【アルゼンチン共和国杯】優勝:トーセンジョーダン
2010(平成22)年11月7日東京、G2・芝2500m、フルゲート18頭、晴・良
順位 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 着差 | 上り | 馬体重 |
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1着 | (2) | トーセンジョーダン | 牡4 | 57.0 | 三 浦 | 2.30.0 | 35.2 | 480( +2) |
2着 | (9) | ジャミール | 牡4 | 56.0 | 大 庭 | 1 3/4 | 35.4 | 452( +8) |
3着 | (7) | コスモヘレノス | 牡3 | 51.0 | 中 谷 | ク ビ | 35.7 | 514(+10) |
4着 | (1) | スリーオリオン | 牡5 | 55.0 | 内田博 | 1 3/4 | 36.2 | 456( -4) |
5着 | (5) | エアジパング | セ7 | 56.0 | 柴 山 | 2 1/2 | 35.8 | 444( 0) |
- ドリームフライトが必死に押し上げて先頭に立つと、逃げの可能性のあったゴールデンハインドらは、競りかけずに単騎逃げ。この逃げが大きく結果を左右した。
- 700m通過後から直線に入る直前の1900m通過までの1200mの間、実はラップタイムがほとんど変化していない。最も速かったのは12秒1、最も遅かったのは12秒3。つまり、僅かに0秒2のレンジの中でしかタイムの変動がなかったこととなる。超がつく淀みのないペース。だが、「淀みがない」=ワンペースで厳しい流れとなるとは限らない。事実、今回のレースでもこの区間の時計は85秒3。これは速くもないが、遅くもない。1100m通過時計も65秒4とまずまず平均的な流れ。ほどよいワンペースとなった。このペースは、一般論的に極端な脚質の馬が不利となる。逃げ馬にとっては、厳しいペースではないが、タメが利かせられない分だけ特に東京のように長い直線コースでの勝負では辛い。また後方待機の馬も厳しい。先頭に近い位置の馬は厳しい流れになるだろうが、中団の馬たちにとっては平均ペースで脚をためられるため、それよりも後ろにいるような馬は、よほどの切れ味を持っている馬でなければ届かない。つまり、このレースで有利だったのは中団にいた馬たちだった。
- 事実、上位馬は先団のうしろあたりで控えていた馬たち。勝ったトーセンジョーダンは、道中9番手ぐらいのまさに「中団」の位置取り。周辺にジャミール、コスモヘレノスらを置き、淡々と追走。外目を進んで三浦騎手はずっと我慢。直線に入っても半ばまで手綱を動かさず、外から追走。他馬の叩き合いを尻目に残り400mで手綱だけを動かし、前の馬たちを射程圏から外さない。本格的なスパートは残り300m。前にしぶとい馬がいたことを考えれば、いいタイミング。力で抜け出して勝利。
- 未知の距離だった2500mも難なくクリア。前走は前半にうるさいところを見せたところもあったが、今回、ある程度流れのあるペースで、スムーズに競馬。これも前走も見られたが、直線でのペースアップでもこの馬だけは涼しい顔で外から悠々と追いかけられるだけのスタミナと、スピードの絶対値の違いは評価していい。特に、この距離で重賞未勝利ながら57キロを背負っての安定した走り。相手のレベルがどうのこうのとは別として、素質を感じさせる走りだった。忙しくなく、余裕を持って競馬ができる広いコースがいいだろう。今後も楽しみ。
- 2着ジャミールもほぼ同じ位置。大庭機種のコース取りが良かった。やや強引ながらも、この馬は内を選択。確かにこういうペースでは僅かな距離のロスが着順を最後に左右する要因となることがある。内側で他馬と接触しかけながら、スルスルと抜けて最後までいい脚を使った。大庭騎手のムチの入れ方も良かった。勝ち馬には抜けられてしまったが、3着馬に抜かれず最後のひとふん張りが利いたのは、大庭騎手のコース選択とムチのお陰だろう。ギリギリまで脚をためるスタイルでも競馬ができるが、中団馬群で結果を残せたのは収穫。いいレースだった。
- 3着コスモヘレノスは、残り800mで中谷騎手が馬の行く気を尊重して早めに進出。このペースで少し迷うところもあろうが、人気薄と軽い斤量で気楽に思い切った競馬ができた。最後まで粘りきったのは立派。ずっと伸び続けて2着まで見えたが…。3歳で評価は難しいが、ステイヤー気質ではないか。距離さらに伸びて面白い。4着スリーオリオンは前で立ち回ったが、最後、脚をタメ切れなかった分だけだろうか、脚色なくしてしまった。3番手からスパートしたが…。直線では早めに先頭に立たされるような形で仕方がないが、早仕掛けとなってしまった分だけ足りず。今回はもう少しタメられれば良かったのだが…。
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- 研究員アサノ プロフィール
- レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
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