【大阪杯】優勝:ヒルノダムール

2011(平成23)年4月3日阪神、G2・芝2000m、フルゲート16頭 晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (8) ヒルノダムール 牡4 57.0 藤田伸 レコー 34.4 474( -2)
2着 (13) ダークシャドウ 牡4 57.0 福 永 ハ ナ 33.9 492(-16)
3着 (15) エイシンフラッシュ 牡4 59.0 内田博 ク ビ 34.1 492(+4)
4着 (10) ダノンシャンティ 牡4 59.0 安藤勝 ク ビ 33.6 480( 0)
5着 (5) キャプテントゥーレ 牡6 58.0 小 牧 ク ビ 35.4 456( +4)
  • 逃げが予想されたキャプテントゥーレ。僅かに好スタートを決めるとそのまま先手を取る予定通りの展開。だが、この馬に突っかかったのは岩田騎手のトーホウアラン。長期休養明けで掛かった…というわけでもなさそうで、最初から先行策で勝ちに行く競馬を意識していたのだろう。小牧・岩田の元園田競馬コンビがレースを作ることに。キャプテントゥーレからすれば、終始直後でプレッシャーをかけられ厳しい展開。もっと楽に単騎で行きたかったはず。それでも、1000m通過は59秒3とG2レベルであればまずまずのペース。ワンペースで逃げ続けて後続を振り切る脚が持ち味のキャプテントゥーレにとっては、ここまでは計算通りだった。
  • さて、この流れの中で他の有力馬はというと、中団馬群の中にヒルノダムールが待機。エイシンフラッシュは後方で切れ味を活かす作戦。休み明けだけに、折り合いが心配されるところだったが、ペースがある程度一定で流れたこともあり、前に壁を作らずとも内田騎手、ガッチリ手綱を絞るだけでスムーズな追走。そして、その後ろにまたゲートの悪さを出してしまったドリームジャーニーが控える隊列。いずれもほぼ予想通りだった。
  • 後半に入るとキャプテントゥーレはさらに逃げ脚を伸ばしていく。タメをつくらない逃げで11秒台を刻み続けていく。だが、これは多少飛ばしすぎか。この馬の能力からすれば、このぐらいのペースは我慢できる範囲ではあったが、より確実に直線での脚を残すには、どこかで「タメ」を作りたいところだった。だが、終始トーホウアランに絡まれてしまい、自分でペースを落とすことが出来なかった…。もちろん、この馬は明確にブレーキを掛けて脚をためるというタイプではなく、今回のように一定の流れでも脚を温存できるタイプではあったが、何しろ後半に入って11秒台前半から中盤での推移。後半の時計の合計が58秒5と過去最速の時計。前半は平均より速い程度。これでは、さすがにこの馬でも厳しかっただろう。レコードタイムとなったのは何も時計が出る馬場だったというだけではなく、この馬が身を削って逃げ続けた結果。最後までよく粘ったが、坂で捕まってしまった。
  • さて、3コーナーでジワッとエイシンフラッシュが上昇。内回りの阪神コースで早めの仕掛け。ドリームジャーニーも同時に上がって行くが、ここでヒルノダムール藤田騎手はうまくロスなく内目を回って脚をためる。仕掛けのタイミングが難しい馬で、前走の京都記念(G2)では、4コーナーですでに先頭に近い位置。先に抜け出して押し切ろうとしたが、最後にトゥザグローリーに後ろから差された。その前の日経新春杯(G2)では、逆に先に抜けてしまったルーラーシップを最後まで差しきれなかった。だが、それらのレースはまだ力関係が明確でなく、またレースぶりも掴みきれなかった、新興勢力の2頭が相手だったもの。今回は、前行くキャプテントゥーレも、後ろから来るエイシンフラッシュもある程度力がわかっていたはずで、レースは運びやすかっただろう。藤田騎手、後ろからエイシンフラッシュが来る前に、そしてキャプテントゥーレを逃げ切られる前に、直線スパート。坂の途中でキャプテントゥーレをかわすと伏兵ダークシャドウの追撃を振り切って初めてのタイトルを手にした。
  • 安定感はあっても勝ち切れない馬。堅実に伸びるが爆発力はなく…。しかし、今回はレコード決着というスピード勝負でこの馬の良さが出た格好。この流れで比較的前目にいて脚をためられたのは大きい。後方で逆転を狙っていたエイシンフラッシュ、ダークシャドウ、ダノンシャンティもいい脚を使ったが…。結局はこの位置取りの差が勝因だろう。キャプテントゥーレの作ったペースは、逃げ馬にとっては厳しかったが、先行馬たちにとって極端なハイペースでもなかった。逆に11秒台が続き後ろの馬にとっては決して脚が活かせる展開ではなく、大きなくくりで言えば、「前が止まらない」ペース。これが中団前で終始立ち回ったヒルノダムールに味方した。展開のアヤはあったがいつ重賞を勝ってもおかしくなかった素質馬。大崩れは今後もないだろうが、以前としてG1で勝つにはもう一歩、何かが必要な気がする…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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