【中山記念】優勝:ヴィクトワールピサ

2011(平成23)年2月27日中山、G2・芝1800m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (9) ヴィクトワールピサ 牡4 58.0 デムー 1.46.0 33.9 512( 0)
2着 (3) キャプテントゥーレ 牡6 58.0 小牧太 2 1/2 34.9 452(-12)
3着 (4) リーチザクラウン 牡5 58.0 武 豊 ハ ナ 34.0 512( -6)
4着 (1) マルカボルト 牡4 56.0 ベリー 34.8 484(-12)
5着 (12) レッドシューター 牡6 57.0 横山典 1 1/2 35.2 538( -4)
  • 大本命のヴィクトワールピサ。スタートでは後ろに体重が掛かったタイミングでゲートが開いてしまい、やや後手。デムーロ騎手が追い上げようとするが、なかなか追いつけずに結局、腹を決めて中団後ろからの競馬となった。ここのところ、G1では前々の競馬で結果を出していたが、もともと昨年春の弥生賞、皐月賞と怒涛の切れ味で勝ちを重ねていた馬。今回、海外遠征を前にして、どのような騎乗をするか注目されたが、ある意味ハプニングによって後方策となってしまった。逃げたキャプテントゥーレは、気合いを付けられるといつものように小気味のいい逃げ…ではなく、今回はかなり慎重な逃げ脚。1000m通過は、60秒1とゆったりした流れ。反面、後半の4ハロンは11秒台が続くこととなる。この800mの時計は何と、45秒9とダントツに過去10回の中で速い時計。60秒1という数字以上に、このレースの道中は楽な流れだったゆえに、ここまでの「上がりの競馬」となったのだろう。展開面では、ヴィクトワールピサにとって、位置取りを考えると、決していいポジショニングではなかった。だが、デムーロ騎手は動かない。ほんの少し、1000m前で後方から位置取りを上げたものの、あくまで馬の気分のまま。有馬記念では積極的な騎乗でレースを動かしたが、今回はあくまでグランプリホースとしての絶対的自信を感じさせる、不動、不惑の競馬。これに馬もよく応えた。
  • 11秒台にラップが上がった3コーナー。外からやや上昇していくと、4コーナーでは先頭集団を圏内に。ただ、大外をぶん回しての追走だったのだが…。デムーロ騎手はこの馬なら、それさえもクリアすると信じていたのだろう。その期待に応えるように、直線ではこの馬らしい一瞬の切れで先頭に並ぶと、200m過ぎの坂下で粘るキャプテントゥーレを交わして後続を置き去り。最後は決定的と言える着差をつけて、文句の付けようがないレースぶりで完勝。世界再挑戦に向けて視界良好と言えるだろう。上がり競馬でも関係なし。とにかく地力が違う。各馬が伸びあぐね、先行馬が粘り込む流れで、ただ1頭、我関せずと大胆なコース取りでアッサリと勝ちきってしまった。昨秋の競馬ぶりとは違う内容。今回は、とにかく地力だけで勝ちきる競馬で、日本代表としての挑戦権を再度示すためのレースだったということか。昨年の海外遠征は深い欧州の馬場にフィットしなかっただけだろう。目先を変えればチャンスを見出せる舞台は他にもあるはず。
  • さて、奇しくも皐月賞馬によるワンツー。2着キャプテントゥーレは、パドックでは体重減の影響からかあまりいい雰囲気には見えなかったが、動きがシャープになったのだろうか…。スタート決めると今回は自身が勝った皐月賞時とは違い、また古馬になって得意としてきた一定のペースでの逃げとも違い、3コーナーの段階でスパートを積極的に仕掛ける逃げ。ヴィクトワールピサを意識して、リードを守りきろうとする意図が感じられる、「勝ちに行く」競馬。最後までよく抗ったが…。自分の形になると強い。3着リーチザクラウンは少しずつ、復活の気配を感じさせたが、今回は久々の1800mでなおかつ、ペースが極端に落ち着いてしまったため、後方でうるさいところを見せてしまった。個人的には、もっと前々でスムーズに運べればチャンスはあると思ったのだが、武豊騎手にしてみれば行きたがる馬を動かすわけにもいかず…。ヴィクトワールピサにかわされた時点で、後ろからこの馬が交わせるイメージはないだけに敗戦は濃厚となったが…。最後伸び切れないのは現時点での地力の差。競走成績が素質の高さの表現型とはならないのが、この馬の永遠の課題か…。ただ、3歳時に比べれば格段にレースぶりは安定。一方で、年齢を重ねる度に、比例して上積みも期待できなくなるのは確か…。トレードは正しかったのか…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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