【京都牝馬S】優勝:ショウリュウムーン

2010(平成22)年1月30日京都、G3・芝1600m、フルゲート16頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (5) ショウリュウムーン 牝4 53.0 浜 中 1.33.7 33.3 458( -2)
2着 (8) ヒカルアマランサス 牝5 54.0 リスポ 1 3/4 33.3 476(+12)
3着 (6) サングレアズール 牝4 53.0 藤岡佑 1/2 34.0 488(+12)
4着 (3) レディアルバローザ 牝4 52.0 福 永 3/4 33.9 476( +6)
5着 (11) リビアーモ 牝6 55.0 デムー 1/2 33.5 496( +6)
  • ジワッと先手を奪ったのは、かつて重賞路線で小気味よい逃げ脚を披露していたミヤビランベリ。長期休養明けで4キロ絞られていたが、前走が久々とは大敗。評価が難しいところではあったが、キッチリと自分の競馬に持ち込んだ。上がり馬マルカボルトは敢えて逃げ争いに加わらずに2番手で待機。この刻んだペースが恐ろしいほどにスローペース。1000m通過が63秒台。これではさすがに前残りの競馬…。しかし、実際には単純な前有利ではなかった。というのも、後半のラップで11秒台が連発。残り1000mから200mまでが11秒台で推移。最後の1ハロンが12秒台になったがこれは坂の影響で、実質上後半は全く流れが止まらないという極端な流れとなった。中山外回りはおむすび型のコース設計。向こう正面から4コーナーに向かって、ほぼ真っ直ぐのため時計が速くなりやすい。ただ、実に800mの区間に渡って加速していったのだから、いくら前半にスタミナを温存できていたとはいえ、それなりに消耗戦となっていたのは確実。地力勝負の意外にタフなレースとなったと言えるだろう。
  • このレースを乗る上で難しかったのが、動き出しのタイミングだった。古豪ミヤビランベリを簡単に逃げさせるのは危険。とはいえ、あまり早く動き出すのも最後坂のコースを考えれば無謀。誰がミヤビランベリに鈴をつけに行くのか。だが、隊列は後半に入っても全く変わらないまま。前走準オープンを勝ったばかりのマルカボルトは挑戦者の身。2番手から一瞬前に迫りかけるが、ミヤビランベリが加速するとそれ以上、深追いはしない。これは仕方が無い。3番手外からサンライズベガが追い上げるが、こちらは久々で気負っていたためか徐々に手ごたえが悪くなり、前を窺う余裕もなくしてしまう…。結局、ミヤビランベリが先頭のまま直線へ。
  • さて、この流れで勝ったトーセンジョーダンは、先団の馬群の中で道中待機。残り800mでジワッと上昇して先頭を圏内に。2番人気コスモファントムはそのやや前方のラチ沿い。前走の再現を狙うかのようなロスのないコース取りからの直線勝負に賭けた騎乗だったのだろう。ここで、松岡騎手の騎乗は間違っていなかった。3コーナーでペースが上がっていくと一旦下げて前走のように末脚を引き出す、瞬発力勝負を念頭とした準備を開始。しかし、後ろからトーセンジョーダンがスッと上がっていくと、あまり差をつけられたくなかったのだろう、同時に上昇。結果としては、脚をためることができない展開となってしまった。レース後松岡騎手が述べたように、この馬は小回りコース向きの切れ味タイプなのかもしれない。
  • さて、直線に入るとミヤビランベリがマルカボルトにかわされて一旦下がりかけたものの、二の脚を使って再度先頭へ。ここで外からトーセンジョーダン。坂の前で一気に詰め寄ると、坂でどうにかミヤビランベリをかわして勝利。力で捻じ伏せた一戦となった。勝ったトーセンジョーダンは、前走有馬記念でスローとはいえ、自身でペースを作って堂々の掲示板。負けられないレースをクリア。とにかくタフな馬で地力が試されるレースで真価を発揮する馬。速い流れでも脚をためて抜け切ることができる。もう折り合いにも何の不安もない。距離適性は現状では長い方がいいだろう。地力が問われるような消耗戦になればなるほど、この馬のチャンス。天皇賞・春(G1)でも戦える。
  • 2着ミヤビランベリは、年齢的に評価が難しいところだったが、逃げての粘りは見事。これだけスローだったとはいえ、最後は先行馬で地力に欠ける馬たちが、ふるいにかけられ、後退していく中で最後まで首位争いをしたのはさすが。まだまだ中長距離では面白い存在。それにしても、この馬人気が無いときに好走する。ノーマークで行けるという条件も、一つの条件なのだろう。3着ネヴァブションは後方からの競馬。こういう地力勝負ではやはり強いが、位置取りが後ろだった分だけ届かなかった。ただ、このところ真っ直ぐに走れていない気が…。スムーズであればまだ上がある。こちらもどうぞ
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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