【神戸新聞杯】優勝:オルフェーヴル

2011(平成23)年9月25日阪神、G2・芝2400m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (7) オルフェーヴル 牡3 56.0 池 添 2.28.3 32.8 460( +16)
2着 (5) ウインバリアシオン 牡3 56.0 安藤勝 2 1/2 33.2 514( +18)
3着 (11) フレールジャック 牡3 56.0 福 永 2 1/2 33.3 442( +6)
4着 (3) スマートロビン 牡3 56.0 小 牧 1/2 34.5 522( 0)
5着 (6) ショウナンマイティ 牡3 56.0 武 豊 1/2 33.5 482( -8)
  • 文句なし。トライアルでこれほど本番の馬券が見えてしまったレースも珍しいだろう。ディープインパクトの時よりも、3冠達成に対する確信を抱かせるレース内容・結果だった。逃げたのはスマートロビン。前走見せた長距離での先行策という新たな作戦で、春、ファンを失望させた時とは違う、「上がり馬」としてクラシック路線に再び挑むレースとなった。オルフェーヴルは、この流れで4、5番手といつもよりも前目の位置取り。それでも、この馬の行く気に任せた結果であり決して無理な位置取りでなかった。同型のウインバリアシオン、ショウナンマイティ、フレールジャックらは、これより後ろという位置取り。これで既に大勢が決まってしまったと言っていいだろう。
  • なぜならば、ペースが落ち着きすぎたためである。スマートロビンが半ば仕方なく先頭に立つと、逃げたペースはなんと63秒5で1000mを通過する超がつくスローペース。この距離なってもちろん一番遅いタイム。実は、昨年も63秒台ではあったが、それに輪をかけて今年はスロー。ちょうどレースの中盤にあたる5ハロン、6ハロン目には13秒台を記録するが、中盤以降で13秒台が出たのはこのレースで初めて。異例とも言える極端なスローペースとなった。つまり、このペースであれば当然のことながら瞬発力と位置取りが問われる、前有利の上がり勝負となることは明白。それにもかかわらず、有力馬はオルフェーヴルよりも後ろ。上がりの決め手を武器に春2冠を制したオルフェーヴルに、この展開で前を許してしまっては、もうどうしようもないだろう。言い方は悪いが、各馬もしかしたら本番の切符を狙っていたのかもしれないが…。
  • さて、この流れで先団の後ろで追走すると直線でオルフェーヴルが持ったまま先頭に並びかけていった。ウインバリアシオンも必死で食らいついていくが、残り400mでゴーサインが出た途端、オルフェーヴルのエンジンが掛かった。春よりもパワーを増した加速。一瞬でライバルたちを、その他大勢にしてしまい舞台の圏外から引きずり下ろすと、主役の自身は堂々たる3冠宣言のゴール。この極限の切れ味が求められる展開で32秒8という数字はさすが。道中の挙動含めて早くも完成期に入ってきたのではないか。
  • もはや同世代に敵はいないだろう。逆転候補だったダービー2着のウインバリアシオン、そして新星の代表格、唯一の夏競馬から出たライバル候補のフレールジャックに対して全く寄せ付けない競馬。性能が違う。直線では内にささるように走っていたが、春の当時を思えば随分と大人になった。道中も問題なく精神的にも成長。血統的にも菊花賞馬を母父に持ち、グランプリホースを兄に持つ以上、こなせないわけはない。限りなく3冠馬のタイトルに近づいた一戦と言えるのではないだろうか。早く古馬、世界との戦いに出るべき馬なのかもしれない。少なくとも、この時点での安定感という意味ではオルフェーヴルの方がディープインパクトよりも上である気がする。
  • 2着ウインバリアシオンも上がりの勝負は望むところだが、相手が悪かった。ダービーでの差は残念ながら縮まっていない。33秒台の脚でこちらも抗戦したが…。18キロ増えた馬体は成長分だろう。この馬は追い込み専業になっていいところが出ている。だが、今の競馬を続けていても逆転は難しいだろう…。生まれた時代が悪かった。3着フレールジャックは、このレースの結果に違う意味を見出せる数少ない馬。道中は掛かり気味だったが、前走見せた末脚をここでも見せてくれた。33秒3の切れ味はさすが。距離自体は問題ない範囲なのだろう。ただ、気性面を考えればもっと短い方がいいだろう。切れ味もマイルぐらいでもっと活かせるはずだ。素質の高さを確認できた上、春の有力馬と互角に戦えたことはクラシック戦線に間に合わなかった、この馬にとっては大きな収穫だった。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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