【クイーンS】優勝:アヴェンチュラ

2011(平成23)年8月14日札幌、G3・芝1800m、フルゲート14頭、小雨・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (9) アヴェンチュラ 牝3 52.0 池 添 1.46.6 35.5 486( -4)
2着 (14) コスモネモシン 牝4 55.0 丹 内 ク ビ 34.8 460( +6)
3着 (4) アニメイトバイオ 牝4 55.0 蛯 名 35.6 470( -6)
4着 (6) ブロードストリート 牝5 55.0 藤田伸 アタマ 35.3 436(-14)
5着 (11) ショウリュウムーン 牝4 55.0 岩 田 ハ ナ 35.5 468( +8)
  • 前半が58秒台とこのレースの歴史では珍しいハイペース。カウアイレーンが気分良く行っていたが、ここまで速いペースで引っ張っていたとは…。小雨が降っていた湿った馬場でこの時計なのだから、基本的には前の馬はタフなペースに付き合されてしまった。先行したブライティアパルス、アプリコットフィズらは実力はともかく、軒並み二桁着順に沈んでしまった。さて、一番人気のレディアルバローザは比較的前の位置取り。想定通りに先団のやや後ろの最内を進んでいく。福永騎手のレースプラン通りの戦いは道中までできていたはず。だが、直線に入ると伸びかけたところで脚が完全に止まってしまい、外から後方待機馬の台頭を許してしまった。まず敗因はこのペースだろう。馬場も合わなかったのではないか。本来はスピードを生かせるパンパンの馬場がいいタイプ。また初経験となった洋芝もその意味ではフィットしなかった。前走のヴィクトリアマイル(G1)では、二強の間隙を突く形ではあったが、ハイペースにも関わらず先団で見事に粘った。距離が今回は1ハロン伸びたことも影響したか。結果としては、かつてのように中団あたりで控える競馬をしていれば…。見せ場は作れたのではないか。前走の好走がかえって…。
  • さて、勝ったアヴェンチュラは前走に続く勝ちきる競馬で成長を示した。道中は先団の後ろ、レディアルバローザを見る形。3コーナーを回って、ジワッと上昇していく。池添騎手のこの判断はやや早仕掛け。この後ろで待機していたアニメイトバイオなどの各馬はまだギリギリ、残り400mまでスパートを我慢。4コーナーではややずぶい感じで反応が鈍く、差を詰めきれないまま。池添騎手が敢えて強気に誘導したという側面もあろうが、アヴェンチュラが加速したのは結局直線から。残り600mから3ハロン連続で12秒台という02年以来の時計のかかるラストとなった。これは前半のペースの反動であろう。ただ、この湿った洋芝というコンディション。ハイペースで単純に切れる馬が上位というレースとはならず、この出せる時計に限界のある条件の中で、タフな末脚が求められるレースとなった。直線ではアヴェンチュラが勇躍。外からコスモネモシンも伸びて来るが、押さえ切って兄姉に続く重賞ウイナーとなった。
  • 3歳時はまだ競馬の作戦が定まらず、また最後に勝ちきれないところも見せたが地力強化。前走と同様ここもあっさりと勝ちきる競馬。姉に似たクビの高いフォーム。このレース、3歳馬は斤量面の恩恵もあり、評価が難しいところだが(アプリコットフィズのように…)タフな流れで地力を伴った末脚が必要な展開を制したのは評価していいだろう。多少時計が掛かるようなレースがいいタイプ。その意味では軽快な瞬発力が求められる秋華賞(G1)はベストとも思えないが…。クラシックシーズンを越えた途端に力を失っていった兄・姉とは違う成長曲線をこの馬は描きそうで、その意味では楽しみは大きい。
  • 2着コスモネモシンは、10番人気と低評価だったが、春は牝馬重賞で上位に来ていた馬。乗り方が難しいが、今回は馬群からかなり離れた後方位置でガッチリと控える作戦。展開にもはまった。中山牝馬S(G3)では阪神の長い直線で仕掛けを急いでしまい、最後後ろからレディアルバローザに差しきられた。その次の福島牝馬S(G3)では、前々の位置取りで新潟の長い直線を乗り切ろうとしたが、フミノイマージンの切れ味に完敗した。どうにも勝ち切れないタイプではあるが、ベストはやはりこの距離、そして小回りだろう。中山でのフェアリーS(G3)、フラワーカップ(G3)のレースぶりからもコーナーを回りながら、加速力で勝負するタイプ。いい競馬ができた。ただ、それでも相変わらず自身以上の切れモノがいると…。切れ味のある牝馬動詞の戦いで勝ちきるには、もう一つ何かが欲しい。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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