【天皇賞・秋】優勝:トーセンジョーダン

2011(平成23)年10月30日東京、G1・芝2000m、フルゲート18頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (12) トーセンジョーダン 牡5 58.0 ピンナ レコード 34.2 478( -8)
2着 (7) ダークシャドウ 牡4 58.0 ベリー 1/2 34.7 508( +2)
3着 (8) ペルーサ 牡4 58.0 横山典 1/2 33.9 520(+14)
4着 (5) ブエナビスタ 牝5 56.0 岩 田 3/4 34.7 462(-10)
5着 (17) トゥザグローリー 牡4 58.0 福 永 1 3/4 35.0 528( +2)
  • まずは何よりこのタイム。1分56秒1というレコードタイムでの決着。不滅に近いと思われたウオッカのレコードがこんなにすぐに破られるとは…。あの年は芝が絶好で時計が出る馬場。しかし、今年はそこまで極端な馬場ではなかった。このレコード、やはり前半の56秒5という驚異的な通過タイムが原因だろう。最内枠から発走のシルポートが飛ばすことはある程度予想はできたが、ここまで極端な流れになるとは予想外。タメ逃げしてもいいことはないので、この作戦自体は間違いではないが、何分にもオーバーペース。さて、この異例のペースで人気各馬はやや前掛かり。前がとまらないことを意識したか。ただ、作戦というよりもスタートが思いのほか決まってしまった、エイシンフラッシュ、ローズキングダムは馬の出たなりの結果だろう。先団の一角で待機。後者はやや気負ったところを見せての追走。1番人気のブエナビスタはこの2頭の後ろで先団の馬群の中。追い込み一手ではなく、久々に前目での追走。届かない競馬ではなく、勝ちきる競馬を志向した結果だろう。ダークシャドウは、この先団を見る形で中団。脚をためる。アーネストリーは大外枠でどうしようもなかったが、スタートから行き脚をつけて先団へ。ただ、ここで脚を使ってしまった。
  • さて、1000m通過が56秒台。ハイペースで追い込みが利く流れとなった。後半の1000mは59秒6と過去10回で3番目に遅い流れ。例年のように、直線に入ってからのペースアップということもなく、後半はほとんど変わらないペースで進む持久戦の様相。こうなれば、まずはスタミナが必要な流れ。先行馬にとっては厳しい流れとなった。先行した各馬、エイシンフラッシュや、ローズキングダムといった馬たちは、スタミナはあるものの、たださえ追い込み脚質であることもあり苦戦。エイシンフラッシュは手ごたえ良く直線半ばまで手綱を持ったままの余裕を見せていたが、スパートを仕掛けるとやはり脚が全くのこっていなかった。道中で脚を奪われてしまったのだろう。アーネストリーもスタートでいつも通りロスなく先手が取れていれば耐えられるだけの地力はあるが、今回は前半で大分体力をロスしてしまい、早々に圏外。ブエナビスタはこういうペースでも対応できる力はあるが、インで進路をなくしてしまった。結局、直線の攻防になると、後ろに控えていた馬たちの出番。直線半ばで先頭に立ったエイシンフラッシュをかわしてダークシャドウが力強く抜けようとするが、さらに外から中団後ろに控えていたトーセンジョーダン。さらに外から後方一気を狙っていたペルーサが急襲。トーセンジョーダンがダークシャドウとの叩き合いを制して初めてのG1タイトルを獲得した。
  • 今まで正直本でいいところを見せられていなかったピンナ騎手だったが、このペースで中団の後ろに待機。これがうまくはまった。長距離もこなせるスタミナが生きる流れ。最後までしぶとく伸びた。札幌記念(G2)では帰厩僅かに10日での出走ながら、そしてレースでも苦しんだものの最後は力で捻じ伏せる競馬。消す理由もないが、このメンバーで積極的に買う理由もなく7番人気で単勝33倍の低評価に甘んじていたが…。こういう早い決着で対応できるイメージはなかったのだが奥の深さを見せてレコードホルダーに。ただ、レース全体の時計がどうこうと言うより、後半で極端な脚が使えるタイプではなく今回、時計が掛かる後半となったことでこの馬にチャンスが出たとも言えよう。ヨーイドンの流れでは厳しいだろうが、今後も長い距離で持久力戦になれば通用するはず。池江厩舎にまたグランプリに向けて有力馬が出てきた。ピンナ騎手、今回の勝利が国内外含めて初のG1。短期免許最終日。ようやくタイトルを手に出来た。
  • 2着ダークシャドウはベリー騎手がこちらも完璧な騎乗だったが、直線で一瞬だけ前が壁になってしまい、外に出すのに時間とロス。先に勝ち馬に行かれてしまい交わしきれなかったが…。ただ今回はゲートも問題なし。東京コースはどんな展開でも堅実。スピード能力が生きた。さらに距離が伸びていいとは思えないが、悪いとも思えない。どういうレースができるか見てみたい。それにしてもベリー騎手は相変わらず追える。東京では信頼度が高い騎手。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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