【関屋記念】優勝:レッツゴーキリシマ

2010(平成22)年8月8日新潟、G3・芝1600m、フルゲート18頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (16) レッツゴーキリシマ 牡5 56.0 北村宏 1:32.9 33.2 476( -4)
2着 (9) セイクリッドバレー 牡4 56.0 松 岡 1/2 32.1 482(-12)
3着 (17) リザーブカード 牡7 56.0 内田博 3/4 32.4 492( -8)
4着 (18) テイエムアタック 牡6 56.0 後藤浩 アタマ 32.0 498( -2)
5着 (13) タマモナイスプレイ 牡5 56.0 渡辺薫 ハ ナ 33.3 480( +8)
  • 典型的な前残り。半マイルが48秒2と過去10回で二番目に遅いタイムというスロー。これを演出したのは、レッツゴーキリシマと北村宏騎手。メンバー構成の面からも、スピリタス、セイクリッドバレー、ムラマサノヨートーなど人気を集めた有力馬の多くが、後方待機タイプであり、楽な逃げを打てることはほぼ確約されていた。スンナリと外から先手を奪うと、直線では温存した脚を使い10秒台を刻みながら最後まで先頭を譲らなかった。ここまで、書くと展開の助けが大きかったレース…という解釈が一般的だろう。
  • しかし、レッツゴーキリシマの勝利は決して展開だけに助けられたものではない。刻まれたラップに、この馬の強さが示されている。半マイルの時計が今回よりも遅かった08年のレースと比較すると今回の特徴がよくわかる。08年と今年の時計の違いは、まず「タメ」のポイントである。08年はちょうど半分の4ハロン目で最も遅いラップを計測し、そこからペースが徐々に上がっていく展開。一方、今年はそれよりも早い3ハロン目を過ぎてからペースアップが始まった。つまり、残り1000mの段階からペースを上げていったこととなる。今年は半マイルの時計だけで印象付けられるペースとは違い、長い区間脚を使う、スタミナが問われるレースだったともいえよう。実際、先行馬にとっても有利と思えたこのレースだったが、先団にいた馬で上位に残った馬は不在。掲示板には差し馬が名を連ねた。
  • その中で、逃げ切ったからこそ、レッツゴーキリシマの実力を評価したい。今まで逃げ馬は苦戦が続いていたが、中距離もこなせるだけのスタミナが、この自ら後続を消耗戦に引き込むような逃走劇を可能にしたのだろう。さらには、直線での10秒台の時計。スタミナだけではなく、新潟特有の極限に近い数字を繰り出す瞬発力が求められる条件もクリア。展開の利以上に、スタミナ、そして切れ味と競走馬としての高い能力がなければ逃げ切れないレース。この勝利は高く評価していいだろう。ただ、引き続きマイルで…というタイプでもない気が…。中距離でこそ、この馬の上述した良さが出るのではないか。
  • 2着セイクリッドバレーは追い込み届かず。道中は後方4番手ぐらい。松岡騎手によれば気持ち早めにゴーサインを出したが、最後猛追も届かず。新潟大賞典(G3)に続き差しきれずの2着まで。脚質的にこういう乗り方と決めてしまっている以上仕方がないが、今回はスローとなることは戦前にある程度予想ついたはず。切れ味だけに関しては、互角あるいは優ると考えられたスピリタスの後ろから乗ったということは、スピリタスをターゲットにしてはいなかったということだろう。これは正解。だが、自分の競馬をするのであれば、もう少し前にいても良かったか…。3着リザーブカードは、はまれば怖いタイプ。新潟のように10秒台が平気で出るような長い直線はこの馬の長所が一番出るコース。不振続いたが条件合えばまだまだ。4着テイエムアタックは、メンバー最速の上がり。道中はセイクリッドバレーとほぼ同位置。速い上がりの実績はあり、この馬もこういう条件が合っていたのだろう。
  • さて、1番人気のスピリタスは6着まで。レースは中団で運んだが追い出されてからが淡白。この流れでは切れ味一辺倒のこの馬にとっては、どうしようもないところもあるが…。前走の内容からいよいよ本格化とも思ったが、やはり重賞レベルでは展開も重要か…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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