【天皇賞・秋】優勝:ブエナビスタ

2010(平成22)年10月31日東京、G1・芝2000m、フルゲート18頭、曇・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (2) ブエナビスタ 牝4 56.0 スミヨ 1.58.2 34.1 456( -4)
2着 (7) ペルーサ 牡3 56.0 安藤勝 33.6 502( -4)
3着 (12) アーネストリー 牡5 58.0 佐藤哲 1 1/2 34.8 530( 0)
4着 (5) オウケンサクラ 牝3 54.0 北村宏 1 1/4 35.2 492(-12)
5着 (14) ネヴァブション 牡7 58.0 後藤浩 ク ビ 34.7 492( +6)
  • 開どうのこうの関係なし。強い馬が強いから勝つ。そういうレースだった。「現役最強馬」に間違いはない。横山典騎手が直前の負傷で騎乗不可能となり、代打の形でスミヨン騎手にスイッチ。スミヨン騎手、ここのところ大分減少してはいたが、正直日本でのレースでまだ「どうして?」という場面がないわけでもなく、内枠でどう乗るのか不安もあったが、抜群の騎乗をみせてくれた。
  • 逃げ宣言のシルポートが行き脚をつけて刻んだペースは、59秒1とこの馬場でまずまず。万能型のブエナビスタ。今回は先行策で先団のイン。淡々と進む。これには、1つは馬場のことがあっただろう。やや重の馬場で確かに伸びが鈍る競馬も多々あったが、インは土曜日に競馬がなかったこともあってそれほどの損傷はない状態。むしろコースロスもなくなるためインの方が有利。道中は、包まれるリスクはあるがともかく無理せずに内々を回ったということだろう。もう1つは、2番人気アーネストリーとの位置関係もあった。
  • 先団から、しぶとく伸びる競馬が身上のアーネストリー。あまりこの馬と間隔を開けてしまうと、前で粘られてしまう可能性もある。宝塚記念(G1)では、何とか先着したが距離短縮でこの馬場。佐藤騎手は戦前、レースのカギは「上がり3ハロンの時計」と述べていたが、どれだけの時計が出る馬場となるか、展開となるかがカギになると思っていたのだろう。良馬場となれば瞬発力に秀いでているブエナビスタ、逆に時計が掛かって地力勝負となればアーネストリーにもチャンスの芽が出てくる。この芽を確実に潰すために選んだのは、アーネストリーの直後でマークする作戦だった。同位置で競馬ができれば、後は上がりの脚比べ。そうなれば、現役随一のブエナビスタの爆発力が活きる。
  • また、スミヨン騎手がうまかったのは位置取りだけではなく、進路の取り方も絶妙。当然、上記の競馬ではインで閉じ込められる危険もある。事実、4コーナー前では、アーネストリーとスマイルジャックに半ば意識的に前を塞がれ、動けない形となって直線。だが、ここでスミヨン騎手は、馬の前部を両馬の間に入れ直線入って、すぐにアーネストリーが外にふくれたこともあって、進路を確保。直線半ばでは気がつくともう前に何もなくスパートするだけのポジションを確保。そこからゴーサインをかけると一瞬で後続を置き去りにしてしまった。
  • 強い。ここまで完膚なきまでに叩きのめされるとは。他の馬はぐうの音も出ないだろう。どの位置にいても確実にいい脚が使えるのだから、もうどうしようもない。距離も幅広くこなせる。荒削りのウオッカは一発の魅力の反面、安定感に欠けていた。また、スピードの持続力が武器のダイワスカーレットは、その速さで自身の脚を痛めてしまいターフを去った。ブエナビスタは彼女たちとは違い、自由自在に操縦が利き最後に必ずいい脚を使う。ダイワスカーレットは、スピード優位の現代競馬の理想形だったが、ブエナビスタは、勝負としての競馬に勝つために最高の能力を持っている。今回スミヨン騎手の好騎乗もあったが、逆に乗る方にとってはこれほどプレッシャーとなる馬もいないだろう。力を発揮させられさえすれば、勝てるのだから…。
  • またこのレースの重要なエピソードとなると思われるのが、ペルーサ。驚きの一言だ。得体が知れない馬…。ゲートでは一度暴れると、安藤騎手がスタートまでずっと腰を落として馬を無理やり落ち着けたが、ゲートが開くとやはり遅れる。後方を冷静に追走し、直線勝負。しかし、なかなか前が開かずスパートをかけられたのは、ラスト250m。にもかかわらず、そこから33秒6でまとめて差しきって2着。勝ち馬との差はどうしようもなかっただろうがスムーズに競馬ができた時にはどれだけの能力を発揮するのだろうか…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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