【毎日王冠】優勝:アリゼオ

2010(平成22)年10月10日東京、G2・芝1800m、フルゲート18頭、晴・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (4) アリゼオ  牡3 56.0 福 永 1.46.4 34.5 520( +8)
2着 (3) エイシンアポロン 牡3 55.0 蛯 名 ハ ナ 34.8 502( +8)
3着 (1) ネヴァブション 牡7 58.0 田中勝 1 1/2 34.4 486( +4)
4着 (9) スマイルジャック 牡5 57.0 三 浦 1 1/4 35.3 488( 0)
5着 (2) ペルーサ 牡3 56.0 安藤勝 1/2 34.3 506( +6)
  • 逃げ馬が希少であり、予想通り単騎逃げとなったシルポート。1000m58秒9のペースを刻む。このペースは数字上、このクラスであれば特に速いというものでもない。ただ、渋った馬場を考えると多少速かったのかもしれない。それを証左するのが後半800m。47秒5も掛かってしまった。これは前半のハイペースの反動とも考えられる。このペースの中、人気馬は先団から中団。アドマイヤメジャーが2番手で前々の位置取り。スマイルジャック4番手。ショウワモダンもその後ろの馬群の中。しかし、これらの馬は最後の直線で伸びを欠きズルズルと敗退してしまった…。
  • さて、もう1つ、後半800mの時計が落ち込み「時計の掛かる」レースとなった理由は直線の馬場状態だろう。例年高速馬場の印象が強い秋の東京。しかし、今年は雨に見舞われ特に日曜はなかなか前を捉えられないレースが散見された。このレースも直線3ハロンが35秒5も掛かっている上、特に最後の2ハロンが初めて連続12秒台を記録した。これでは、追い込み馬は厳しいレース。出遅れてしまった1番人気ペルーサも、直線外に出し一瞬伸びかけたものの前との差は詰まらなかった。
  • こういうレースでは、極端に後ろでは届かず、ある程度前に位置する必要がある。しかし一方でこのハイペース。結果的にはインをうまく回り消耗を最低限に押さえた先行馬にうまく展開が向くこととなった。アリゼオ、エイシンアポロン、そしてネヴァブション。インを抜けてきた馬たちが上位を占拠。勝ったアリゼオは、道中中団のイン。春先は気性面もありスムーズに力を発揮できなかったが、今回は非常に大人の競馬。しっかりと道中折り合って、直線では迷わず最内を突いてこの馬らしいしぶとさを見せて二つ目のG2タイトルを獲得した。8はロ増えた馬体に成長を感じさせレースぶりも進境。うまく立ち回ったとはいえ、秋を展望するのに十分な内容だった。ただ、皐月賞(G1)では一旦先頭を窺ったものの、脚が鈍って後退。距離的な限界を示唆しただけにこの勝利はその不安を覆すまでには至らず。もちろん、今なら2000mも難なくこなせる期待はあるが、天皇賞・秋(G1)に行ったとして果たしてどうか。まだ、確かめるべき点はいくつか残っている。
  • 2着はエイシンアポロン。3歳が今まで苦戦していたこのレースで3歳馬ワンツーとなった。位置取りは勝ち馬の前。うまく抜けて直線でもしぶとく伸びたが僅かに届かず。春に落とした評価を取り戻すためのレースだったが一定の回答を出した。前々でスタミナを活かすレースは好感できる。2歳秋依頼、切れ味で勝負するレースをしてきたが、もともと1年前2着に敗れたデイリー杯2歳S(G2)時に指摘したように、中距離ぐらいで味のある競馬をする馬なのではないかと思っていた。今回は意識的に打開策として前。ペースにうまく乗り、見事なレースぶりだった。体重増えて、元来よく見せる馬体がさらにボリュームアップ。秋、もしかしたら大ばけする可能性も…。個人的には使うなら天皇賞ではなく菊花賞と思うのだが…。皐月賞後はダービー向かわずNHKマイルカップ。長距離を避けてきただけに3000mを使ってのレースぶりを見てみたい。3着ネヴァブションは久々で走るイメージがないが、内を突いてよく伸びた。うまいレースぶり。4着スマイルジャックは、直線半ばまで持ったままで余裕の追走。いつ抜けるかという走りだったが追い出されて案外。マイルを使い続けたことも1つの敗因かもしれないが、ちょっと物足りない。
  • そして1番人気、大きく出遅れてしまったペルーサは5着。ダービー(G1)に続いてゲートをうまく出られずに最後方。そのまま最後の直線で伸びきれず。ひとまず評価は保留…。ゲートが全てではあるが、極限までの切れ味を活かせるような良馬場が本当は望ましかった気もする。個人的には、現状中距離ぐらいで切れ味勝負をするのが最も合っていると思う。長距離は精神面成長して古馬になってからでも遅くはなかろう。いずれにしても、スタートをきちんと出ない限りは…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
    競馬を楽しむためのメルマガ!!★名古屋で冠レース!!活字量たっぷり読み物メイン!解説、ニュース、提言、クイズ、登録馬紹介、新馬診断・物語、グルメ、豆知識、コラム、地方競馬観戦記!
    規約に同意して