【毎日王冠】優勝:ダークシャドウ

2011(平成23)年10月9日東京、G2・芝1800m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (8) ダークシャドウ 牡4 57.0 福 永 1.46.7 32.7 506( -2)
2着 (7) リアルインパクト 牡3 57.0 岩 田 ク ビ 33.2 508(+14)
3着 (10) ミッキードリーム 牡4 57.0 和田竜 ク ビ 32.9 478( -2)
4着 (1) エイシンアポロン 牡4 57.0 田 辺 アタマ 33.2 504( +2)
5着 (5) セイクリッドバレー 牡5 57.0 丸 山 3/4 32.8 494( +4)
  • ゲートが開くとダークシャドウはやや立ち遅れ。誰もが不安に思っただろう、その中で、福永騎手は落ち着いていた。前回とは違い「出たなり」での競馬を最初から意識。どういう競馬でも勝てるという自信があったのだろう。府中では負け知らず。4歳世代の一角として結果が求められる一戦だったが、鞍上は慌てなかった。それにしても、展開を考えれば位置取りはあまりいいとは言えないポジショニングだった。約束された単騎逃げのシルポートの刻んだペースは、過去10回で2番目に遅いペース。しかし、良馬場では最も遅いラップ。1000m通過はこの馬場にもかかわらず61秒1。これで後方の位置取りでは、33秒台の切れ味を持つダークシャドウにしても、決していいとは言えないペース。さらには、4コーナーまでのつまり1200m通過時点でのタイムは、73秒1と過去10年と最も遅いタイムに。直線だけの上がり勝負となった。後方集団で脚をためていたダークシャドウ。僚馬リアルインパクトがすんなりと先団位置からレースを進められたのとは対照的な位置取りで果たして差しきれるのかと思われたが…。
  • だが、この馬の地力はやはり違った。3コーナー回り、4コーナーでもまだ動かず。福永騎手は直線だけの瞬発力勝負と腹を決めて最後の勝負へ。しかし、まず直線入って外から和田騎手の駆ったミッキードリームがフェアプレイの範囲内でうまく進路をインに切れ込み、ダークシャドウを内の馬群の壁に閉じ込めてしまう。ここで一旦、ダークシャドウはブレーキを掛けざるを得なくなる。福永騎手は何とか態勢を立て直して、壁となったアクシオンの後ろから再度その外を突いた。だが、この時点で残り200m。前も止まらない展開で先頭のリアルインパクトとは4、5馬身のビハインド。だが、ここからが凄い。残り1000mを切って今までの鬱憤を晴らすかのように加速してゴール前で差しきった。
  • 福永騎手がたまにしてしまう「チグハグ」なレースで脚を余して負けてしまうと思われたが、馬の力が全く違った。前走は先行していい脚を使う正攻法。一方で今回は結果的には厳しい展開、コース取りを乗り越えての勝利。いい経験になった。ファンからすればヒヤヒヤものだろうが…。それにしても、一瞬の切れ味というのは恐ろしいものがある。32秒7の脚を繰り出したが、それでもちゃんと走ったのは残り100mちょっと。これで5戦5勝の府中の長い直線で600mの間加速できていれば、どれだけの脚が使えていたか。逆に物理的に脚に何かアクシデントが起きないか心配にすらなってしまう爆発力を秘める。間違いなくクラシックには乗らなかったが最強世代のトップ格の一角となった。次走はベストの舞台での大一番。驚異的なスピード能力を持つアーネストリーを差し切れるか、あるいはブエナビスタとの切れ味の軍配はどちらに上がるか。非常に楽しみなレースの見所が天皇賞・秋に加わった。自在性のあるタイプでどういう競馬もできる馬。次回は正攻法でいい位置からこの脚を使うのであれば、この馬に勝てる馬はそうはいないのではないか…。
  • 2着リアルインパクトは、ディープインパクト産駒に多いマイラータイプとも思われたが、今回中距離も克服。とはいえ、ペースがスローでスタミナを必要としない展開となったのも確か。やや仕掛けが早かったと岩田騎手は悔いたが、最後は勝ち馬の切れ味が上回っていた。まだ中距離での評価は個人的には保留したいが、味のある競馬をこの距離で出来たこと自体は収穫だろう。3着ミッキードリームはやや残念。スタートで想定していたより後ろとなってしまった。中団からのレースというより、今回は馬場、展開、本命馬の脚質を考えれば先団で競馬をして欲しかったのだが…。直線ではいい脚で伸びたが、どちらかというと前々で押し切る競馬を期待していた。和田騎手はさすがによく追っていたが、2着はあったと思うのだが…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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