【セントライト記念】優勝:クォークスター

2010(平成22)年9月19日中山、G2・芝2200m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (13) クォークスター 牡3 56.0 藤岡佑 2.10.9 34.0 500( +4)
2着 (15) ヤマニンエルブ 牡3 56.0 柴 山 ク ビ 37.0 458( -2)
3着 (2) アロマカフェ 牡3 56.0 武 豊  3/4 35.1 468(+12)
4着 (10) ゲームマエストロ 牡3 56.0 田中勝 ク ビ 34.4 472(-12)
5着 (12) ダークシャドウ 牡3 56.0 四 位  1/2 35.0 498( -8)
  • ヤマニンエルブの派手な逃げ脚に場内は大いに沸いた。1000m通過は58秒台。01年以来最速のペースでレースは進む。この日、中山では1200mのレースではあるが、条件戦で1分7秒台が連発。とにかく時計の出る馬場状態。数字上の評価は別としても、かなり強気のペースメイクだったことは間違いないだろう。特に圧巻だったのは、残り400m直前までの時計の推移。行き脚がついて11秒フラットを計測した2ハロン目を除いて、レースのほとんどの区間において11秒7から12秒1の僅か0秒4のレンジで推移するという、「超淀みのない」逃げを打った。
  • さて、この大差での逃げは自分自身への挑戦という意味であったと同時に、後続各馬を幻惑し戸惑わせる効果もあった。3コーナーでは10馬身ほどのリードをつけて、勝負どころへ後続を引きずり込んだが、ここで後続各馬は動くに動けないまま。このペースであれば、当然そう簡単には逃げ切れないはず。黙っていても最後はかわせるはずで、ゲシュタルト、アロマカフェからすれば、この流れの中でさらに自分から動いていくということこそが無謀という判断だった。確かにそれは間違いではないだろう。実際、早めに逃げ馬を捕らえに掛かっていれば、逃げ馬も潰れたかもしれないが、それ以上に自分が苦しくなる。結果、各馬が動き出したのは4コーナー手前で、直線入り口の残り400mの地点まだ7、8馬身は差があった。
  • ここで、幾らなんでも差し切れるだろうという自信は焦りに変わる。ペースに関わらず前が残る絶好の馬場状態。先団で逃げ馬を射程圏に置いていたはずの人気馬ゲシュタルト、フェイルノートだが、直線でも差を詰められず、むしろ広がる一方。大きく離れて追走していたゆえ、ペースをミドルと判断する向きもあるようだが、それはあくまで数字からの判断。淀みないペースに消耗してしまったのだろう。春、クラシック路線をにぎわせたゲシュタルトも、このペースに巻き込まれ4コーナーで早くも失速。直線で早々に後退していく。これで、ヤマニンエルブの脚本通りの舞台が大団円を迎えたかに思えたが…。脅威のペースで逃げ込み計ったヤマニンエルブに最後の最後で飛んできたのはクォークスター。最後方に近い位置で待機していた差し馬が主役の座を奪って行った。
  • クォークスターは道中後方。4コーナーで迷わず大外に出すと最速の上がり、34秒ちょうどで上がって差しきった。ここのところ、控える競馬で差しを活かして成功。今回は、もう少し前で展開することを想定していたようだが、前の馬の負け方を見ると位置取りが後ろになったのはラッキーだった。ある意味では展開も向いて前が消耗したところを差し込めた。小回りで力を発揮しているように、器用に一瞬の脚を使えるタイプ。距離適性はわからないが、この瞬発力は中距離あたりのレースで大きな武器になりそう。
  • さて、冒頭から書いているようにヤマニンエルブは負けて強し。前走の阿賀野川特別では古馬相手に1秒1の大楽勝。だが、今回とは違いラップに抑揚をつけての逃げ切り。だが、今回のように時計の出る馬場をワンペースで押し切るというのは…。柴山騎手の作戦かは分からないが、ともかくこの馬の奥深さを1つ明らかにしたという意味では非常に収穫のあるレースとなった。「七色の逃げ」を打てる馬。アドマイヤメインのようなイメージではあるが、距離は延長しても、いやむしろ伸びた方がいいかもしれない。平坦京都でさらに力を発揮しそうだ。
  • 3着となったアロマカフェだが、内容は悪くない。先団のやや後ろ、インで控えて体力の消耗を防ぐと、直線では先団の馬でただ1頭、鋭い伸びを見せた。この流れでいい脚を高い位置から使えるのだから、負けたとはいえスタミナ面では大きくアピールできたのではないか。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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