【弥生賞】優勝:サダムパテック

2011(平成23)年3月6日中山、G2・芝2000m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (6) サダムパテック 牡3 56.0 岩 田 2.01.0 34.2 508(+10)
2着 (3) プレイ 牡3 56.0 松 岡 1/2 34.6 494( 0)
3着 (4) デボネア 牡3 56.0 佐藤哲 ハ ナ 34.1 534( +4)
4着 (11) ショウナンマイティ 牡3 56.0 浜 中 ク ビ 34.0 490(-10)
5着 (2) アッパーイースト 牡3 56.0 蛯 名 ハ ナ 34.8 496( -2)
  • 混戦のクラシック勢力図の中心に再び、この馬サダムパテック。鋭い決め手で復活。ただ、極端に長所が生きる展開で…。 (アサノ)
  • レースは、2番人気のターゲットマシンがゲート入りで暴れて若さを見せ、慌てさせたが、スタートは各馬まずまず。ただ1頭、ショウナンマイティがやや余所見をしてしまい僅かに出遅れるスタートとなった。先頭に立ったのは、アッパーイースト。ある程度前に行くと思われたプレイは無理せずに先団で控える競馬を選択。しかし、パドック、ゲート入りとずっと落ち着きがなかったターゲットマシンが外から飛ばして2コーナーまでに先頭に立つ勢い。田中騎手も機嫌を優先してか敢えて抑えることはしない。ただ、このペースが意外にスロー。むしろ、ペースが落ち着きすぎたがゆえに、先頭に行ってしまったというところか。1000mが61秒7。この超スローペースに中には力んでしまう馬も散見された。
  • さて、1番人気サダムパテックはというと、このペースで折り合いがどうかという不安もあったが、先団の外、5番手でやや手綱を引っ張りながらもキッチリと折り合って前を追走する。いつでも動ける好位置をキープ。一方、3番人気に推されたオールアズワンは、掛かり気味に後方から中団まで上昇。ペースに対応できない馬もいる中、何とか位置を確保したサダムパテックに成長力が感じられた。さて、こうなると典型的な切れ味比べ。スローで各馬、力を消耗することなく後半の上がり勝負。ラスト3ハロンは34秒台、そして4ハロンに広げても46秒台という高速の上がり勝負。ここで、サダムパテックが昨秋東京スポーツ杯2歳S(G3)で見せ付けた瞬発力が混戦に断。先団で4コーナーを回ると、前の馬の手ごたえ、後ろから迫るオールアズワンの勢いをジックリ見て坂下でスパート。坂の上でキッチリと前の馬を捕まえてゴール。
  • 道中の走り、そして最後の切れ味は立派。順調に成長している。着差はこういう展開だけに僅かとなったが、力の差は示した。ただ、皐月賞に向けてどうかというとなかなか難しいところもある。一つの理由は、あまりにも展開が極端なレースとなってしまったため評価が難しいレースとなったこと。純粋な切れ味勝負となったため、この馬におあつらえ向きの流れとなったのは確か。瞬発力という点ではやはり能力が高いが、それ以外のスタミナや、スピードが問われるような流れとなった場合にどうか…。一応、昨年の朝日杯FS以前の時点に時計の針を戻すことに成功はしたが、その間にナカヤマナイト、トーセンラー等数々の有力馬が出てきている。力の比較が困難なだけに、現時点では牝馬路線のように、「1強」という言い方は到底できない。もしかしたら、どういうレースでも勝っていたのかもしれないが、このレースだけでそこまで確言できない。有力馬の1頭という表現まで、だろう。血統的にはエリシオが入っており、奥が深い可能性もあるが…。
  • 2着プレイは相手なりに走る。毎回人気になりきれないが、アドマイヤムーンの半弟という良血。ロックオブジブラルタルという血統で、重厚感もありそう。とにかく、しぶとい馬。今回は先行馬にとって恵まれたペースだったが、この馬にとってはむしろもっと厳しい流れの方が、しぶとさという相対的アドバンテージを出すことができていたのではないか。勝ちに行ってのこの結果。今回は切れ負けしただけ。3着デボネアは、最内を突いてよく伸びたが…。京成杯(G3)に続いて最後の叩き合いで負けたという点はちょっと心配。この馬も、2着馬同様に極端な切れ味勝負では持ち味が出ないタイプだろう。もっと距離が延びて面白い。
  • さて、今回最も負けて強しの競馬をしたのは4着のショウナンマイティだろう。スタートではぼやーとして出遅れて最後方。ある程度後ろの位置で脚をためる作戦ではあっただろうが、これは後ろ過ぎ。だが、浜中騎手は慌てない。むしろ、切れ味を調べるためのちょうどいい機会ととらえたかのように、どっしりと最後方で腰を落ち着ける。4コーナー前では敢えて馬群の中に飛び込もうとするが、結局は外に出して直線だけの勝負に賭けた。敗因は展開とスタート。例年の流れならばおそらくこの馬が逆転していたのではないか。まだ不安定なところは否めないが、今年のメンバー構成なら本番に出られればチャンスがありそうだ。それだけに出走権は欲しかったところ…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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