【朝日杯FS】優勝:グランプリボス

2010(平成22)年12月19日中山、G1・芝1600m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (11) グランプリボス   牡2 55.0 デムー 1.33.9 34.5 504( -4)
2着 (5) リアルインパクト  牡2 55.0 ベリー 3/4  34.8 504( +2)
3着 (2) リベルタス     牡2 55.0 福 永 アタマ 35.0 490( -2)
4着 (10) サダムパテック   牡2 55.0 スミヨ ク ビ 34.9 498( 0)
5着 (8) リフトザウイングス 牡2 55.0 ルメー ク ビ 34.6 508( -2)
  • スタートで出遅れたのは、1番人気のサダムパテック。場内どよめく。たださえ、出てすぐコーナーのため、外枠が不利とされるこのレースで出遅れは致命的。だが、スミヨン騎手うまく道中ペースに乗りながら外から追走し位置取りを徐々に上げていった。一方、他の人気馬も牽制をしあいながら中団で待機。
  • 勝ったグランプリボスのデムーロ騎手は、ハイペースと述べたが、実際は半マイル46秒6と平均的といえる流れ。サダムパテックもこのペースで掛かり気味。スタートも含めて非常にチグハグな競馬となってしまった…。ただ、ややスローと言える流れながらも、ペース自体は厳しいもの。これがデムーロ騎手の言う、「ハイペース」の印象を与えたか…。とにかく、逃げたオースミイージーが演出したのは、極限のワンペース。3ハロン目に11秒5を計測すると、その後は12秒ちょうどとのレンジで動くだけ。やや早めの残り600mから加速しているという点も含めて全体としては、あまり積極的に動くと脚をなし崩し的に使わされる「タフ」なレースだったのではないか。
  • この流れでグランプリボスは中団待機。外からサダムパテックが一旦前に行くとそれをじっと見ながら待機。前走で折り合いに進境見せたが、ここでも無難に鞍上の指示通りのレース運び。ただ唯一、4コーナーでアドマイヤサガスと接触してしまい腰を上げてしまう場面。これは致命的となり兼ねない、勝負どころでのロスだったが、今回のレースではむしろいい方に出た。この厳しい流れで各馬直線半ばで次々に後退。差し馬たちも坂上までに前に出たが、ペースの影響だろう坂上で脚が鈍ってしまった。ここで、飛んできたのがグランプリボス。コーナーでのロスに加えて、直線でも前が壁となってしまい、仕掛けが遅れたお陰で逆に最後の最後での逆転が可能となったとも言える。危ない騎乗ではあり、決して誉められるものではないが…。しかし、最後まで脚をためようとしたデムーロ騎手の意図は間違いではなかった。
  • 今回の上位メンバーの実力に差はほとんどないだろう。もう1回レースをすれば、おそらく勝ち馬は違っていると思う。今回は、デムーロ騎手の結果オーライの騎乗によるところが大きい。ただ、馬自身も特に気性面での成長が著しい。こういうワンペースのレースを勝てる馬は、地力に優ることが多いのだが、今回はラッキーもあったか…。ただ、ゴーサイン出てからの瞬発力は評価できる。前走からも窺えるがマイルまでのスピードの基礎値と、仕掛けてからの反応は見所あり。マイル路線を歩むという選択は間違っていないと思う。スピードを生かした差し脚がこの馬の長所。これが生きるのはクラシックディスタンスではないかもしれない。
  • 2着馬も京王杯2着馬で結局京王杯ワンツー。そのリアルインパクトもまた外国人騎手の騎乗。前回に続いてインを回る競馬。こちらも、仕掛けのタイミングをギリギリまで引き伸ばして直線スパート。スルスルとインを伸びたが、最後は勝ち馬の勢いに屈した。ジワジワとしか伸びないので、スパッと切れる馬には弱い。ただ、距離が伸びていいのはこういうタイプだろう。中距離で期待してもいい。ただ、それでもこちらもうまく乗られた結果。
  • さて、1番人気のサダムパテックだが出遅れがまず大きな敗因であるのは間違いない。ただ、この流れでやや勢いがついてしまったか道中スムーズさを欠いてしまった。外から強引に追い上げて最後は勝ち負けに加わるレースとなったが…。前走もスタートで後手を踏んだものの、うまく押し上げて最後末脚の爆発力で突き放した。ただ、マイルに距離が短縮してまた、今回のような淀みのないペースでは位置取りを巻き返すにも、スタミナをロスしてしまう…。力は示したがベストは現状スタートが課題だけに中距離なのだろう。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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