【エプソムC】優勝:セイウンワンダー

2010(平成22)年6月13日東京、G3・芝1800m、フルゲート18頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (2) セイウンワンダー 牡4 57.0 福 永 1.46.1 34.6 524( 0)
2着 (8) シルポート 牡5 56.0 蛯 名 ハ ナ 35.2 488( +2)
3着 (4) キャプテンベガ 牡7 56.0 後藤浩 ハ ナ 34.9 446( 0)
4着 (3) セイクリッドバレー 牡4 56.0 松 岡 1/2 34.7 494( +4)
5着 (15) ゴールデンダリア 牡6 57.0 柴田善 ク ビ 34.4 468( -6)
  • 1000m通過の58秒9は、通常であればややハイペースの部類か。実際、隊列も縦長。ただ、先週までの高速馬場を考えれば、やや荒れ馬場となっていたとはいえ、実質的には平均ペースの範疇だろう。ちなみにこの時計は、昨年、一昨年と全く同タイムの5ハロンタイム。
  • 逃げたシルポートは、スタート後からハナへ。ここまで挙げた6勝のうち4勝が逃げ切りの馬。他に同型もおらず、むしろこの馬の刻むペースが注目されたが、上述のようなほどほどに飛ばしていく絶好のペース。人気馬に後方待機型が多く、隊列は広くなったが無理をしない計算された逃げだった。特に絶妙だったのは、直線に向かう直前の区間。ここで12秒フラットを刻むが、さらにその前の区間が11秒8。つまり、ペースを落として直線に向かうことが出来た。ここで後ろの各馬は、前との差を詰めるよりも、直線での叩き合いにむけてコース取りの準備に専念。前後の移動よりも、馬場のいい外目を取るべく横の移動に集中。おかげで、ここでシルポートは手綱を緩めてペースダウン。このポイントで脚を休められたのは大きい。
  • ただ、ある意味では他馬は動くに動けなかったという側面も。レース全体のペースは、ほとんど変動がなかった。スタート直後の1ハロン目以外、2ハロン目か直線の直前までの各区間の時計は淀みがなく、最速と最遅の差が僅かに1秒1。ペース自体は平均であるが、緩急がなく各馬は無理して動きペースを壊しに行くのではなく、ギリギリまで脚をためて長い直線を使った切れ味勝負を選択。このことはさらにシルポートを利することとなった。
  • 直線では、しばらく馬なり。残り400mまで後続を待ってスパート。欲を言えば、もうワンテンポ仕掛けを待っても良かった気がするが、キャプテンベガが迫っていたため仕方がない。最後までしぶとく伸びた。ゴール目前でセイウンワンダーに差されたが、このレースを演出し最後まで勝ち負けの絡んだのだから、立派な内容。蛯名騎手の見ごたえのあるいい騎乗だった。馬自身もやはりこういう淀みのないペースで強い。前走は、ショウワモダンに差されたが高速馬場、ドロドロの荒れ馬場でも逃げられれば安定。特に逃げ馬としては珍しいが、長い直線コースの方が合っている。短い区間で一瞬だけのスパートをするよりも、長い区間で均等にスパートする方が合っているのだろう。その意味では、夏競馬を使うのであれば是非新潟で走って欲しいものである。
  • さて、勝ったのはセイウンワンダー。2歳以来久々の勝利。福永騎手は、先団で待機。このところは、後方待機が多かったが今回は展開を意識して前へ。直線では馬場の中ほど。距離のロスが防げるギリギリのところを走れた。直線では最後はこの馬自身も、脚が上がってしまい内に刺さったがわずかに差し切っていた。オールマイティーな活躍で距離を問わない安定した走り。だが、安定して結果を残すためには、理想は今回のような立ち回り方だろう。今までの重賞タイトルは全てマイルだったが、ある程度ペースが落ち着いて前に行ける、1800〜2000mあたりが1番合っているのではないだろうか。好位で脚をためて切れ味を活かすという勝ちに行くレースをするためには、これぐらいの距離が限界とも思える。宝塚記念の登録はあるが…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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