【オークス】優勝:ジェンティルドンナ

2012(平成24)年5月20日東京、G1・芝2400m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (14) ジェンティルドンナ 牝3 55.0 川田将 2.23.6 34.2 460( +4)
2着 (9) ヴィルシーナ 牝3 55.0 内田博 35.3 432( -2)
3着 (3) アイスフォーリス 牝3 55.0 松 岡 3/4 35.6 458( 0)
4着 (1) アイムユアーズ 牝3 55.0 ウィリ ハ ナ 35.9 444( -6)
5着 (15) サンキューアスク 牝3 55.0 北村宏 35.5 480( -4)
  • 直線でのパフォーマンスはもう恐れ入ったの一言。私自身もこの馬の切れ味はいかにもマイラーとしての資質を示唆していると考えていただけに、ここまで圧倒的な強さを見せられては言葉もない。素晴らしいレースだった。この日の東京は時計が出る馬場。一つ前の準オープン特別では1400mのレコードタイムが飛び出した。このレースでもある程度の時計は出ると思われたが、前半から1000m通過59秒というハイペース。全体の時計が早くなっている条件だけに、消耗度の評価は数字だけでは難しいのだが、1200mの前後半が71秒−72秒6と前掛かりだったこと、そしてラップタイムの推移からは12秒台前半が中盤から後半に続いた上、例年と異なり直線に入ったところでペースアップが極端にはなく、脚を際限なく使わされ続ける展開。実際、前にいたマイネエポナとエピセアロームは大敗してしまった。もちろん、そもそもの実力の面で足りなかったのだろうが、敗因としては展開的な要素もあったはずだ。今回、今まで控えて追い込むことが多かった、オメガハートランドとトーセンベニザクラも先団の外。無理に抑えることを嫌ったが、前が残るという考えでこういう位置取りとなったのだろうか。ともかく、先団に馬が殺到。マイネエポナが多少強引に引っ張っていくこととなった。
  • この流れで、有力馬の位置取りは、まずアイムユアーズが先団内側。距離不安はあったがいつもどおりのレースで敢えて挑む構え。2番人気ヴィルシーナも先団に取り付いていく。ただ、内田騎手はペースが速いことからスッと2コーナーあたりでポジションを中団に下げて脚をためる作戦に切り替えた。これは間違いではないが、一点だけ不安があるとすれば、決め手勝負となる直線勝負で対応できるか。この馬は、地力でジリジリと伸びるタイプ。スパッと切れるようなタイプには、桜花賞のようにあっさりと前を許してしまうタイプ。ただ、展開と距離を考えればやむをえないスイッチだろう。8番手で向こう正面へ。そして、それをピタリとマークしていたのが1番人気のミッドサマーフェア。蛯名騎手が自賛したようにスッと外に出して予定通りヴィルシーナを目標にした競馬。道中の挙動は完璧といっていいレース運び。馬券圏内には必ず絡むと思われたのだが…。そして、桜花賞馬ジェンティルドンナは気分よくこの後ろ。掛かることもなくテン乗りとなった川田騎手を背に追走していく。
  • ペースは後半に入っても衰えず縦長の隊列。ミッドサマーフェアにマークされていたヴィルシーナは3コーナー過ぎからスパート開始。前が残ることを警戒したこともあろうが、出来るだけ切れ味で劣ってしまうジェンティルドンナ、ミッドサマーフェアに対してリードを奪ったまま直線を向かいたいという考えだったはず。しかし、このペースで位置取りを挙げることに苦労。手綱が動くが馬がなかなか前に行かない。やや苦しそうにも映るが、単にペースが速い中で加速がしづらかった結果だろう。この時点でミッドサマーフェアはまだ手綱が動かず。外を余裕の追走。どこでヴィルシーナを置き去りにするか。考えるべきことはそれだけだった、はず…。
  • 直線ではまずオメガハートランド、トーセンベニザクラが先頭に迫るが、外からアイムユアーズ。そして、後ろからはヴィルシーナが伸びてくる。外からはミッドサマーフェアが追撃を開始していくが、全く伸びない。その代わりに後ろから伸びてきたのは、ジェンティルドンナ。ただ1頭、34秒台の末脚で大外一気。残り200mで5馬身差をつけて二冠目のゴール。
  • ハイペースだったものの、後ろから飛んで来た馬は勝ち馬とサンキューアスクぐらい。タフな流れだったことは確かだろうが、ペースで各馬消耗してしまい、後ろの馬も含めて上がり35秒台のレンジで末脚を競う、タフな地力勝負となった。ジリジリとした伸び脚比べ。そんな中、1頭だけ次元の違う34秒2という、上がり二位のハナズゴールに1秒の差をつける圧倒的な勝ち方。ブエナビスタが2〜3歳時に繰り返していた末脚だけで展開、位置取り関係なく勝ちきってしまうというレースを想起させる実力の違いで決着をつけてしまったレース。これで、三冠目に向けても視界良好だろう。現時点での同世代牝馬には決着をつける勝利。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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