【秋華賞】優勝:アヴェンチュラ

2011(平成23)年10月16日京都、G1・芝2000m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (4) アヴェンチュラ 牝3 55.0 岩 田 1.58.2 34.9 482( -4)
2着 (1) キョウワジャンヌ 牝3 55.0 飯 田 1 1/4 34.8 468( -2)
3着 (12) ホエールキャプチャ 牝3 55.0 池 添 1 1/4 34.7 460( +2)
4着 (13) アカンサス 牝3 55.0 横山典 1/2 34.2 436( +2)
5着 (2) リヴァーレ 牝3 55.0 江田照 ク ビ 34.8 454( -6)
  • 予想通り、レースを引っ張ったのはメモリアルイヤー。記念受験的な出走のこの短距離馬が「テレビ馬」という言葉を思い出させる強烈な逃げ脚で大きく後続を引き離していった。各馬、これを見て控える競馬。無理をせずに馬群を形成して人気のホエールキャプチャは、前走に続いてゲートを無難に出て先団の後ろで待機。5、6番手の外という理想的なポジションを確保した。一方、2番人気のアヴェンチュラはややスタート後に行きたがるところを見せたが、何とか宥めてその前の内ラチ沿いを追走。前にこちらも逃げ馬同様に短距離馬で、マイルまでしか距離経験がない、ゼフィランサスの直後3番手を進んだ。3番人気の桜花賞馬マルセリーナは大外枠で馬を壁にしたい同馬にとっては厳しいレースが予想されたが、福永騎手が下げて後方2、3番手。脚をためる作戦をとった。
  • さて、メモリアルイヤーは向こう正面に入っても飛ばしていって2番手のゼフィランサスに6馬身ほどのリードをつけたまま後半の1000mへ。しかし、ここでの時計は意外にも58秒台。実は、このレースはここ3年全て58秒台。つまり、見た目ほどにはガリガリのハイペースではなかった。いや、今の京都の馬場であれば、やや重であろうとも時計が出る状態であり、この数字はもっと実際には緩いものとして評価すべきだろう。この馬から1秒ほどのビハインドで追走していたアヴェンチュラ以下は、大体59秒台の1000m通過と考えていい。つまりは、それほどハイペースではなく、平均ペースの範疇に入るラップだったと言えるだろう。
  • 残り600mでもメモリアルイヤーは後続を4、5馬身は離し、直線に向かう直前の残り400m地点でもまだ3馬身ほどのリード。後続はこの直線に向く地点でも例年に比べて楽なペースだったと言えるだろう。つまりは、大きなくくりでは前が残るペースとなっていた。その意味では、1番人気と2番人気の2頭の差は位置取りの差ということも言えなくもない。この直線に入るところで、2番手のアヴェンチュラはジワッと先頭に並びかけようというところ。メモリアルイヤーが思いのほか頑張ってくれたおかげで、早くもなく遅くもない、いいタイミングで動くことができた。一方で、ホエールキャプチャはコーナリングをしながらもまだ前との差は縮めないであくまで直線勝負となった。4コーナー回って、この2頭には3馬身ほどの差。どちらも同じく脚をためていたため、直線での勝負はこの位置取りの差が大きく影響した。まずアヴェンチュラがスッと抜け出すとキョウワジャンヌも追撃。ホエールキャプチャは外目を行くがなかなか差はつまらない。結局、そのまま位置関係は変わらずにアヴェンチュラが戴冠。
  • 出入りが激しいこの世代の牝馬。故障して遅れてきた同馬は、春のクラシックに乗り遅れ夏から復帰。準オープンで圧倒的な強さを見せるとクイーンS(G3)でも地力の差で勝ち切った。岩田騎手のイメージはホエールキャプチャより前々で押し切るというものだったが、これが奏功。地力を発揮して押し切った。もちろん、上記で説明したように展開も味方したが終始主導権を握っての勝利。今年のこの世代の牝馬には差し馬多く、こういう正攻法での競馬ができる馬がいなかったが、本格派のエースの登場といえるかもしれない。当然距離が伸びても血統的な背景を考えても問題ないだろう。仮にエリザベス女王杯(G1)に挑むとしても、コースは合いそうだ。
  • 2着キョウワジャンヌはうまく立ち回った。前々の位置取り。距離は1800mまでしか経験がなく未知だったが、この強気の競馬に馬がよく応えた。ただ、勝ち馬との差は、永遠に等しく、もっと距離があっても詰められなかっただろう。ただ距離適性の面では収穫は大きい。3着ホエールキャプチャは結果的に中途半端なレースとなってしまった。控えていれば、確かに切れる馬だろうが、今日の展開でこのコースでは届かなかっただろう。前に行ったのは正しい。ただ、もっと勝ち馬との差を縮める努力が直線までに欲しかったところだ。ただ、最後脚色一緒になったあたり、前走の競馬同様にあるいは脚をためてこそ瞬発力を発揮できるタイプなのかもしれない…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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