう第71回オークスは、同着の決着となった。
  • さて、レースのポイントは後半の時計。1000m通過タイムは60秒6。さらには、ちょうど半分の6ハロン通過時点のタイムは73秒7。数字上は平均的ではあるが、この馬場を考えるとやや速いペースだろうか。しかしより注目すべきは後半の6ハロン。76秒2と時計が掛かる決着となった。過去10回でダントツに遅い、この「76秒2」の理由はいくつか考えられるだろう。
  • まず、単純に前半のややハイペースの反動。ただ、ここまで極端にペースが下がる理由とはなりにくい…。一番大きいのは、各馬の仕掛けが遅れてしまったため、ペースが動くタイミングが遅くなったことだろう。例年であれば、1400m通過後、あるいは1600m通過後にペースがジワジワと上がっていき直線勝負へ…という展開だが、今年は残り600m地点までペースが遅くなり続ける異例の流れ。ペースが落ち着いてしまい、これが後半の時計が掛かった原因の一つ。これにより、ハイペースとはいえギリギリまで先行馬は脚をためることができた。この3歳牝馬に厳しい長距離のレース。先行馬にとってはタフさが求められるレースだったが、このおかげで脚を温存できた。アグネスワルツにとっては有利なラップとなったと言えるだろう。一方では中団以降で待機する馬たちは、この展開で前半ハイペースという「展開の利」が限りなく少なくなってしまった。
  • もう1つ、後半の時計が掛かったのは当然馬場状態。前日から降り続いた雨。パンパンの馬場でのレースが続いていた東京コース。それでもやや重で迎えることとなったこのオークス。各馬に展開の利がなくなった以上、この時計が掛かるパワーが必要な馬場への適性、そして少しでも馬場のいいところを走れるコース取りが上位を狙うには重要な要素となった。この意味では、大外枠を引いた2頭だったが、結果的には馬場のいいところを選択できたため8枠で良かったのではないか。
  • まずはアパパネ。多少前半うるさいところを見せたが、いつも通り。前に行く選択肢もあったが、距離を意識してか1角までに下げて中団後ろ。少し下げすぎかとも思えたが、脚をためた爆発力も2歳時には見せていただけに、蛯名騎手も自信を持っての騎乗。馬場もクリア。距離不安一蹴。どういう条件でも結果を残す地力の高さ。今回はどういう位置にいても1着は取れたのではないか。
  • 一方、サンテミリオンは自分の競馬。前走でも最後まで抜くのに苦労したアグネスワルツの前残りを意識して、アパパネよりも早い仕掛け。このあたり、横山騎手のペース判断は絶妙。上述のように直線間際までペースが落ち着き瞬発力勝負となったことも強気のゴーサインを後押しした。末脚の持続力は前走でわかっている。うまく行けばリードを保ったまま押し切れるという算段。最後は追いつかれたがこの馬も立派な女王だ。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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