【阪神大賞典】優勝:ギュスターヴクライ

2012(平成24)年3月18日阪神、G2・芝3000m、フルゲート16頭、曇・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (1) ギュスターヴクライ 牡4 55.0 福 永 3.11.8 37.1 498( +6)
2着 (12) オルフェーヴル 牡4 57.0 池 添 1/2 36.7 462( 0)
3着 (6) ナムラクレセント 牡7 57.0 和田竜 2 1/2 37.8 502(-10)
4着 (2) ヒルノダムール 牡5 58.0 藤田伸 1 1/4 37.7 478( -4)
5着 (4) ジャガーメイル 牡8 57.0 四 位 2 1/2 38.2 480( -4)
  • 何はともあれ、オルフェーヴルだろう。スタート直後は出たなり。中団の後ろで下げ悠々と後方から動くタイミングを図るはずだったのだが。しかし、早くもペースが落ち着くと外からオルフェーヴルが力んでしまい先団の外に向かっていく。ちなみに、最初の3ハロンは38秒9とかなり遅い時計。玉砕覚悟の逃げを打つ馬がおらず、各馬がにらみ合いながらのレースとなったためのこのテンからのスローという異例の展開。とりあえず、リッカロイヤルが先頭を取るものの1周目の3コーナーにかけてペースはさらに遅くなる。ここでオルフェーヴル以上に我慢ができなかったのが、ナムラクレセント。中団の後ろにいたが、この馬も折り合いに課題を抱え続ける馬。4コーナー回ると和田騎手は無理に抑えずに一気に先頭へ。ナムラクレセントはホームストレッチで後続に4馬身ほどのリードを奪う逃げの態勢。しかし、時計は1000m通過が64秒台と例年並み、あるいはスローと言っていい流れ。
  • スタンドで大歓声を受ける各馬。オルフェーヴルは何とか池添騎手がなだめようとするものの、外枠ということもあり壁を作れないまま手綱を引き続けて何とか制御。しかし、このペースで最早無理になだめることはプラスにならないと考えたか池添騎手は徐々に手綱を緩めて行き、1コーナーではエンジンに火が点く。ナムラクレセントに並びかけて、まさかの先頭争いへ。この時点では、勝つには勝つだろうが何とも不細工な競馬だ…ぐらいとか思っていなかったが…。ナムラクレセントと馬体を離すように数馬身の間隔を空けて外を走っていくオルフェーヴル。向こう正面でグングン加速して、3馬身ほどのリードを奪う単独行となり、そして問題の3コーナーへ…。ここで、突如手綱を引いた池添騎手。急減速してしまい、故障かと思わせるほどの後退。最後方までポジションを下げ、競走中止と思ったが、ここから何とかレースに再び加わっていった。こんな馬は初めてだろう。少なくともG2、それも阪神大賞典ほどの重要なレースでは…。事実としては、外を回していたオルフェーヴルを3コーナーを曲がるように池添騎手が手綱で指示をしたものの、オルフェーヴルが力んでしまい、逸走するように外に行ってしまったというところだろう。ともかく、誰もがこれで勝負圏外と思っただろう。
  • しかし、ここからまた再加速。ここで無理をさせてしまった是非はあろうが、ともかく馬券的な立場を考えれば、走れる限りは勝負するのが義務でもある。池添騎手、4コーナーに向けて一気のペースアップ。馬体への負担は気になるがみるみる差を詰めて4コーナーでは先団の外。無理な脚を使ったが、まだ脚色は十分。ジャガーメイルの外から先頭を奪う勢い。ここまできたら、この前代未聞の失態を伝説的なエピソードとして転化させるためにも勝利が欲しかったところだったが、さすがにいつもの破壊力ある末脚はなく、内をうまくすくっていたギュスターヴクライを最後まで追い詰めるのが精一杯。1年前に始まった連勝街道はここでストップとなった。
  • 2歳時の問題児としてのオルフェーヴルが久々に出てしまった。3歳はレースに出るたびに課題をクリアして、安定した競馬ができるようになり、いつしかテン良し中良し終い良しの「完成された」馬として見なすようになっていたが…。菊花賞(G1)でも力む場面があったように、やはり長い距離では幼さが出てしまう。こういうことになってしまうのならば、敢えて長距離レースに出す必要はないという意見もあるだろう。だが、目標をスローで進むヨーロッパ競馬の最高峰、凱旋門賞(仏G1)としている以上は必ず克服をしておかなければならない課題。直線では疲れからか内に刺さってしまいヒルノダムールを妨害してしまい、やりたい放題。今までのようにレースの中で徐々に教えていく他ないだろうが、その機会は少ない…。個人的には馬体に問題がないのであれば、天皇賞・春(G1)にも是非出て欲しい。成長の早い馬ということも確か。きっと違う面を見せてくれるはずだ。負けてしまったのは仕方がない。だが、これを糧にしなければ…。それにしても、三冠馬のレースは全て競馬史の1ページとなるレース。それだけにとても残念なレースとなってしまった…。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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