【桜花賞】優勝:マルセリーナ

2011(平成23)年4月10日阪神、G1・芝1600m、フルゲート18頭 晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (8) マルセリーナ 牝3 55.0 安藤勝 1.33.9 34.3 452( +4)
2着 (16) ホエールキャプチャ 牝3 55.0 池 添 3/4 34.3 454( -6)
3着 (17) トレンドハンター 牝3 55.0 岩 田 3/4 34.2 474( +2)
4着 (14) メデタシ 牝3 55.0 浜 中 1 1/4 34.8 420( -2)
5着 (1) フォーエバーマーク 牝3 55.0 吉田豊 1 1/4 36.0 488( -4)
  • 出れば大本命、無事に回って来られれば勝つと思われたレーヴディソールがまさかの直前での戦線離脱。各馬に一気にG1タイトルのチャンス与えられた、大混戦の桜花賞だったが、結果は人気上位馬の決着となった。半マイル通過が46秒7。平均よりちょっとだけ速い程度のペース。フォーエバーマークが1番枠を利して飛び出してペースを作る。1番人気のホエールキャプチャは、やや出が悪く後方の位置取り。外枠ということもあり、無理に追い上げずに末脚勝負を決め込む。ただ、こういう競馬もできる万能型。池添騎手も腹を決めて虎視眈々。2番人気のマルセリーナもまたスタートで隣の馬に当てられ後手。さらに他馬に被されてしまい馬群の後ろに入ってしまった。ほぼホエールキャプチャと同位置にまで下げざるを得ない苦しい位置取り。こちらはある意味では予定外だろう。一方、母子制覇を狙うダンスファンタジアは今までにない落ち着きをパドックから見せ、ここもスンナリと好位置を確保した。もう1頭のマツパク厩舎のトレンドハンターは後方で脚をためる競馬。これは予定通り。ただ、有力馬の多くが後方よりになるという意外な展開。
  • だが、結果的にはこれら後方にいた3頭がワン・ツー・スリーを占めることとなった。半マイルは46秒7−47秒2。先述のように46秒7という時計は、数字だけを見ればややハイペースと言えなくもない。しかも、0秒5しかペースは落ちていないとはいえ後半の方にペースダウンしている点からも、この見方は支持されうる。だが、この46秒7は、この数字だけで評価することは不十分だろう。勝ち時計の1分33秒9に占める前後半の時計の割合という観点から見てみると、それぞれ49.7%−50.3%となる。つまり、前後半はほぼ均一のペースで決してハイペースでもないと言えるだろう。こういうペースは、特定の脚質に見方するというペースではない。地力の差がそのまま出る、G1に相応しい展開。上位人気馬がそのまま上位を占めたという点からも、このことを示唆しているように思われる。
  • だが、一方で後方の馬が届いた要因として注目したいのは、残り600mからの11秒3の区間。直線に入った区間。0秒5の加速は珍しいことではないが、11秒8から11秒3というのは、タメが利かないままに直線前半、厳しい叩き合いが始まったことが見て取れる。ちなみにここの合計の23秒1は過去2番目に速い時計。一番速かったのは昨年のレースだが、昨年は前半が47秒5とスローだったことの反動だろう。今回はここで先行馬が一気に苦しくなり、相対的に後方待機の馬たちが温存していた脚を発揮する余地が生まれたと言えるのではないか。実際、最後の2ハロンは12秒台と今までにないペースの落ち方。前の馬が力尽きたことを示している。その意味では最後まで粘ったフォーエバーマークは誉めていいだろう。
  • さて、一気にチャンスが生まれた後方待機の馬。上位3頭は34秒2、3で上がり勝負を制したが、着順を分けたのはお分かりと思うがコース取りの差。後方から大外をぶん回したホエールキャプチャ、トレンドハンターに対して、インで待機して馬群の隙間を狙い若干仕掛けが遅れたものの、極端に外に出さずに済んだマルセリーナ。このコース取りの差は距離損の意味と、インの方が伸びる馬場だったという意味でも大きなアドバンテージだった。一気に突き抜けたマルセリーナが、最後まで押し切って桜花賞のタイトルを獲得した。
  • 勝ったマルセリーナ。安藤騎手は馬の力を誉めていたが、直線での安藤騎手の騎乗は秀逸。かなり窮屈なところもあったが、前の馬群の壁を掻い潜るように外へ転進。最後は外にいたラテアートを強引に跳ね飛ばして進路を確保。インに拘らず咄嗟にスペースを見つける嗅覚はさすがだった。2着ホエールキャプチャは最後僅かに差しきれず、コース取りの差だろう。今回は枠順に泣いた。評価を下げる必要は全くない。オークス(G1)では逆転の可能性十分。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
    競馬を楽しむためのメルマガ!!★名古屋で冠レース!!活字量たっぷり読み物メイン!解説、ニュース、提言、クイズ、登録馬紹介、新馬診断・物語、グルメ、豆知識、コラム、地方競馬観戦記!
    規約に同意して