【宝塚記念】優勝:アーネストリー

2011(平成23)年6月26日阪神、G1・芝2200m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (2) アーネストリー 牡6 58.0 佐藤哲 レコード 35.1 534( -2)
2着 (8) ブエナビスタ 牝5 56.0 岩 田 1 1/2 34.5 472(+12)
3着 (4) エイシンフラッシュ 牡4 58.0 安藤勝 ハ ナ 34.7 494( +4)
4着 (9) ローズキングダム 牡4 58.0 ウィリ 1/2 35.1 466( +2)
5着 (3) ルーラーシップ 牡4 58.0 横山典 3 1/2 35.3 498( +2)
  • 逃げ馬が不明確で、予想の上でもどの馬が先手を取るか、非常に難しいところだったが、結局逃げたのはナムラクレセント。2番手にアーネストリーと一番枠の馬が内枠を生かして先手を取る流れとなった。ナムラクレセント、いつもは折り合いに苦労するが、今回和田騎手は下手に抑えずに自分のペースでラップを刻んでいく流れ。2、3ハロン目で実に10秒台を記録して、1000m通過は58秒台と2007年以来のハイペース。タメが利かない流れで先行馬には厳しい流れとなったはず。この流れで、人気を集めたブエナビスタは中団後方で控えるいつも通りの形。岩田騎手としてはもう少し前目を意識していたようだが、このペースで追いつくことが出来ず。ルーラーシップは、ゲートでアーネストリーと接触して後ろに。後方2番手という位置でホームストレッチ。エイシンフラッシュ、トゥザグローリーは揃って中団位置から前を見る形。人気馬は総じて後ろより。差し脚が決まるような、速い流れとなり各馬は仕掛けどころを探る道中となった。
  • 確かに展開的には各馬正して位置取りではあったが、誤算があるとすればアーネストリーの実力の評価が低すぎたということだろう。これはもちろん、結果論ではあるが…。1000m通過58秒台の流れを2番手で追走して、後半はタメが利かない12秒7〜11秒7の僅か1秒のレンジでしか変動しない、淀みのない流れ。通常なら、これで耐えられる馬はいないはず。馬場は湿っていたとはいえ、脚質に影響を与えるほどのものではなかった。この流れでアーネストリーは3〜4コーナーでジワッと上昇。4コーナー入り口では先頭に立つ強気の競馬。下手に待つのではなく、馬の手ごたえを信じて積極的な立ち回りをした佐藤騎手。力によほどの自信があったのだろう。昨年は1000m60秒ちょうどだったが、伸びきれず3着まで。今回は流れなど関係がなく、この馬の力を出し切るために強気の競馬を展開した。これに馬は応える。直線で先頭に立つと、外からブエナビスタらが追い上げるも最後まで押し切って念願のタイトルを獲得した。昨年は古馬G1で安定した活躍。落ち着いて見れば、昨年、古牡馬で限りなく首位に近い実力を示してきたのはこの馬だったが、前走の負けもあり人気は6番人気。一番強かったのは実はこの馬だったのだろう。それにしても、この流れで押し切るのは秀逸。レコード決着となったように、前半から厳しい流れ。小細工なしの勝ち方は圧巻。時計も文句なく無尽蔵のスタミナを感じさせる内容。次元が違ったとさえ言える結果だった。凱旋門賞(仏G1)は時計の掛かる馬場だけに、この馬の長所が消される可能性があり疑問だが、4歳世代ばかりをピックアップしてきた、競馬界の近視眼的な見方を変える必要があるだろう。この時計で押し切られては、勝つ方法がない。
  • さて、例年通り後半は淀みないペースとなったが、追い込み馬には乗り難しいペースともなった。全体としてはハイペースで後方待機とはいえ脚をためるポイントがなく、最後まで我慢し直線勝負に賭けるのが常道だろう。ここ2年での勝ちパターンとなっている「マクリ」を決めるには、あまりにも速すぎるペース。前の馬が止まるだろうことを勘案すると、後方で待機し続けるという作戦は間違いではなかった。これを採用したのは、ブエナビスタ。岩田騎手は4コーナーまでひたすらに我慢。この馬の切れ味を考えれば間違いでない作戦ではあるが、またも2着という結果となってしまった。まず敗因としては上がりの時計が出せる環境になかったこと。前走も同様だが、各馬が脚をなし崩し的に使わされる展開。脚をためきれないままに直線にむくことになってしまい最速の上がりとはいえ、34秒台がやっと。追い込み一手では、有馬記念、ヴィクトリアマイルと同様だが前に強い馬がいるとどうしても届かない。今回のアーネストリーは計算外だったかもしれないが…。それでも速く動くわけにもいかなかっただろう。脚がなくなる危険がある。また、以前のように先行策を…という意見もあるだろうが、行き脚が一息であること、そして仮に今回前にいたとしても、この流れではさすがに厳しかったのではないだろうか。勝ち切れない競馬が続きそうだ…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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