【神戸新聞杯】優勝:ローズキングダム

2010(平成22)年9月26日阪神、G2・芝2400m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (3) ローズキングダム  牡3 56.0 武 豊 2.25.9 33.3 462(+22)
2着 (5) エイシンフラッシュ 牡3 56.0 内田博 ク ビ 33.3 486( 0)
3着 (1) ビッグウィーク   牡3 56.0 川 田  3  34.1 444( -2)
4着 (4) タニノエポレット  牡3 56.0 松 田 3/4  33.7 498( +8)
5着 (10) レーヴドリアン   牡3 56.0 福 永 3/4  34.1 470(+14)
  • ローズキングダムは、新馬戦以来のライバル、ヴィクトワールピサの主戦、武豊を迎え、もう一度、チャンピオンとして王道を進むための重要な一戦。対してエイシンフラッシュは、二冠を目指してダービー馬として勝利が求められるレース。共に結果と同時に内容が求められるレースだった。
  • 戦前から予想はされていたものの、ペースは見るからに落ち着いて1000m通過63秒1の超スローペース。たださえ、上がりの脚比べとなりがちなこのレースだが、ますます上がりの競馬に。ダービーで極限に近い32秒台の上がりを繰り出した2頭の争いとなるだろうことはこの時点で予測された。ただ、今回は例年以上の切れ味比べとなったという点を強調しておきたい。
  • 特に通常であれば残り600m、すなわち長い外回りの直線に入ったところで、ペースアップ。各馬ギアチェンジで叩き合いが始まる…というのがパターンだったのだが、今年はペースが上がるポイントが最後の最後までずれこんだ。もちろん、残り600m、あるいはその前の段階からペースは徐々に数字上では上がっていると確認できるが、これは前半があまりにもスローだったことの反動でもあり、明確な、レース展開における勝負どころの到来を示すほどの極端な数字の変化ではない。
  • 注目したいのは、残り400〜200mの区間。ここで、このレースでは初めて後半に10秒台を計測した。実はここに至るまでの時計が、2分3秒7。これは、今までの年の中で圧倒的に遅いタイムとなっている。つまり、今年は最後の3ハロンではなく、最後の2ハロンまで本格的なペースアップは到来せず、残り400mという極端に短い区間での瞬発力勝負となったといえよう。こうなると、前述のように上がりの競馬となったダービーで求められた能力がこのレースでも求められることとなり、ダービー上位馬にますます有利となる展開となった。
  • では、この2頭の優劣をつけたのは何だったか。1つは折り合いだろう。道中は馬群の最内で淡々と走るローズキングダムの外にエイシンフラッシュがつける位置関係。しかし、あまりのスローでエイシンフラッシュは掛かり気味。これで体力を多少消耗したのは確か。しかし、それ以上に大きく明暗を分けたのは、枠順の差だろう。ローズキングダムは終始内側を通れたのに対し、エイシンフラッシュはその1頭分外を周回。直線でも内側を抜けたローズキングダム。やや外目、馬場の中ほどを追い込んだローズキングダム。上がりの時計は全く同一で、この僅かなコースロスの差が2400m先のアタマ差となってしまった。
  • 勝ったローズキングダムは何より馬体が増えていたのが評価できる。春はひ弱な印象で、バランスはいいがボリュームに欠けた。2歳時とあまり変わらない印象で、ともするとこの馬の成長力の限界点を示していたようにも思えたが、夏を越えて一変。22kg増は成長分だろう。最後の一冠。再び有力馬として迎えられそうだ。折り合い、切れ味…ステイヤーとして必要な要素を兼ね備えている。ダービーはスタミナ不要だったという評価もあるが、この馬は紛れもなく万能型。菊花賞(G1)に近づいた。
  • 2着エイシンフラッシュは、これで菊花賞における人気は逆転されそうだが、勝ち馬とそう差はないだろう。久々という点の影響は大きい。また、何より走ったコースの差が勝敗を分けた。折り合いの不安もあるだろうが、今年はヤマニンエルブが飛ばしそうで、例年よりは流れるペースが予想される。スムーズに走ってまた上がり勝負となればチャンスは十分だ。ダービー時点でもこの馬の長所が不明確だったが、毎度色々な新しい面を見せる馬。ローズキングダムは限られた区間での瞬発力勝負で再台頭して来たが、この馬が意外にも「長くいい脚」が使える馬だったら…。まだ底を見せていないという点で評価を下げる必要はない。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
    競馬を楽しむためのメルマガ!!★名古屋で冠レース!!活字量たっぷり読み物メイン!解説、ニュース、提言、クイズ、登録馬紹介、新馬診断・物語、グルメ、豆知識、コラム、地方競馬観戦記!
    規約に同意して