【マイラーズC】優勝:シルポート

2011(平成23)年4月17日阪神、G2・芝1600m、フルゲート18頭 晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (17) シルポート 牡6 57.0 小 牧 1.32.3 34.3 496( -4)
2着 (7) クレバートウショウ 牡5 57.0 岩 田 1 3/4 33.9 500( -2)
3着 (11) ダノンヨーヨー 牡5 57.0 内田博 アタマ 33.4 514( +4)
4着 (18) アパパネ 牝4 56.0 蛯 名 1 1/4 33.2 490( -4)
5着 (10) ショウワモダン 牡7 59.0 横山典 ハ ナ 33.6 516( 0)
  • 伏兵、シルポートの逃げ切り。大方の評価では、人気薄での楽な逃げとなり、スローペースに恵まれての逃げ切りとなろうが、意外にそれほどに展開にだけ恵まれたわけでもない。前後半の半マイルの時計は46秒6−45秒7。確かに、前半の法が1秒近く遅く、その意味ではこのレース、「スロー」だったことは明らか。07年、コンゴウリキシオーが逃げ切り、レコード勝ち(当時)したレースと同タイムの前半の時計。ただ、両者に共通するのは、決して数字上は楽な時計ではないということだ。この46秒6というタイムは、過去10回で4番目に速く04年以降では最速タイ。実際、レースタイムも現在のレコードに僅か0秒3差の速い決着。むろん、年度ごとの馬場の差はあろうが、この時計で走りながら、後半で45秒台にまとめる能力はたいしたもの。コンゴウリキシオーも然り、ワンペースで流れに乗ると最後までスピードを緩めないこの馬のいいところが、大きな勝因だろう。
  • 特に光ったのは、直線に入っての10秒9へのギアチェンジ。決して、後続を待たずに自身の持つ時計能力を逆算して、その時計通りに走ろうとする小牧騎手の意志を感じた。ここで下手に「勝負」に拘ってしまい、慎重に乗ってしまう騎手であれば後続が来てからの追い出しとなっただろうが、それではここまで奪ったリードという貯金をみすみす減らすこととなってしまう。だが、シルポートはさらに加速。そこまであった4〜5馬身のリードをさらに広げると、決定的な差をつける。残り400m時点でのタイムは1分8秒9。勝ち時計は1分32秒3。シルポートがマークしたのは23秒4だが、それよりも6馬身ほど離れていたダノンヨーヨーら後続がこの残り2ハロンで逆転するために必要な上がりは、実に22秒4以上(6馬身1秒計算)。坂のあるコースではほぼ不可能な時計だろう。ましてや、これよりも後ろにいた馬たちは絶望的。力を下手に温存せず、出し惜しみせずに出し切った結果、残り2ハロンという勝負の佳境で後続が追いつくことが物理的に不可能なリードを奪った。この時点でシルポートの勝利は決定していたと言っていいだろう。小牧騎手のこういう騎乗は、裏目に出るときもあるが、勝つにしろ負けるにしろ、思い切りのいい乗り方をする騎手。素晴らしい。馬も長所を引き出された。さて、安田記念だがもともと東京でも好成績を挙げていた馬。心配はないだろうが、気候的にも荒れ馬場となりやすく、また今回の結果でマークも厳しくなることを考えるとまだわからない。
  • 2着クレバートウショウは、道中2番手。完全に展開を味方につけたが、やはり先行をさせると強い。前走はチグハグなレースだったが、スローとはいえ重賞のペースで無理なく対応できた。3着ダノンヨーヨーは1番人気を裏切ってしまった。スタートを決めると意外にも先団の一角。直線で仕掛けたもののシルポートとの差が開きすぎていた。33秒4とそれなりの上がりを見せたが、2着馬さえかわせないという結果。期待の大きさからすると、前走に続いての負けは…。いつも通りの位置取りでも勝つことは難しかったと思うが、新しい面を引き出すというのであれば、直線からのスパートに拘る必要もなかったのではないか。時計的には4コーナーで勝ち馬との差を詰めておかなければ逆転は不可能なレース。強気に行ってどうかも見たかったが…。
  • 4着アパパネは上位人気馬でただ1頭、収穫のあったレースだったのではないか。各馬が直線の脚比べでもがく中で、しぶとく33秒2の脚を使って追い込んだ。この時計は限界に近い。4着という結果は仕方がないが、あの位置では仕方がない。どういう競馬もできる馬だが、セールスポイントである「切れ味」を活かすのが当面、この馬の作戦となろう。それならば、一応次に繋がる結果。久々は3歳時の例から、あまり走らないのではないかと思っていたが、これだけの走りなら上々の復帰戦。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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