【マーメイドS】優勝:ブライティアパルス

2010(平成22)年6月20日阪神、G3・芝2000m、フルゲート16頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (9) ブライティアパルス 牝5 53.0 藤岡康 1.59.5 35.3 456( -6)
2着 (13) セラフィックロンプ 牝6 53.0 宮崎北 ク ビ 35.4 496( -2)
3着 (3) テイエムオーロラ 牝4 53.0 国分恭 1 3/4 35.4 466( 0)
4着 (14) ニシノブルームーン 牝6 55.0 北村宏 3/4 35.1 478( -2)
5着 (16) ヒカルアマランサス 牝4 56.0 内田博 3/4 35.5 458(+10)
  • 前が残りやすい馬場というイメージの阪神開幕週だが、この日は他のレースを見ても、極端に前有利という傾向でもない状況。それでも、このレースは前に行った2頭が、抜け出してそのまま最後まで競り合う決着。3着馬も先行馬で前残りの結果となった。
  • では、ペースが先行馬向きだったのかというと決してそうでもない。前半1000m通過タイムは59秒9。これはスローの範疇ではなく、平均と言える時計だろう。また、各ハロンの時計から、展開の緩急を見ても決して先行馬に有利と言える流れでもない。5ハロン目に12秒6を刻んだ後、12秒フラットに近い時計をしばらく刻み続けて勝負どころの3分3厘へ。すぐに11秒台に加速するという、息の入らない流れだった。このペースで前が止まらないと、さすがに後ろからの馬は厳しいだろう。
  • この結果について、展開云々は別として馬の力が強かったという解釈はできるだろう。確かに、人気の面は別としても今回の連対馬は、G1の4着馬と重賞勝ち馬。重賞の上位馬としての地力は十分。ただ、それにしても、である。1頭だけではなく何頭もの先行馬が、スイスイとこの楽でもないペースで止まらずに粘りこんだ理由は、1頭1頭に固有の理由(能力など)以上の、全体を通底する「何か」理由があったと考えるべきだろう。その答えの1つは、間違いなくハンデ戦ゆえの斤量の面である。今回、負けた馬の多くの騎手が、言い訳とも言えなくはないが、斤量に恵まれた馬の行き脚がつきやすいことを恨み節交じりで指摘していた。ある面では、その指摘は事実だろう。事実、上位馬は53キロの馬が占めた。もちろん、斤量だけがレースを決定付ける要素ではないにしてもこの厳しい流れを別定戦で走りきれるか、多少疑問ではある。
  • ハンデ戦である以上、斤量を生かしたレースをすること自体にケチをつけるつもりはない。ただ、このレース、毎回ここまで軽ハンデ馬が来ることを鑑みると、ハンデの付け方がどうかという気もしてくる。過去のレースを引くならば、去年のコスモプラチナ、ニシノブルームーン、一昨年のトーホウシャイン、ピースオブラヴ、さらにディアチャンス、ソリッドプラチナムとことごとく53キロ以下の馬が台頭。56キロ以上の連対馬は05年のダイワエルシエーロ以来皆無となっている。
  • ここまで、あくまで「結果として」とはいえ、斤量と着順が相関してしまうのは、出走する陣営にとっても、レース、予想を楽しむファンにとっても問題だろう。現在の斤量の設定が、ハンデ戦としての予想の「面白さ」に貢献しているといえるのか、軽ければ走るということとなってしまい、結果として「レースの魅力を減じる」こととなっているのか、今一度評価を考えるべきかもしれない。個人的には軽斤量馬の斤量の設定以上に、重い斤量を背負う馬についての検討が必要なのではないかとも思う。また、これは直感的な思いつきだが、開幕週の前残りの馬場でのハンデ戦の場合、脚質によって多少同じ力であるとしても、斤量に差をつけてもいいのではないかとも思うが…。
  • さて、勝ったブライティアパルスはスイスイと逃げるセラフィックロンプを2番手で終始追走。4角からジワッと並びかけると直線の叩き合い。ゴール前で何とか振り切って初めての重賞制覇となった。控える競馬で結果を出せているのは今後に向けて収穫だろう。以前は、先団につけてレースをしていたものの、淡白な結果となっていたため、逃げを打つようになり勝ち星を重ねていた。だが、前走では3着とはいえ、好スタートから最内につけてゴール前までしっかりと伸びた。マイルでスピードを活かすタイプだったが、こういうレースができれば中距離で味のある競馬をすることも可能。視野が広がる収穫のあるレースだった。これでメイステークス組、上位3頭が3週続けて重賞で連対。
  • 2着セラフィックロンプは思い切ってハナに立つレース。宮崎騎手が、馬のやる気を取り戻させるために試した戦法。前々から伸び切れないレースが続いていたが、これがよい刺激となったのだろう。また、ノーマークだったため自分のペースでレースを運べた。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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