【皐月賞】優勝:ゴールドシップ

2012(平成24)年4月15日中山、G1・芝2000m、フルゲート18頭、晴・稍重

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (14) ゴールドシップ 牡3 57.0 内田博 2.01.3 34.6 498( -8)
2着 (9) ワールドエース 牡3 57.0 福 永 2 1/2 34.9 446( 0)
3着 (6) ディープブリランテ 牡3 57.0 岩田康 3/4 36.7 502( 0)
4着 (15) コスモオオゾラ 牡3 57.0 柴田大 ハ ナ 36.4 476( +2)
5着 (18) グランデッツァ 牡3 57.0 デムー 1 1/4 35.4 484( -6)
  • 前日の荒天からは一転、快晴の中山。皐月賞あたりではやや冷たい風も吹いて、馬場は急速に回復してやや重でのレースとなった。この日の中山は、各騎手が荒れている内を嫌って外を回す競馬が続き、時計が掛かる決着。しかし、外目の芝は相対的に状態が良いと見られ、9Rでも外を伸びてきた馬が勝った。このコース取り、特に外をいかにうまく回して伸びることが出来るかが皐月賞でもキーポイントとなると思っていたのだが…。
  • 今回はスタートをうまくこなしたゼロスが外から気合いをつけて先行するも、予定通りにメイショウカドマツに行かせて2番手に控える。この2頭が前を占めるのは戦前の予想通り。予定外といえばワールドエースの福永騎手がゲート出た後、しばらくして他馬に寄られてしまい、あわや落馬の場面。何とかこらえて後方から。位置取り自体はスムーズに出ていた場合とほぼ同じだっただろう。その意味では、影響は少なかったが。各馬内を大きく空けて馬場の中ほどを周回して1コーナーへ。
  • さて、なんと言っても、明暗を分けたのはペースとコース取りだった。まずペース。先行争いを制したメイショウカドマツ。出し惜しみせずに後続を引き離した逃げ。1000m通過は59秒1と、この馬場では驚異的とも言えるペースを刻み続けた。このペースでアダムスピーク、そしてディープブリランテ、トリップらが行きたがってしまい前に馬を置けないままに3番手、4番手と馬群の先頭に立たされてしまう。この位置取りはかなり体力を消耗することとなったはず。3コーナーで先頭を奪ったゼロスが果敢に直線でも引き離しに掛かるものの、13秒6とヘロヘロになってしまったハイペースだった。一方で人気上位馬の多くは後方待機。グランデッツァは後方4番手。そして、ワールドエースは同2番手。さらにゴールドシップは最後方からの競馬となった。グランデッツァは外枠で、ただでさえ各馬が外を回っている中で結果的に位置取りが後ろとなってしまったが、これは展開的には間違いとはいえない。
  • もう一点のコース取りという点が最終的な着順の差となった。当然、各馬セオリー通りにコーナリングだけではなく、直線でも外を狙って殺到。大きく隊列がばらけて直線勝負に。グランデッツァは3コーナーから上昇開始。ワールドエースもついていくが、既に馬場の中ほどには前にいた馬たちがいて転進不可能。必然的に大外を選択しなければならなかった。この大きな距離ロスの一方で、勝ったゴールドシップは内をつく競馬。内田騎手、道中もギリギリ芝のいいところを通るようにしてロスを回避。これは最後方という位置取りだからこそできたこと。そして、3コーナーから強引に仕掛けると内側のまま。ここでの距離得は大きく、直線向いたところではグランデッツァらよりも前。内田騎手としては重馬場で最後方というリスクを引き受ける一方で、コース取りの自由を得たということだろう。直線ではあっという間に突き抜けて半ばで先頭。坂でも脚は衰えずに、猛追する後続に決定的な差をつけて一冠目制覇。
  • とにかく、内田騎手を誉めるしかない。誰もが安全策を考えて外を狙うのが当然の状況。4番人気という「挑戦できる立場」だったこともあろうが、あの内をついた発想は素晴らしい。前走はスローだったとはいえ先行することもできただけに、この位置取りというのも相当思い切った作戦。内田騎手としては長い脚が使える確信があったかはわからないが、ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)で見せた3コーナーまくり上がりから、ある程度の確信をもってのスパートだったのだろう。状態としてはまだ上積みがありそうで、次はさらに良化が見込めるのではないか。この騎手の力で勝った一冠目は大きい。明らかに次の方がこの馬にとって条件はいいはず。ライバルたちを頭半分リードするレースだっただろう。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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