【七夕賞】優勝:イタリアンレッド

2011(平成23)年7月10日中山、G3・芝2000m、フルゲート16頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (15) イタリアンレッド 牝5 52.0 中 舘 2.00.5 34.9 474( -6)
2着 (10) タッチミーノット 牡5 55.0 三 浦 ク ビ 34.8 492( -8)
3着 (2) アニメイトバイオ 牝4 55.0 後藤浩 1 3/4 35.1 476( -8)
4着 (13) シャドウゲイト 牡9 58.0 田中勝 3/4 35.7 506( 0)
5着 (12) ドモナラズ 牡6 53.0 柴田大 ク ビ 35.1 472( 0)
  • 宝塚記念(G1)を回避し、さらに斤量面では58.5kgという「厚遇」を受けたキャプテントゥーレ。もはや勝ち方の問題かと思われたが、結局前走と異なり、逃げずに先行待機。4コーナーで手ごたえがなくなり、12着というG1を除けば最大の惨敗となってしまった。一般に、控えて競馬ができるというのは、一種の競走馬としての正攻法で戦えるという点で、優秀な競走馬の能力指標として持ち出せることがある。確かに逃げなくてはならないというタイプは、気性面での不安がある馬も多く、いわゆる先行して味のあるレースができるということは、「精神面」での成熟度を示しているとも考えられ、この意味で評価指標として間違ってはいないと思う。だが、先行することがあたかも、現代競馬で活躍するための第一条件となっているかのような風潮には反対である。一時のブエナビスタ然り、ウオッカ然り、確かに先行して結果を出したが、彼女たちにとってそれがレースで戦うための最適解だったわけではない。その状況状況での一つの作戦に過ぎなかったはずである。
  • さて、今回のキャプテントゥーレ、結果的には、小牧騎手の言い方は悪いが「慢心」が原因だろう。確かにこの馬は逃げても、そして控えてもレースが出来る万能型の先行馬。また控えることで一般的には逃げに比べて「体力を温存」できるという利点がある。だが、控えた場合のリスクとして「自分ではペースが作れない」という点があることを、もっと意識すべきだったのではないか。キャプテントゥーレは自分でペースを作り、いわばシナリオを自分で書いて演じる主演俳優タイプ。慎重になってしまったあまり、この馬の良さが出ない競馬という舞台に乗っかることとなってしまった。小牧騎手の持ち味である、思い切りのいい競馬が見られず、本当に残念だった。
  • レースはキャプテントゥーレの代わりに先頭に立った、エーシンジーラインが引っ張る隊列。最内枠で強引にハナを主張して、キャプテントゥーレが行きにくいようにしたのもうまかった。キャプテントゥーレは2番手で周回。そのすぐそばに、シャドウゲイト。1000m通過はなんと、61秒台とスローペースで進むこととなった。これは先行馬にとっては、絶好のペース…となるはずだったが、結果的には前にいた馬たちは1番人気を含めて総崩れ。中団で控えていた馬たちが台頭する展開となった。原因は二つあるだろう。一つは後半のペース。前後半1000mのタイムは、61秒4−59秒1。2秒以上も後半が速い。この意味では上がりの競馬となって前の馬有利と解釈できようが、問題は5ハロン経過した直後から一気にペースが上がったことであろう。13秒2から1秒2も加速して12秒フラットで後半に入り、その後もペースは全く落ちなかった。これでは、先行馬はいくら前半に貯金があったとしても、最後まで脚を維持するだけのタメができずに厳しい展開だった。長くいい脚どころではない、かなりタフな脚が認められる展開。4コーナーでは先行各馬は押せ押せとなってしまっていた。もう一点は、馬場だろう。急遽の夏開催で秋に向けて馬場を維持管理することもあり、今開催はずっとCコースでの競馬。同じコースを使ったことで、ラチ沿いの馬場の消耗が蓄積されてしまった。そのためか、最終週は特にインよりも外が伸びる場面が多く見られた。
  • これを生かしたのが、結果的にはイタリアンレッド。中団から直線で外目を回って一気の伸び。先に抜けていたシャドウゲイトをかわして完勝。夏は牝馬…。改めて思い知らされた快勝劇となった。52kgという軽量も勝因だろうが、やはり大きいのは展開。後ろ過ぎず、前過ぎずちょうどいいところに位置取り(陣営の指示でもあったようだが…)直線でバテた先行馬を捕まえた。前半が超スローだっただけに、極端には先行馬にとって厳しくはないだけに、これより後ろでも捕まえられなかっただろう。34秒台の脚で逆転できるベストの位置だった。小回りでもいい脚が使えるタイプで、今年のサマーシリーズ、もし継続参戦するのであれば面白い存在かもしれない。短距離ではなくサマー2000シリーズで牝馬の活躍が見られそうだ。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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