【ヴィクトリアマイル】優勝:ホエールキャプチャ

2012(平成24)年5月13日東京、G1・芝1600m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (12) ホエールキャプチャ 牝4 55.0 横山典 1.32.4 33.8 470( 0)
2着 (16) ドナウブルー 牝4 55.0 ウィリ 1/2 34.1 432(+12)
3着 (1) マルセリーナ 牝4 55.0 田辺裕 1 1/4 33.5 448( +2)
4着 (3) キョウワジャンヌ 牝4 55.0 柴田善 ハ ナ 33.9 464( +2)
5着 (7) アパパネ 牝5 55.0 蛯 名 3/4 33.8 498( -6)
  • 昨年から一転して大混戦となった、ヴィクトリアマイル。年によってペースが極端となることが多かったが、今年はクィーンズバーンが単騎で早々に先手を握ると、平均ペースに落とし込んで引っ張っていった。800m通過が46秒2というペース。後半も46秒ちょうど。結果的には前後半のラップが均等に流れる、前が止まらない流れとなった。この中で積極的な位置取りを見せたのはドナウブルー。2番手に外からスッとつけて先団の位置を確保。ウィリアムズ騎手、ペースを判断した上でのこの位置取りはさすが。もう1頭、ここでホエールキャプチャも3番手。横山典騎手は前走に続く騎乗だったが自在性のあるこの馬を今回も先行させた。各馬、やや行きたがるところを見せるほどの緩いペース。これにうまく乗ってレースを進められた。一方で、上位人気3頭はいずれも中団から後ろ。アパパネはマルセリーナとともに中団のインで待機。脚をためて差す作戦。2番人気のオールザットジャズは後方となってしまった。
  • この中で勝負の明暗を分けたのは、地力とコース取りとなった。まず位置取り。先述のようにほぼ前後半が同タイムで展開。前半も後半もそこそこ流れるという展開では、単純に位置取りだけではなく地力も必要となる。極端に前の馬に恩恵があるというわけでもなく、また後方の差し馬に恩恵があるというわけでもない。確かに今の府中の馬場を考えれば前が止まりにくいだけに、今回のペースでは位置取りとしては前の方が有利だっただろうが、基本的にはスピードの持続力が問われるレース。マイラーとしての資質よりも、中距離でもこなせるような地力が求められるレースとなった。これではタメが出来ないだけに単純なスピードだけでも、あるいは前の馬の脚が鈍らないため決め手を持ち味にしているタイプは厳しい。また、コース取りも重要だった。土曜日のレースでは外差しがよく決まったが、東京は今週からBコースとなって内側の損傷がある程度カバーされて、内外の馬場状態の差は少なくなっていた。この中で、上位馬は外に出さずにひたすら内の狭いところを潜り抜けてきた馬たち。前が止まらない流れでは、何よりコースロスが一番避けたいリスク。ドナウブルーのウィリアムズ騎手、この意味でも早々に馬を前に置いて、外目を回されることを回避したのは見事。
  • 直線に入るとクィーンズバーンが意外な粘りを見せたものの、ホエールキャプチャが持ったままで競りかける。外からドナウブルーもスパート。2頭の争いになったが、ドナウブルーは坂上で外に逸走。そのロスもあってホエールキャプチャが単独先頭。直線のラスト3ハロンは34秒2と過去3番目の時計。33秒台を繰り出して、アパパネ、キョウワジャンヌ、マルセリーナといった切れ者が追い詰めるものの、この展開を生かしてソツなく乗ったホエールキャプチャが栄光のゴール。ついにG1タイトルを手にしたホエールキャプチャ。自在性がある馬で2歳時のファンタジーS(G3)で逃げから差しに転身。しかし、差し切れない競馬が続き昨秋から先行馬に。しかし、なかなか押し切れないレースが続いた。結局はマイルがベストということなのだろう。これでマイルは5戦5連対とパーフェクト。時計面で不安はあったが、今回のレースぶりならある程度の速い流れでも対応できるだろう。やはり現代競馬は、先行策こそ安定した成績を残せる脚質。前走のように馬場の影響も受けやすいタイプではあるが、良馬場であれば今後も大きく負けることはないだろう。マイルから1800mで地力を生かすタイプ。
  • 2着ドナウブルーもまた差しから先行に転じて成功。ウィリアムズ騎手の好騎乗もあったが、こちらも軽い馬場が合う。最後のよれた走りは初めての左回りの影響があったのかもしれない。馬体重も戻していたのは良かった。3着マルセリーナはこのペースで力が入っていたが、田辺騎手が馬ごみで宥めた。直線では強気に田辺騎手が狭いところをついて絶対に引かないという強い意思を見せた好騎乗。最後は僅かに届かなかったが展開次第で出番はある。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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