【ジャパンC】優勝:エーシンフォワード

2010(平成22)年11月28日東京、G1・芝2400m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (6) ローズキングダム 牡3 55.0 武 豊 2.25.2 34.2 462( -2)
2着 (16) ブエナビスタ 牝4 55.0 スミヨ 降 着 33.5 462( +6)
3着 (2) ヴィクトワールピサ 牡3 55.0 ギュイ ハ ナ 34.4 510(---)
4着 (8) ジャガーメイル 牡6 57.0 ムーア 3/4  33.7 484( 0)
5着 (7) ペルーサ 牡3 55.0 安藤勝 ク ビ 33.5 510( +8)
  • とにかく、不可避の案件も含めて審議対象事項が多く、非常に後味が悪くなってしまった大一番。シンゲンが隊列を引っ張るという戦前の予想が困難な展開。好発が裏目に出る形。1000m通過が60秒7とこのレベルではやや緩い流れを作り出す。1番人気のブエナビスタは、スタート後、位置取りはやや後ろ目。1コーナーに向かう途中で大きく躓き、ヒヤッとさせたが馬の力を信じて馬なりのポジショニング。もちろん、もっと前で脚をためたいところだっただろうが、スミヨン騎手、腹を括った作戦。他の有力馬は軒並み先団の位置。2番人気ナカヤマフェスタは4、5番手の外で流れに乗り、エイシンフラッシュ、ローズキングダムの3歳2騎もこの周辺。前者はやや掛かり気味だったのは気になったが。そして、意外にも3歳クラシック上位グループのもう1頭ヴィクトワールピサもこの集団の前、2番手で進む。テン乗りかつ騎乗予定だったデムーロ騎手が契約の問題で他馬に乗るという事情もあり、急遽騎乗となったギュイヨン騎手、どのようなイメージを持っていたかは分からないが、ペースに合った面白い作戦だった。これらの馬からすれば、淡々としたペースは好都合。ブエナビスタが想定より後ろとなり、「もしかしたら」と期待させる位置関係となった。
  • さて、レースを決定付けたのは3コーナー過ぎの時計。時計上は、この残り1000m通過時点で前区間比0秒9も加速し、12秒フラットにペースアップ。例年通り長い区間でのスタミナが求められる叩き合いとなったかにも見えるが、実際にはシンゲンがタメを作らずに、馬群を引き離しに掛かったところであり、他馬はほとんどが手綱をグッと引いて待ったまま。実質的な全体のペースは上がっていない。これは、警戒すべきブエナビスタがまだ後方にいたため動けなかったということだろう。シンゲンの藤田騎手は、想定していたとは言うものの限りなく予定外の展開。敢えて小細工せずに馬の力を信じるレースを試みたのだろう。しかし、この区間で飛び出したのはシンゲン1頭だけ。結局、このスパートは空砲となり12着に大敗してしまった…。一方で、馬群の馬たちはブエナビスタの影を恐れたため4コーナーまで実質的なラップは上がらず、このレースとしてはスタミナはあまり関係なく、珍しく直線だけの切れ味勝負となったと言えよう。こういうレースは外国馬は合わない…。
  • 実際、33秒台の時計を4頭も出すという上がりの勝負。ブエナビスタは、4角で外目に出して我慢。残り400mあたりからゴーサイン。ムチが入ると天皇賞・秋(G1)と同様に瞬間移動的な急伸。あっという間に前を行くローズキングダムと並び、かわし、ヴィクトワールピサに並び、かわす。ゴールでは完全に抜け切って年度代表馬を決定付ける勝利…のはずだった。スミヨン騎手の騎乗は、罪はない。細かいことは他の媒体でも明らかにされると思われるので割愛するが、偶然冒頭述べたように、上位3頭共にベストを尽くした結果のアクシデントだろう。橋口師も「複雑な心境」と述べたように、力の差は決定的だった…。仮に不利がなかったとしても、ローズキングダムはこの馬を逆転できなかったのではないか。確かに大きく接触しているが、結果的にはローズキングダムも2位入線とブエナビスタ以外の馬には先着。力通りの順位で、その意味では着順を変える必要は…。ただ、降着制度は事故、不正騎乗を予防する抑止力が目的なので今回の裁定は仕方がない。ただ、やはり強い。一瞬のエンジン点火で、これだけ伸びる馬はかつていただろうか。今回は位置取り後ろだが、前にいてもこの脚が使える馬。負けるイメージが浮きにくい馬。今回3歳世代、凱旋門賞2着馬にも先着。文句なしの現役最強馬だろう。
  • とはいえ、3歳ジャパンカップホースを誉めないわけにはいかないだろう。ローズキングダムは、一時のスランプを脱出して充実期に入った。思いがけない形でビッグタイトルを獲得したが、一旦3番手に下げられながら差し返してヴィクトワールピサをかわしたのは評価できる。前走と異なり、今回は正攻法。やはりこの馬は強気の競馬が合っている。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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