【日本ダービー】優勝:ディープブリランテ

2012(平成24)年5月27日東京、G1・芝2400m、フルゲート18頭、晴・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (10) ディープブリランテ 牡3 57.0 岩田康 2.23.8 34.5 496( -6)
2着 (11) フェノーメノ 牡3 57.0 蛯 名 ハ ナ 33.9 490( -2)
3着 (14) トーセンホマレボシ 牡3 57.0 ウィリ 3/4 36.1 504( +6)
4着 (8) ワールドエース 牡3 57.0 福 永 ク ビ 33.8 446( 0)
5着 (6) ゴールドシップ 牡3 57.0 内田博 ク ビ 33.8 500( +2)
  • 皐月賞1、2着馬が人気を集めた1戦。しかし、別路線含めて史上稀にみる大混戦のダービー。馬券的には非常に難しいレースとなった。前半からディープブリランテがスッと行く構えを見せると、それを外から主導権を取り返したのがゼロス。これで大体予想通りの隊列。トーセンホマレボシがエンジンをかけて2番手でスピードを生かす競馬を狙い、ディープブリランテがやや前目の先団。そしてグランデッツァがそれを追走。フェノーメノが中団の外。そして、人気2頭は皐月賞同様に後方からのレースとなった。
  • 勝敗を決めたのは、結局ペースということになるだろう。1000m通過が59秒1という数字も速いが、1200m通過が1分10秒4と過去と比べて群を抜いて速い流れとなった。後半の1200mはこれよりも遅い1分13秒というハイペース。これでは厳しい流れ…と思うのが定石。積極的にレースを運んだディープブリランテ、トーセンホマレボシらは距離適性も未知なだけに、やや直線に不安を残す位置取りとなった。しかし、縦長の隊列でゼロスとトーセンホマレボシと後続は4、5馬身ほど差をつけて逃げていく。道中も12秒台前半から11秒台とほとんどペースに変動がなく、厳しい流れ。これでは、先行馬は丸つぶれ…となるはずなのだが、今の東京コースは極端に前が止まらないコンディション。加えて、今週からCコースの使用となって先週以上に前、インが止まりにくい馬場となっていた。結果的に、先行馬がこのペースにもかかわらず最後まで上位争いを繰り広げることが可能となっていた。
  • しかし、ここで勝敗の明暗を分けた要因として仕掛けのタイミングも挙げなくてはならないだろう。ダービーという頂点を決定するレースに相応しい、馬を信じたジョッキーたちの、見ごたえある地力勝負が直線で展開されることとなった。まず驚きだったのはウィリアムズ騎手。この驚異的なラップに付き合った挙句、直線でも入り口早々にゼロスを交わしに掛かって、リードを奪いきり最後まで凌ぎきろうという超強気の乗り方。前走の競馬同様に出し惜しみをしないレース。直線序盤で先頭。しかし、これを追うようにして岩田騎手も早々とスパートをかける。位置取りの利があった分、そして前の馬が人気薄だっただけに、後続のスパートをある程度待つという選択肢もあったはずだが、とにかく馬の地力を信じてこちらも後続を振り切ろうという作戦。グランデッツァ、フェノーメノらがこれに続く。後方からは遂にゴールドシップも追撃開始。実力馬たちが全力を出し合う、素晴らしいレースとなった。しかし、ここでワールドエースは仕掛けを一旦待ってしまう。前にフェノーメノがいたこともあろうが、4コーナーでコース取りに慎重になった結果、ワンテンポ、ゴーサインが遅れてしまった。外にいたゴールドシップに激突するようにコースを取ったが…。高速馬場ではこの少々のトラブルが大きく影響する。
  • この絶妙のタイミングと、前が止まらない馬場でちょうどいい位置にいたディープブリランテ。ラスト600mは例年の平均よりも遅い36秒1とはいえ、極端に、ガクッと遅くなった時計でもない。リードを生かしきった2頭が最後まで首位争い。しかし、直線200mを残すところで早くも先頭に立って、トーセンホマレボシを追い抜く。外からフェノーメノが懸命に追い上げながらもコース取りの僅かな差、位置取りの差が影響してハナ差及ばず。岩田騎手の渾身の手綱でディープブリランテが栄光の第79代ダービー馬に輝いた。
  • ストーリーがある馬が勝つ、素晴らしいダービー。騎乗停止から岩田騎手は志願して毎日同馬に騎乗。折り合いに不安を残すこの馬をキッチリと教育した。今回は前半から行きたがるところがあったが、このペースに助けられ4番手でキッチリと折り合えた。直線では人馬一体となったスパート。前走は厳しいペースで粘りこんだがやはり地力は高い。このペースでも強気の立ち回りで最後まで、東京の長い直線を走りきった。極端に長い距離となると疑問もあるが、中距離から2400mまでのレンジはこの馬の地力が生かせるだろう。それにしても、今日の岩田騎手の騎乗は素晴らしかった。どこかで間違えていればきっとフェノーメノに差されていただろう。いいレースを見せてもらった。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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