【きさらぎ賞】優勝:トーセンラー

2011(平成23)年2月6日京都、G3・芝1800m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (6) トーセンラー 牡3 56.0 デムー 1.47.6 33.4 432(-10)
2着 (7) リキサンマックス 牡3 56.0 柴原央 ク ビ 35.4 442( -6)
3着 (10) オルフェーヴル 牡3 56.0 池 添 1 1/4 33.2 450( -6)
4着 (9) ウインバリアシオン 牡3 56.0 福 永 1 1/4 33.6 514( +2)
5着 (12) メイショウナルト 牡3 56.0 1/2 34.8 456( +4)
  • オルフェーヴルをはじめとして、上位人気馬に後方で待機するタイプが多いメンバー構成。スタートしてすぐに先頭を奪ったのは、ローレルゲレイロの弟、リキサンマックス。グングンリードを奪って、向こう正面に入った2ハロン目で、すでに2番手メイショウナルトに6馬身ほどの差をつけて、マイペースの態勢を整えた。もの凄いダッシュを利かせての逃げ。手綱をしごいて柴原騎手が強引に行ったと見えるが、実際にはそれほど無理をした逃げではなかった。まず、最初の2ハロンだが23秒7。これはやや速いという程度。さらに1000m通過時点では60秒2という絶好のペースでの逃げ。人気薄だったとはいえ、これはあまりにも楽な逃げ脚。
  • この流れの中で、人気各馬はあくまで自分の競馬。1番人気ウインバリアシオンは、中団の外。ややゆったりしたペースで力が入った感じだが、前走と同じようにいつでも動ける位置を確保。オルフェーヴルは距離が延びて折り合いが心配されたが、今回はスムーズな道中。中団で待機。ウインバリアシオンを見ながら動くタイミングを計る作戦。そして、その後ろにトーセンラーが続き、コティリオンは一発狙いの最後方。3コーナーに向かっていってもほとんど隊列は動かず、互いに牽制をしあって三すくみ、四すくみ。リキサンマックスと馬群の差はこの時点で10馬身以上。これはいくら何でもさすがに危険。そう察したのは、デムーロ騎手だった。もともと、早めに動く傾向があるデムーロ騎手。残り1000mに差し掛かるとさすがにまずいと、すっと上昇開始。ウインバリアシオンらを外からかわしていくと、3、4番手、馬群の先頭まで上がる。この動き出しがトーセンラーの勝因の一つだったことは間違いないだろう。
  • ただ、リキサンマックスとの差は大きかった。その上、リキサンマックスは過度にためずに、4コーナーに向けてスパートを開始。うまく乗りすぎようとすると、角に慎重になってしまうと、この直線に向かう区間でも下手にため過ぎてしまう場合があるが、ここでいつも通りのスパート。並ばれての差し比べではなく、リードを保ち続けて逃げ切る作戦。これは正しい。残り600mでまだ後続の馬群とは10馬身以上の差がありながら、11秒台にペースアップ。かなりの余力を残してのスパートで、全く無理の無い仕掛け。一気に引き離し粘り込み狙う。ただ、ここで驚異的な脚を見せたのは、トーセンラー。残り400mでも6馬身近いビハインドだったが、グングン差をつめてゴール直前で遂に逆転。完全に勝ちパターンとなっていたリキサンマックスを下し、初重賞を手にした。
  • 見た目に非常に派手なレースだったが、逃げたリキサンマックスのペースはきわめて常識的。後方の馬たちが、動かなかったためにこの特異なラップとなった。その中で、デムーロ騎手の動き出しの判断は光る。ほぼ同タイムで上がったオルフェーヴル、ウインバリアシオンら人気馬との明暗を分けたのは、この中で4コーナーでは一番前にいたことだろう。いち早く前の位置からスパートできた。前走は、4コーナーで絶好の位置にいながら、手ごたえの割りに伸びず、3着と不本意な結果。今回は10キロ絞れてシャープになったか。前走は小回りで器用な脚が使えなかったところを見ると、広いコースで走るタイプなのだろう。しかも、この馬は、今回3ハロン33秒4という脚だったが、4ハロンで見るとかなり速い時計で上がっているはず。長い区間でのいい脚が使えるタイプで、距離が延びても控える競馬で結果を出せるタイプ。話は早いが、菊花賞(G1)など京都で行われる大レースでは目が離せないだろう。ともかく、話題の素質馬が一つ成長の階段を上った。
  • 3着オルフェーヴルは後方で我慢。教育的な意味もあったのだろうが、多少我慢しすぎたか。賞金加算ができなかったのは、残念だがこういう競馬に段々と慣れてくれば、それほど慌てる必要もなく、順番が回ってきそうだ。極限に近い上がりタイムで負けたのだから仕方が無い。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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